ニュース・コラム

2019.8.25
ビジネスモデルの構造と新規事業アイデアの考え方
新規事業

執筆者:unlock代表・津島越朗

新規事業を作る際、着目したい課題を見つけたら、その解決策を考えればビジネスの骨格の大部分が出来上がります。

解決策 ≒ ビジネスモデル とも言い換えられます。ビジネスモデルはあらゆる人があらゆる表現方法でその種類を分類していますが、unlockでは解決策となるビジネスモデルは下記の4つで構成されていると考えています。

1.ストラクチャー

ここで言う「ストラクチャー」とは、ビジネスを成立させる仕組みのことです。一般的にはほとんどの場合、この部分をビジネスモデルという場合が多いです。

ストラクチャーの考え方

課題を見つけられれば、案外解決策についてはぱっと思いつく場合も多いですが、思いつかない時はどうすればよいのでしょうか?

最も有効なアプローチは、既存の事業モデルを知り、そのモデルを参考に着想を得ることだと思います。

課題は、時代の変化や人々の価値観などにより、多種多様であり、常に変化していくものです。その一方、その解決策は元となるモデルの変化が課題に比べると速度が遅く、パターンもある程度限られています。

ここでは、事業モデルの種類を紹介し、そしてそれらに変化を与える要素をご紹介します。それらに今ご自身が考えている課題を当てはめてみて、解決の方法を考案してみてください。

事業モデルの基本形

unlockでは、事業モデルをまずどこから対価をもらうかという軸で分類し、その後その事業モデルをどのように変化させるかという考え方でモデルを整理しています。

①利用者課金型:

作って売る、仕入れて売る など、供給側が需要側(利用者・購入者)に課金するモデルです。もっともベーシックなモデルで、BtoC、BtoC問わず、世の中のほとんどのビジネスがこのモデルです。人材や不動産、M&Aなどで見られる成果報酬型の仲介・斡旋モデルもこちらに分類できます。

②利用者無料型:

無料アプリやYouTubeのチャンネル動画、テレビやWebニュースの記事に至るまで、世の中は無料であふれています。無料で提供できる理由は、別のところから収益を得ているから。代表的な手法が広告による手法です。上記で挙げた成果報酬型の仲介・斡旋モデルで、しばしば成約しても無料なのは、もう片方から収益を得ているからであり、そういった点ではこちらのモデルにも分類できるものもあると言えます。

世の中のビジネスの全てが、この2つのモデルに収れんされます。しかし他にもたくさんのモデルがあるのでは?と思われる方が多いと思います。

unlockでは世の中にあるビジネスはこの上記の基本形を変化させたものと考えています。

それでは、上記の基本形を変化させる要素をご紹介します。

事業モデルを変化させる要素

<課金系>

  • フリーミアム
  • サブスクリプション(SaaSの代表的な)
  • 成果報酬
  • 従量課金 / ばら売り(まとめて買うしかなったものが小ロットから買える)
  • 一括払い /まとめ売り(ばら売りの逆)

 ※上記以外のモデルはunlockのコンサルティングで!

 

<ポジショニング系>

  • 高品質版
  • 廉価版(効果は同じジェネリック医薬品、機能をそぎ落とし価格を落とす手法も)
  • 簡素化 / 省力化
  • 高速化 / 急行化(時間軸も品質と捉え、速度が上がると価格が上がる傾向)
  • 低速化

 ※このポジショニングの中での工夫の仕方はunlockのコンサルティングで!

 

<チャネル系>

  • Web / EC化(無店舗化もここに含まれる)
  • アプリ化
  • リアル化(Web化、アプリ化の逆)
  • フランチャイズ化
  • 多言語化(海外展開)
  • 中抜き / 直接取引(D2Cもここに含まれる)

 ※上記以外のモデルはunlockのコンサルティングで!

 

<所有系>

  • シェアリング
  • サブリース
  • ファブレス
  • 受注生産 / 買い付け(商品在庫をもたず注文を受けてから作ったり買ったりする)
  • OEM(自社のブランド名は付けない≒ 商品に持たせない)

 ※上記以外のモデルはunlockのコンサルティングで!

 

<施策系>

  • 送料無料
  • 後払い
  • ポイント付与 / 払い
  • 返金保証(品質保証)
  • 価格明朗化
  • 決済代行

 ※上記以外のモデルはunlockのコンサルティングで!

 

以上がストラクチャーのご紹介でした。

2.テクノロジー

次はテクノロジーです。ほぼ毎日のようにニュースで目にするようになった「AI」をはじめ様々なテクノロジーや科学の進化により利用できる素材や技術が増えています。

ビジネスモデル(ストラクチャー)自体は従来と同じでも、新たに適用するテクノロジーにより、解決できる課題やビジネスが変わり、ビジネス自体の価値が変ってきます。

代表的なものとしては、下記が挙げられます。

  • AI
  • ロボティクス
  • AR, VR, MR
  • 光 / 量子技術
  • 新素材 / ナノテクノロジー
  • サイバーセキュリティ技術
  • センシング技術
  • バイオテクノロジー
  • 多言語の自動翻訳技術
  • 人工臓器や遠隔医療
  • ブロックチェーン
  • ビッグデータ
  • ドローン
  • IoT

3.ターゲット

課題を解決するアプローチの場合は、サービスを提供するターゲットが決まっている場合がほとんどですが、何かビジネスを考えたいというスタートの場合、ターゲットを変化させることでビジネスそのものが変化することも多くあります。

例えば、職人向けのワークウェアを販売していた、ワークマンはアウトドア用としてターゲットをチューニングすることで、更に大きく飛躍しました。

RIZAPもそのターゲットをシニアに特化するプログラムを作り好評を得ています。

ターゲットのパターンを検討する場合のコツは、いわゆるデモグラをテンポよく入れ替えながら検討してみると、可能性を感じるひらめきが生まれることがあります。

  • 性別(LGBTもここに含まれる)
  • 年代(60代以上を”シニア”とひとくくりにし過ぎる傾向に注意。人口のボリュームゾーンであり価値観や可処分所得に大きな違いが存在)
  • 居住エリア
  • 職業
  • 可処分所得

※上記以外のターゲットの考え方はunlockのコンサルティングで!

4.テーマ

3と同じく、課題を解決するアプローチの場合は、テーマも決まっている場合がほとんどですが、何かビジネスを考えたいというスタートの場合、特定のテーマを当てはめてみることでビジネスの着想が浮かぶことも多くあります。

このテーマですが、いわゆるトレンドのようなものが選ばれることが多くあります。

  • 対コロナ
  • リモートワーク
  • ヴィーガン
  • 筋トレ(プロテイン)
  • リファラル採用
  • 働き方改革
  • エシカル
  • サステナビリティ(脱炭素含む)

 ※上記以外のテーマはunlockのコンサルティングで!

以上のような要素により課題に対する解決策を考案したり、新規事業アイデアのブラッシュアップを行います。少しの変更で大きく収益が変るモデルも多いのでぜひご自身のアイデアを再度見直すのに活用してみてください。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/