新規事業を推進する際は、さまざまな困難を伴います。そのため、外部の新規事業コンサルティング会社を起用する企業も少なくありません。本コラムでは、新規事業コンサルティング会社の役割メリット、依頼する際の注意点について解説します。
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Correlation Venturesが21,000件以上の資金調達における成果を調査したところ、資金調達の65%は1倍の資本を回収できませんでした。企業の成長を目指して新規事業を推進しても失敗する事例は少なくありません。では、新規事業は何が難しいのでしょうか。ここからは、新規事業が難しいとされる理由を3つ紹介します。
※新規事業の失敗率について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
既存事業の成功に基づく方法や知識は、新しい市場や顧客ニーズには必ずしも適応するとは限りません。新規事業で既存事業のノウハウを適用させようとすると、従来の戦略やプロセスでは対応しきれない予測困難な課題や変化に直面することがあります。
新規事業を立ち上げるためには、新しいスキルセットや専門知識が必要になります。しかし、これらの人材を確保するのは容易ではなく、適切な人材が揃わないと効果的な戦略立案や実行が困難になります。このため、優れた人材の獲得と育成が新規事業の成功には不可欠です。
市場には既に多くの競合他社が存在しています。新規事業の推進を成功させるためには、競合他社がマネできない独自の価値を提供しなければなりません。競合他社の製品やサービスとの差別化ができないと、顧客の関心を引き、持続的な成長を実現するのが難しくなります。このため、新規事業の成功には独自性や革新性を打ち出す戦略が必要不可欠です。
新規事業コンサルとは、企業が新たな事業を立ち上げる際に、戦略立案、マーケットリサーチ、事業計画の策定、リスク評価などを支援する専門家です。企業に外部からの新たな視点と知見を提供し、内部の盲点を明らかにします。これにより、新しい市場機会や革新的なアプローチが見つかり、自社では考えつかない提案が可能です。また、コンサルタントはデータに基づいた市場洞察を提供し、効率的な意思決定をサポートします。さらに、組織変革を促進し、内部のコミュニケーションと協力体制を改善することに寄与する場合もあります。
日本企業で特徴的な傾向として、外部の意見が内部からの池により良くも悪くも受け入れられやすいという点があることもあり、新規事業の承認につながりやすくなる面もあります。
新規事業コンサルは、さまざまな業務をこなしていますが、主な役割は、以下の3つです。
新規事業コンサルは、新規事業の立ち上げにおける専門知識と経験、ネットワークを活用して企業が直面する課題を解決します。
新規事業開発においては、市場分析、競合調査、ビジネスモデルの設計、戦略立案、実行支援などさまざまな業務をこなさなければなりません。コンサルタントは、さまざまな企業の支援によって得た知識やノウハウを利用して中立的な立場からアドバイスを提供します。
異業種のベストプラクティスを提供できる点も、幅広い業界と取引をしている業務特性の特徴と言えます。
当社の顧問サービスでも、これまで培ってきた新規事業支援の経験をもとに、顧客の新規事業の早期立ち上げを支援しています。また、アカデミアを用いた顧客が持つ事業推進能力のベースアップなども可能です。
新規事業コンサルは、市場分析や競合調査を基に、実現可能な事業アイデアを提示し、事業計画の策定を支援します。また、リスク評価や資金調達のサポート、実行フェーズでの継続的なアドバイスを提供し、新規事業の成功確率を高めることも可能です。
当社では、3つの独自アプローチを駆使したアイデアプランニングを通じて、顧客の状況に合わせた事業提案を実現しています。また、事業の方針を検討したい方向けにマーケットリサーチにて市場のトレンド情報を提供んしています。
新規事業コンサルは、新規事業のマネジメントに必要な、目標設定、リソース配分、タイムラインの設計、チーム間の調整などプロジェクトの進行管理を担います。これにより、企業は戦略的なマイルストーンを設けられ、進捗管理がしやすくなるため、プロジェクトの成功率が向上します。
当社が提供しているターゲットファインダーでは、実践型のターゲット調査を用いて新規事業の方針を定めるための判断基準を提供しています。
どのような支援、どのフェーズからの支援かによりますが、どういった場合でも主に以下のような流れで顧客を支援しています。
達成したいことや理想の状態、その期限などを確認します。そのために現在どのような課題や問題点を抱えているのかを確認します。まだ付き合いが浅い契約前のコンサルタントにこういった内容を話すのは抵抗がある方も多いもの事実です。
しかし、コンサルタントからの提案や今後の成果に影響するため機密保持契約を結んだ上で、できるだけ本当のことをこの段階からお話することをおすすめします。
依頼主であるクライアント企業のことや扱っている商品サービスのことについて理解します。一般的にコンサル会社はその業界のスペシャリストをアサインする場合が多いです。
