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2024.8.22
社内ベンチャーとは?既存事業の枠を超え、新たな収益源を生み出す新規事業制度
新規事業

近年、「社内ベンチャー制度」を導入し、新規事業創出に積極的に取り組む大企業が増えています。社会構造や産業構造が変化し、人口も減り続ける日本市場において企業が新規事業に取り組むことは経営施策上欠かせません。しかし社内ベンチャー制度を導入したとしても、新規事業の立ち上げが成功するとは限りません。本記事では、経営の観点から、社内ベンチャーを成功に導くための4つのポイントを具体的な事例を交えて解説します。

社内ベンチャー制度とは

社内ベンチャー制度は、大企業が内部で新規事業を立ち上げるための制度です。独立した組織やプロセスを持ち、イノベーションを促進し、新たな市場や技術領域への進出を支援します。0から始める起業家を「アントレプレナー」と呼ぶのに対し、社内ベンチャーのように企業に所属しながら、企業の中で新規事業に取り組む起業家を「イントレプレナー」と呼びます。

社内ベンチャーを成功に導くための4つのポイント

1. ビジョンや目的を明確にし、社員全員へ共有する

社内ベンチャーを成功させるためには、ビジョンや目的を明確にし、なぜ社内ベンチャーを育成する必要があるのか、社員全員へ共有することが重要です。ここからは、ビジョンや目的を明確にするための施策を紹介します。

・フレームワークを活用する

フレームワークを利用すると、新規事業のビジョンや目的を明確化することが可能です。SWOT分析やPEST分析などのフレームワークを用いることで、事業の特性を客観的に把握し、ビジョンの策定に役立ちます。また、OKR(Objectives and Key Results)*フレームワークなどを用いれば、目標設定を具体化し、達成度を定量的に測定できます。これらのフレームワークを活用することで、ビジョンや目的をより具体的に明確化し、チーム全体が一致した方向性に向かって取り組むことができます。

*OKR:1970年代に半導体メーカーIntelが採用したのが始まりとされ、Google、Oracle、Facebookなどが次々と導入、日本においても、メルカリ、Sansan、花王など大手企業がOKRを導入しています。

・イントレプレナーシップを促進する

イントレプレナーシップは、組織内で起業家精神を醸成し、社員が新しいアイデアを提案し実行することで、成長と革新を促進する概念です。コミュニケーションと情報共有の促進やビジネスコンテストの開催が重要であり、失敗を恐れず新しいことに挑戦する文化を醸成する必要があります。また、アイデア実現のためのリソースやサポート体制を整備し、新規事業推進部の設立などの取り組みも有効です。これらの施策を組み合わせることで、組織全体がイントレプレナーシップを促進し、持続的な成長を実現します。

2. 挑戦しやすい環境を整備する

社内ベンチャーを成功させるためには、挑戦しやすい環境を整備することが重要です。ここからは、挑戦しやすい環境を整備するために必要な施策を紹介します。

・失敗に寛容になる

組織が失敗を恐れず、むしろ学びの機会として捉える文化を醸成することで、新しい試みに挑戦する雰囲気を作り出すことができます。世の中の成功者は数々の失敗を繰り返しています。失敗から得られる教訓を共有し、成長の機会として活用することで、社員が新しいアイデアに積極的に取り組み、イノベーションが促進されます。例えば社内ビジネスコンペを実施する際には、審査を通過した人へのフィードバックだけでなく、通過しなかった人へのフィードバックも丁寧に実施し、改善点やアドバイスを提供し、再び挑戦することを応援すると、参加者の満足度が上がり、挑戦する文化を醸成することができます。一歩を踏み出すことこそが重要であり、失敗を恐れず皆が挑戦する文化を根付かせることが重要です。

新規事業でよくある失敗の理由を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業が失敗する理由とは?成功させるためのアプローチを事例とともに解説

・挑戦したことを評価する

従来の成果主義に加え、挑戦やイノベーションへの取り組みを評価する仕組みを導入すると、社内ベンチャーの推進が促進されます。失敗を許容し、挑戦に対して積極的な姿勢を評価することで、社員が新しいアイデアに取り組む意欲が高まります。また、挑戦的なプロジェクトに参加したり、リスクを取ることを奨励する報酬や昇進の制度も導入することが効果的です。

