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2025.5.29
【2025年最新版】結局、中小企業が新規事業を作るにはどうすれば良いのか?【後編】~人材がいない中で何から始めるべきか?何が成否を分けるのか?~
新規事業

※本コラムは2025年4月22日に開催した株式会社unlockのビジネスセミナーを、2回に分けて書き下ろしたオリジナルコンテンツ(後編)です。

前回の記事はこちら

 

さて、中小企業が行うべき6つのステップのうち、最初のステップ1は「アイデア考案」です。
まずはアイデアが必要です。アイデア考案は苦手な方も多いと思いますが、実はアイデアを出す方法はたくさんあります。有名なのは、課題から始めるとか、自分たちが欲しいものを考えてみようとか、あとは法改正とか。いわゆるタイムマシン経営などは中小企業に人気ですよね。本当に様々なやり方があります。

 

アイデアでつまずく方が多いという調査結果も出ているので、今日はアイデア出しの話をちょっと厚めにいたします。アイデアがそもそもどうやって生まれるのか。まずは画面のこの方、シュンペータという経済学者で「イノベーション」という言葉を生み出した方ですが、この方が「イノベーション」という言葉を作った時に何という説明をしたでしょうか。

 

これは「新結合」という説明をしたそうです。英語ではNew Combination、和訳すると「新結合」ですね。つまり、全くの無から何かが生まれているというよりは、「新しい結合の仕方」だということです。

 

私もこの考え方に賛同しておりまして、新規事業における組み合わせ(結合)というのは、画面にあるような「式」になると考えております。新規事業というのは、自社がやる理由や、自社が持てるアセット・知的資産を生かして行うことが最も失敗確率が少ない。そして自社がやる理由がある事業なので、「自社情報成長領域」である必要があります。そして「成長領域ビジネスモデル」ではどんなことをやるのか。この3要素で新規事業アイデア、まず初期的なアイデアが作れます、とお伝えしています。

 

冒頭から私はAIと申していますが、AIをぜひともフル活用してください。これまでは成長領域が何か、ビジネスモデルは何を組み合わせればいいのか、全てを考えなければいけませんでしたが、今の時代の非常に重要なポイントとして、「成長領域ビジネスモデル」をAIが調べて考えてくれるのです。
ここがまさに革命的です。様々なビジネスモデルの知識がなかったとしても、日々の既存事業に追われていて自分たちの周りにどういう成長領域があるのかを調べる時間が無かったとしても、今はAIで簡単にそれを出してくれます。これが非常に革命的と言っていいでしょう。「成長領域ビジネスモデル」に自社情報を掛け合わせる。まずはこれだけでもいいので、ぜひやってみてください。

 

では、自社情報についてはどう考えるのか。これも様々な要素があるのですが、あまり狭く捉えずに、基本的には広く捉えることが非常に重要です。
例えば製造業の場合、自社が持っている技術、アセット、知的資産だと捉えがちです。もちろんそれも非常に重要ではあるのですが、意外と自社が取引しているお客様とか、商品そのものとか、その事業領域の知見、仕入れ先、拠点、営業チャネル、知名度、信頼、提携先、こういったものを全て自社の情報として生かせるものになるのです。

 

何がどのように影響するか、わかりません。この中のどれかが絡まっていると、自社がやる理由として成立しやすいですし、自社の発揮できる能力が全くのゼロよりは発揮しやすい状態になるので、こういったものを広く捉えることが非常に重要なのです。

 

まとめますと、アイデアについては、飛び地や社長の性に合わないものをなるべく避けつつ、AIにどんどんとアイデア出してもらいましょう。AIで出さなくても、まずはご自身で考えてみるというのは、これも矛盾するようで実は一番おすすめです。ただ、時間がかかってなかなか出てこない時は、もうAIに頼って筋のいい新規事業アイデアをどんどん出すということが、まずはとても重要です。

 

そしてアイデアは、最初はとても良いアイデアが出てくるまで、ものすごく時間をかける場合とか、良いアイデアが出るまで何年も待つという方もありますが、私としてはそれをあまりお勧めできません。こだわりすぎは良くないと思います。

 

何故かと言いますと、アイデアの質は重要でも「アイデアは初期仮説とも言える」からです。その後にもまだまだ不確実性が残ります。その不確実性とは、製品化のハードル、製品改良のハードル、求められる品質に到達するまでの改良のハードル、それから販路のハードルといったように様々なハードルがあって、元のアイデアが全く様変わりしてしまうぐらい、実際に成功したアイデアがもう原型をとどめてないケースなんていうのもよくあります。
良いアイデアから始めることはスタート地点としては確かに重要ですし、悪いアイデアをわざわざ進める必要もありませんが、「まあまあかな」というものでもまずは進めてみることをお勧めします。

 

ただ、こういう展開もあります。始めるときは「そこまででもないかな」と考えたものの、いろいろと検討、調査、市場の洗礼を浴びることで、成功する事業アイデアに変貌することはあります。なので、最初にアイデアの質にこだわりすぎて手数が少なくなってしまうのは問題なので、あまりそこにこだわりすぎないようにしていただきたいと思います。

 

