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2024.9.20
新規事業ビジネスコンテスト運営で失敗しないために~はじめての事務局向けマニュアル~
新規事業

新規事業ビジネスコンテストは、社員の創造力を引き出し、企業の成長を促進する素晴らしい手段です。しかし、初めて運営する際には多くの課題が伴います。ここでは、成功するためのステップバイステップのガイドを提供します。

新規事業ビジネスコンテストとは

新規事業ビジネスコンテストとは、企業が社内外から優れた事業アイデアを募集し、競い合うイベントのことです。

新規事業ビジネスコンテストは、新規事業に適した人材を発掘することを目的としています。新規事業ビジネスコンテストを開催することにより、普段は目立たない才能を持つ社員を見つけ出し、彼らのスキルやアイデアを事業に活かすことが可能です。

また、新規事業ビジネスコンテストは、社内人材の育成にも寄与します。リーダーシップやマネジメント能力を養う機会となり、参加者は実践を通じて成長します。

さらに、企業が変化する市場環境に対応するための新規事業アイデアの創出にも役立ちます。新規事業ビジネスコンテストと同様にビジネス系のコンテストであるビジネスコンテストについて知りたい方は、以下のコラムををご覧ください。

ビジネスコンテストから成功した新規事業

新規事業ビジネスコンテスト開催の流れ

ここからは、4月中旬から広報を開始した場合を想定した上で、新規事業ビジネスコンテストを開催するまでの流れを9つのステップに分けて紹介します。新規事業ビジネスコンテストの開催を予定している方は、参考にしてください。当社のアカデミアでは、新規事業ビジネスコンテストだけでなく、新規事業立ち上げに必要な知識を3ヵ月間で提供しています。新規事業の運営にお困りの方は、ご利用ください。

1. 目的と目標の設定(1月中旬)

新規事業ビジネスコンテストを成功させるには、まず目的を明確にし、その上で具体的な目標を設定することが重要です。

目的が曖昧だと、参加者が何を期待されているか分からず失敗につながります。そのため、達成したいことや成果指標を明確にし、全社員にしっかりと伝えることが必要です。

2. コンテストのテーマ決定(2月下旬)

新規事業ビジネスコンテストのテーマは、参加者の関心を引き、創造力を刺激するものであることが重要です。

企業の戦略や課題に沿った明確なテーマを設定することで、応募されるアイデアの質が向上します。テーマが広すぎたり狭すぎたりすると、応募が少なくなるため、適切な範囲で具体例を示しつつテーマを設定し、社内コミュニケーションツールで広報することが大切です。

3. ルールと評価基準の策定(3月中旬)

新規事業ビジネスコンテストの成功には、透明性と公平性を保つための明確なルールと評価基準が欠かせません。

評価基準を設定せずにコンテストを始めると、参加者のモチベーションが低下し、次回の参加者が減少するリスクがあります。応募方法や締め切り、評価基準(創造性や実現可能性など)を設定し、シンプルで分かりやすいルールを定めることで参加者の混乱を防ぎます。評価基準は事前に社長を含む評価者と合意しておきましょう。

4. 審査員の選定(4月初旬)

新規事業ビジネスコンテストの審査員は、さまざまな視点を持つメンバーで構成することが重要です。

専門知識を持つ人や現場の意見を反映できる人を選び、部門横断的な審査員チームを組むことで、公平な評価とフィードバックが可能になります。審査員の選定が偏ると特定の視点に基づいて評価されるため、多様なバックグラウンドを持つ審査員を選ぶことが重要です。

5. 広報と参加促進(4月中旬)

新規事業ビジネスコンテストの成功には、社員の積極的な参加が欠かせません。

多数の参加者を募るためには、効果的に広報し、参加を促進することが重要です。広報手段としては、メールや社内掲示板、ミーティングでの告知が効果的です。

また、賞品や表彰制度などのインセンティブを導入し、社員の意欲を高めましょう。広報が不十分だと参加者が集まらないため、多様な手段を活用して繰り返し告知し、応募フォーマットも負担を軽減するよう設計してください。