しかし新規事業の支援に特化する株式会社unlockのような会社は、あえてクライアント企業の業界のスペシャリストをアサインせず、業界の専門家ではないがゆえに見える視点と、その会社が描く新規事業の方向性にマッチした知見や経験を持つ新規事業のスペシャリストかどうかを重視して担当をアサインする場合が多いです。
壁打ちメンタリングとは、新規事業や企画開発において、経験豊富なメンターが相談相手となり、アイデアや課題について対話を重ねる手法です。主な特徴と効果は以下の通りです:
具体的な役割としては、以下のようなものがあります:
- 事業案の壁打ち相手: アイデアの拡散や事業案の構築において、フィードバックを提供します。
- 既存事業部門との連携支援: 社内の他部門との調整や協力を促進します。
- 事業推進者の評価サポート: 新規事業の特性を踏まえた適切な評価を人事部門に伝えます。
- 事業立ち上げまでの導き: 事業化に向けたプロセス全体をサポートします。
壁打ちメンタリングは、定期的な面談やショートミーティング、チャットでの相談など、様々な形式で行われます。メンターは答えを与えるのではなく、メンティーが自ら考え、行動するための支援者として機能します。
事業の方向性が定まったら、新規事業推進に必要な情報を収集します。新規事業コンサルの市場調査は、一般的なリサーチ会社が高額で長期間にわたり実施する綿密な調査とは異なり、要点を絞って効率良く調査しなければなりません。決して難易度が低いとは言えない新規事業における市場調査に、長時間費やしたあげく、リサーチ結果が思わしくない場合には、貴重な時間を無駄にしてしまうでしょう。
当社のマーケットリサーチでは、「先行プレイヤー調査」、「需要調査」、「海外事例調査」、「プロダクト構想用調査」など4つの主要なリーチメニューから顧客のニーズに合わせた調査を提供しています。
新規事業のアイデア提案の主な特徴と効果は以下の通りです:
アイデア提案の具体的なプロセスには以下のようなものがあります:
- アイデア創出: ブレインストーミングやデザイン思考などの手法を用いて、多様なアイデアを生み出します。
- 市場調査: 提案するアイデアの市場性や実現可能性を検証します。
- 事業計画の策定: アイデアを具体化し、収益モデルや必要リソースを明確にします。
- プレゼンテーション: 経営陣や関係部署に対して、アイデアの魅力と実現性を説得力ある形で提示します。
アイデア提案は、個人やチームで行われ、社内公募制度や定期的なアイデアコンテストなどの形式で実施されることもあります。重要なのは、アイデアの斬新さだけでなく、実現可能性と事業としての成長性を示すことです。
上記は一般的なアイデア提案の進め方ですが、unlockではブレストを行いません。そして一般的なコンサルティング会社の場合は、明確に期限を設けず、壁打ちを通してアイデアを構築していきますが、リスクとして品質や項目、アイデア数、価格品質、納期が不透明な場合が多くあります。
unlockは品質、価格、納期を明確にしており、採用率は8割を超えています。
その具体的なメソッドや独創的な方法論については「アイデアプランニング」のサービス説明をご覧ください
社内ビジネスコンテスト支援の主な特徴と効果は以下の通りです:
具体的な支援内容には以下のようなものがあります:
- プログラム設計: コンテストの目的や進行方法、評価基準などを策定します。
- メンタリング提供: 参加者に対して、アイデア構築から事業計画作成まで専門的なアドバイスを行います。
- ワークショップ開催: アイデア創出や事業モデル構築のためのワークショップを実施します。
- 審査・評価: 提案されたアイデアの評価や、最終選考会の運営をサポートします。
- フォローアップ: 選抜されたアイデアの事業化に向けた支援を行います。
社内ビジネスコンテスト支援は、単なるイベント運営ではなく、企業の新規事業創出プロセス全体を強化
する役割を担う場合も多いです。
営業・PoC支援は、新規事業や新サービスの実現可能性を検証し、顧客獲得につなげるための重要なプロセスです。主な特徴と効果は以下の通りです:
具体的な支援内容には以下のようなものがあります:
営業・PoC支援は、単なる技術検証ではなく、ビジネスの成功可能性を総合的に評価し、実際の顧客獲得につなげる重要な役割を果たします。
新規事業開発における人手不足や兼務によるリソース不足は、企業規模を問わずに慢性的に発生している課題です。新規事業コンサルを利用すると、限られた人員内でも多くの専門スキルと追加の労力を補充することが可能です。これにより、プロジェクトの規模を拡大し、より多くのイニシアティブを同時に推進できます。
新規事業をコンサル会社に相談する前に社内で確認すべきことがいくつかあります。まず、外部に相談する場合、コストが高くなる可能性があることを念頭に置きましょう。一般的に新規事業コンサルは、支援内容によって報酬が決まっており、成果報酬ではありません。そのため、期待する結果が得られない場合もあります。また、情報が増えすぎて意思決定が困難になることもあるでしょう。さらに、外部の人間が業務について指摘することで、社内メンバーのやる気を損なうこともあります。これらの弊害を避けるためには、コンサルタントへの依頼内容を明確にし、意思決定プロセスをシンプル化することが重要です。また、意見の内容に基づいて決定し、市場の実情に合わせて柔軟に対応することが求められます。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