それから、アイデアを磨き上げようということ。アイデアで一発成功したというのはニュースでよく取り上げられたりしますが、実際には多分ほとんどそんなものは無いのではと思っています。
日本でユニコーンと言われる印刷のラクスル株式会社、その創業者である松本恭攝さんは「アイデアだけでは成功しない」と断言されています。アイデアの磨き込みが重要である、ということです。アイデアだけでは成功しない、アイデアをきちんと磨き切ることで事業は拡大する。アイデアを出すことではなくて、ブラッシュアップし続けることに価値がある、とのことです。
先程のように、顧客に聞いて、試作品を作って、お客さんにテスト営業するということの重要性ですね。これを繰り返すことをぜひやっていただきたいと思います。

 

もちろんこれ以外にもたくさんありますが、今日は煎じ詰めました。実際には調査と検証を繰り返すことが新規事業の進め方です。今日紹介した内容をきちんとやるだけで、筋の良い、投資するに値する新規事業を見出せるはずです。

 

※6つのステップ(方法論)のうち、ステップ2~ステップ6は本記事で非公開となります。何卒ご了承ください。

 

第3部 成否を分ける要素

さて、新規事業の成否を最も分ける工程とは、いったい何でしょうか?
それは、営業です。営業である、と断言できます。

 

画面には、新規事業の工程における「境界線」を出しました。アイデアを考案したり、その後検討したり、調査して作って売ったり、という4つの工程に分けた時、「売る」ところだけは全く異世界です。最初の3つは自分たちの社内が「良い」と言えば、お客様が別に入ってこないので、それでよいのです。しかしそこから先はどれだけ社内で偉い人が「良い」と言っても、お客様が「良い」と言わなければ、当たり前ですが売れません。つまり、自社のコントロールが効かないところなのです。売るところだけは別世界です。

 

アイデア考案や開発は大変でも、まだそれは安全なのです。海に例えると、港の中は安全な「港内」で、営業やマーケティングは自社の意向だけでは成立しない、市場という名の「外洋」です。外洋に行くと大変なのです。ここで、どう事業を立ち上げるかというところに成否がかかっている、と言えると思います。

 

松下幸之助さん含め、ファンが多い経営コンサルタントの一倉定さんも、事業経営において最も大切で、最も難しく苦しく、最も根気強く推進しなければならない仕事は「販売」である、とおっしゃっています。

 

日本電産、ニデック株式会社の会長である永守重信さんも同じく、「1にマーケティング・セールス、2.3.4がなくて5に技術開発。これが私の口癖。ベンチャー企業が忘れてはならないキーワードは、売ってから作ること」とおっしゃっています。この永守さんをもってしても、技術力が非常に高い会社でも、5に技術開発で、1にマーケティング・セールスだとおっしゃっているのです。それぐらい重要なことなのです。

 

新規事業を想定し、良いアイデアを思いついたことに満足することなく、セールスが一番大変かつ重要であるということを念頭に新規事業に取り組んでください。ここが一番重要です。ここにたどり着く前に満足してしまったり、力尽きたりする方も多いのですが、セールスが一番大変だということを最後にお伝えしたいと思います。

 

それでは、まとめに入ります。

  • ・社長が推進
  • ・仮説より、市場で答えを確認
  • ・AIをフル活用
  • ・小さく始める
  • ・いきなり新規事業を始めない
  • ・足元の総点検
  • ・(中小企業が行うべき)1~6のステップを行き来して繰り返す
  • ・営業を最重視

              本日のセミナーの内容は以上となります。

               

               

              さて、皆様からはチャットでいくつかご質問をいただいていております。もう終了時間になっており、すべてにご回答するのは難しく、申し訳ございませんが、この1問だけ回答させていただければと思います。
              ご質問は、「アイデアの芽が出た・出ないという判断をするのに、どれぐらいの期間を見込むべきか?」という内容ですね。

               

              これは最も難しい質問です。社長や事業推進者が財務的に許せて、まだ行ける、と信じている限り、際限なく続けることができる、というのが答えです。例えば「3年間」のようにわかりやすい数字があれば良いのですが、それはありません。これは何を根拠にしているかと申しますと、長い事例として挙げるのは、サントリーさんのビール事業です。黒字化までに、なんと46年もかかっているんです。4年、6年、じゃなくて46年です。

               

              もちろん黒字化だけが(アイデアの)芽が出た、という話ではなくて、1つの基準としてそのくらい多様だという話です。何年もやってダメな事業もありますし、何年もやってようやく芽が出る事業もあり、これは財務状況と、それを推進するためのもの、例えば中小企業で言えば社長の情熱次第という答えにどうしてもなってしまいます。

              弊社では「撤退基準セミナー」というものもやっておりますので、詳細を知りたいというご希望、ご興味がありましたらぜひそちらにもご参加ください。

               

               

              次回セミナーはこちら、6月25日(水)17時からの開催となります。皆様のお申込みを心よりお待ちしております。

               

               

              本日は弊社セミナーご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

               

               

              問い合わせ先


              【代表取締役】
              津島 越朗
              【設立】
              2016年 10月21日
              【本社所在地】
              東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
              【事業内容】
              新規事業立上げの支援・コンサルティング
              【公式サイト】
              https://unlk.jp/