・支援体制を充実させる

支援体制を充実させるには、起案の段階から本業との両立を可能にする必要があります。社内ベンチャー起業に向けたインプットのための時間確保や副業制度、場合によりベンチャーや研究機関への出向等を可能にする体制を検討しましょう。その上で、新規アイデアに対するサポートを強化し、必要に応じてリソースや専門知識を提供することで、社内ベンチャーの実現可能性が高まります。また、メンタリングプログラムやトレーニングセッションを通じて、社員のスキルや意欲を向上させると、挑戦に対する自信が身に付きます。さらに、失敗した場合でも学びの機会として捉え、フィードバックやアドバイスを提供する文化を醸成することも重要です。支援体制の充実により、社員が新しいアイデアに取り組みやすくなり、挑戦的なプロジェクトの成功につながります。

3. 社内ベンチャー制度の認知を高める

社内ベンチャーを成功させるためには、社内ベンチャー制度の存在感を高めることが重要です。ここからは、社内ベンチャー制度の認知を高める方法を紹介します。

・ビジネスコンテストの開催

社員がビジネスコンテストを通じて自由にアイデアを出し合い、競争や創造性を刺激し、新しいビジネスアイデアを発掘できます。また、優れたアイデアはベンチャー制度を通じて実現され、社内のイノベーションや成長を促進します。ビジネスコンテストは、社員の参加意欲を高め、組織全体でのアイデアの価値を認識させる効果があります。

ビジネスコンテストによって新規事業を成功させる方法を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

ビジネスコンテストから成功した新規事業

・研修プログラムの開催

社内ベンチャー制度に関する研修プログラムは、社員にベンチャー企業の運営や起業家精神について学び、自らのアイデアを実現するためのスキルや知識を身につける機会を提供します。また、成功事例や失敗事例を共有し、ベンチャー企業のリスクや醍醐味を理解させることで、社員の意欲を喚起し、ベンチャー制度の活用を促進します。研修プログラムは、社員のイノベーションへの積極的な参加を促し、組織全体の成長を加速させるのに有効です。

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・ロールモデルの提示

成功した社内ベンチャーの創業者やリーダーをロールモデル、ヒーローとして提示することで、他の社員に目標やベンチャーへの興味を喚起します。また、ロールモデルが現実の人物として存在することで、「私もやってみよう」「協力したい」と、ベンチャーへの参加や挑戦へのハードルが低くなり、積極的な行動が促進されます。

4. 迅速な意思決定と実行

社内ベンチャーを成功させるためには、迅速な意思決定と実行が重要です。ここからは、迅速な意思決定と実行を促す方法を紹介します。

・権限委譲

権限委譲は、意思決定や行動を迅速に行うための重要な手法です。組織が上層部から下層部に権限を委譲し、現場の社員がより自由に判断し行動できる環境を整備することで、意思決定のスピードや柔軟性の向上が可能です。また、組織内で権限を委譲することで、意思決定が迅速に行われ、タイムリーな対応が可能となります。

・縦割り主義の打破

縦割り主義とは、組織内で情報や権限が上下の階層に閉じている状態のことです。組織内の縦割り主義は情報や意思決定が階層的に制限されるため、意思決定に時間がかかり、実行が遅れる傾向があります。しかし、縦割り主義を打破し、情報や権限を適切に横断的に共有することで、関係者が迅速に意思決定し、行動することが可能となります。

・外部との連携

外部と連携し、社外の賛同者やアドバイザーを得ることにより、組織内の情報や知識だけでなく、外部の知見やリソースを取り入れられます。これにより、意思決定の幅が広がり、迅速な判断が実現可能です。また、外部との連携によって、市場の動向や競合情報などの情報を得られ、迅速な対応や効果的な戦略の立案ができます。外部との連携は、組織の柔軟性や競争力を高め、迅速なビジネス展開に不可欠です。

当社では、3つの独自アプローチによってクライアントのアイデア出しをサポートしています。競合他社に負けないようなアイデアを生み出したい方は、当社のアイデアプランニングを検討してみてください。

アイデアプランニング

まとめ

今回は、社内ベンチャーを成功に導くための4つのポイントを紹介しました。社内ベンチャー制度は、組織内でのイノベーション促進や新規事業創出に役立ちます。社内ベンチャー制度を有効活用し、事業の成長に繋げましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/