新規事業をコンサル会社に相談する前に社内で確認・検討すべきこと
新規事業のコンサルティングを最大限活用するためには、優秀で相性の良いコンサルタントを選ぶことは確かに重要です。しかし、それ以上に重要なのは、依頼者側の「発注力」です。
プロジェクトの意義や意味を明確に説明することは、コンサルタントのモチベーションを高め、より質の高い成果を引き出すための重要な要素です。
このアプローチにより、コンサルタントはプロジェクトの本質を深く理解し、より戦略的かつ創造的な提案を行うことが可能になります。
コンサルタントとの関係において、遠慮は不要どころか有害です。率直なコミュニケーションこそが、最高の成果を生み出す鍵となります。
この姿勢により、コンサルタントとの間に信頼関係が構築され、より深い議論や革新的なアイデアの創出が促進されます。
発注力の高い依頼者は、これら2つの要素を巧みに組み合わせることで、コンサルタントの能力を最大限に引き出し、プロジェクトの成功確率を大幅に向上させることができます。意義を明確に説き、遠慮なくコミュニケーションを取ることで、発注力が高まり、成功確率が高まります。
コンサルタントから受けた助言や提案はよほど違和感があるものではない限り、まず実行してみることをおすすめします。コンサルタントから100%の正解が得られるということはありません。しかし考えられた「質の良い仮説」であることは多いです。しかし実行しなければどこまで行っても仮説のままです。早く成果を得るためにもそして早く修正点を見つけて成功に近づくためにもとにかく実行が重要です。コンサルティングも、実行のための助言を受けているとも言えます。
コンサルタントは通常自分が持っている知識や情報、そしてそれに基づく相談を受けることでで顧客の役に立つ仕事ですが、ことこの新規事業コンサルティングにおいてはどの程度直接自分で新規事業を手掛けてきたかということが重要になります。
実際に企画し、それを社内の会議を通過させ、プロダクトを作り、プレスリリースを打ち、販売し、黒字化させる。この一連のプロセスについて一般的なことはいくらでも本やブログに書いていますが、自身がクライアントとしてコンサルタントに伴走や助言を求める場合、コンサルタント自身の経験や詳細で具体的な知見が最も生きてきます。特に失敗の回避という意味では成功よりも失敗は再現性があります。したがってコンサルタントにはどの程度自分で新規事業を手掛けてきたかを確認することはとても重要です。
コンサルタントは見ようによっては安全な立場の職業です。自身の発言で顧客が失敗したり、成功しなかったとしても、クライアントがその助言を”採用した”ということや、クライアントの実行面に問題がある場合も少なくないこともあり、その責めを受けることはあまりありません。また新規事業の長いプロセスにおいて部分的に入ることも少なくないということもあります。
だからと言って有効な助言ができないと今後の取引に繋がらないことや、そもそも職業人としてのやりがいや倫理観からあまり無責任に考える人は多くはないと思います。
しかしそのようなコンサルタントの立場でも、助言だけではなく自身がイチ起案者となってビジネスコンテストに参加したり、クライアントに一通りの項目を網羅したアイデア提案をゼロから行うこともできます。
上記のような提案で、自身のアイデアがどれほど採用されたか?これを追跡しているか?またそのような仕事を仕事のうちのどの程度転がっているのか?つまり安全な助言者としての立場だけではなく、世間の評価にさらされる立場をどれほど経験しているか?は見極めるべき重要なポイントです。
コンサルタントはまずは成功事例や経験を顧客から求められるため、成功事例については多く用意しています。それも重要なものの、新規事業の経験としては、失敗経験も成功経験と同等かそれ以上に重要です。それにより同じ失敗を回避できますし、その話の中にそのコンサルタントが何を学び取ったかということやネガティブな事に対する本人のスタンスが見て取れます。またどの程度の失敗かによって、その人がどの程度の事に挑戦したのかも見えてきます。
新規事業は、一般的に成功確率が高くないため、多くの人が成功より失敗が圧倒的に多くなる仕事です。失敗経験を聞かれてどの程度、何を答えるのかは見極めの重要なポイントです。
前述の通り新規事業は成功よりも失敗の方が多い取り組みです。従って取り組みの過程で失敗につながるアイデアや戦略を依頼主である顧客自身が考えているまたはそれに固執している場合が少なからずあります。第三者である場合、そして経験豊富なコンサルタントである場合そういった課題を発見することが多々あります。
そういった場面で単にそれを批判するだけではなくどのようにすればいいかまで提案できるかどうか、またそもそも依頼主である顧客から契約を中断されるリスクがあることも覚悟の上で、忖度せずに耳の痛いことを提言できるかどうかが重要です。
初回面談の際にも、依頼主が言うことに過度に同調していないかまた意見が分かれることについて、依頼主と違った意見を保持できるかなどが見極めのポイントです。
今回は、新規事業コンサルについて解説しました。
新規事業コンサルは、資格が何が故に、経験や知識の深さ、レベル感が人によってかなりばらついています。適切に見極め、目的を明確にし適切に発注することが重要になります。

