新規事業の失敗確率はどの程度だろうか?
これを考え始めると、そもそも新規事業における"失敗"の定義が必要になる。しかし、ここではその議論を敢えてスキップして、誰にとっても失敗と言える事例で、わかりやすい確率を端的に求めようと思う。
64.8%
これは米国のベンチャーキャピタル・Correlation Venturesによる調査で、ある企業に投資した結果、企業価値が1倍未満だった企業の割合だ。
この調査は2004年~2013年の間で行われた21,640社への投資の追跡調査の結果で、IPOしたり、売却した企業も数に含んでいる。
VC Adventure 2014 Venture Outcomes are Even More Skewed Than You Think
新規事業における失敗の定義は色々あると思うが、少なくとも元本割れは明らかな失敗と言えるだろう。
これが65%。やはり厳しい数字だ。
「新規事業の成功確率は5%」は本当か? で、日本の中小企業庁のデータも考察した。
ここでも新規事業における"成功"の定義の話はついてまわるが、成功確率は3~5割(明確な成功は1割程度か)という見立てだった。
上記の65%の逆数として、そこまで変な数字ではなさそうだ。
先程のデータほどソースがしっかりしていないが、参考までに類似データを掲載する。
Money Talks, Gil Ben-Artzy
ここでも50%の投資は1倍未満という数字が見て取れる。先程のデータと大きな乖離はない。
偶然の一致かもしれないが、やはり新規事業の約半分程度は"明確な失敗"となるのかも知れない。
上記の円グラフは、一方で別の側面を示している。
一般的に、3倍のリターン(1億ドルのファンドであれば3億ドルのリターン)を生み出すVCファンドであれば、「ベンチャー投資のリターン」をあげている妥当な投資対象として認められる。
その観点から言えば、95%のベンチャーキャピタルが失敗していると言える。
一般企業の新規事業における成功や失敗の定義が、ベンチャーキャピタルと同じかどうかについてはまた別の機会に。
いずれにしても上記の新規事業における失敗確率は、新規事業を始める上で1つの期待値と考えておくべきなのかも知れない。