6. 応募アイデアの管理(5月上旬)

新規事業ビジネスコンテストでの応募アイデアを効率的に管理するためには、専用のプラットフォームやツールを導入することが重要です。

専用ソフトウェアやスプレッドシートを利用して、応募者情報やアイデア内容、評価結果を整理し、管理プロセスを標準化してください。また、管理が煩雑になると評価が遅れるリスクがあるため、システムを活用して円滑な運営を図りましょう。

7. 審査とフィードバック(6月初旬)

新規事業ビジネスコンテストでは、公正かつ迅速に応募アイデアを審査し、参加者にはフィードバックを提供しましょう。

複数段階に分けて審査し、個別のコメントや総評を通じてフィードバックを提供します。フィードバックが不十分だと参加者のモチベーションが低下するため、詳細にフィードバックし、次回の改善と期待を促進することが重要です。

8. 表彰式とフォローアップ(6月中旬)

新規事業ビジネスコンテスト終了後には、優れたアイデアを称える表彰式を開催し、実現可能なアイデアをフォローアップしましょう。

表彰式を社内イベントとして盛り上げ、フォローアップの計画を具体的に立てることで、アイデアの実現を支援します。選定理由を明確にし、落選者にも具体的なフィードバックを提供することで、参加者の納得感を高め、次回の参加意欲を維持できます。

9. 振り返りと改善(6月下旬)

新規事業ビジネスコンテスト終了後には、運営チームで開催までの流れを振り返り、成功点と課題を共有し、次回に向けた具体的な改善策を策定することが重要です。

振り返りが形式的になると改善が進まないため、徹底的に振り返り、具体的なアクションプランを実行に移してください。それにより、社員の創造力を引き出し、企業の成長に繋げられます。

新規事業ビジネスコンテストの事例

ここからは、新規事業ビジネスコンテストの事例を3つ紹介します。

サイバーエージェント

サイバーエージェントの「あした会議」は、未来の新規事業や課題解決策を提案・決議する会議です。

年に1〜2回合宿形式で開催され、執行役員が選抜したチームが約1ヶ月間で市場のトレンドを分析し、事業アイデアを熟考します。約30件の提案から15〜20案が決議され、新規事業や経営課題の解決策として採用されます。あした会議は、経営層と社員が議論に参加し、迅速な意思決定と実行が特徴です。

実行スピードの速さが評価され、2021年には累計売上高約3,259億円、営業利益約455億円を達成しました。

リクルート

リクルートの「Ring」は、同社の従業員を対象にした新規事業提案制度です。

1982年にスタートし、2018年にリニューアルされました。Ringは、社員が自由に新規事業を提案できる場を提供します。提案されたアイデアは、既存領域に限らず広範囲にわたり、事業化を検討する権利が付与されます。事業化に向けたプロセスでは、予算や体制を構築する既存領域での開発や、スケージゲート方式によるテストマーケティングが実施されます。Ringを通じて、多くの新規事業が実現しており、リクルートの「新しい価値の創造」を支える重要な制度となっています。

三菱電機

三菱電機の新規事業ビジネスコンテスト「GEMstones」は、2021〜22年に約20年ぶりに開催されたビジネスアイデアコンテストです。

名称の「GEMstones」には、「Global Entrepreneurial Mindset」と「原石(Gemstone)」の意味が込められています。GEMstonesは、新規事業の原石となるアイデアと人材を発掘することを目的としています。コンテストには630名が参加し、283件のアイデアが集まりました。

GEMstonesの選考プロセスでは、アイデアの社会課題への対応力や適合性を評価し、最終的には7つのアイデアがピッチイベントでプレゼンテーションされました。GEMstonesは、社員の挑戦意欲を引き出し、イノベーション文化を促進することを狙いとしています。

まとめ

新規事業ビジネスコンテストは、企業のイノベーションと成長を促進する有効な施策です。

従業員の潜在能力を引き出し、競争力を高めます。新規事業ビジネスコンテストを積極的に導入し、継続的な開催でイノベーション文化を根付かせ、長期的な成長と人材育成を目指しましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/