※本コラムは2025年6月25日に開催した株式会社unlockのビジネスセミナーを、3回に分けて書き下ろしたオリジナルコンテンツ(初回)です。

【登壇者紹介】
津島 越朗(代表取締役)
2005年 株式会社リクルート入社(人材事業営業部)
2008年 同上(インターネットマーケティング局、マーケティング・新規事業企画)
2013年 株式会社DeNAライフサイエンス(東大医科所と遺伝子検査の立ち上げサービス&マーケ責任者)
2014年 株式会社DeNAロケーションズ 代表取締役社長(海外テクノロジーベンチャーとのJV)
2016年 株式会社unlock設立
(津島)
弊社のオンラインセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございます。unlock代表の津島です。
さて、本日の内容はこちらになります。
この第5部だけでも単体でセミナーになると思ったぐらい、かなり盛りだくさんの内容です。早速、本編に入ります。
目次
まずは、画面にありますように、「テックジャイアントすら不安定化する時代」です。GAFAとかいろいろ言われますが、こういったプレーヤーですらもう安泰ではないということです。例えば、Googleの検索モデルはもう20年来のキャッシュマシンでしたが、そのビジネスが生成AIの登場により大きく揺らいでいます。画面のこちらは最近の記事です。Googleが脱「ググる」に自ら舵を切った、AIを使った検索サービスを無料で行う、と半ばGoogleがAIに突き動かされるような格好で、自らのビジネスを大きく変革しているという象徴的な内容です。
それから、一時期もてはやされたSaaSモデル。PC上で立ち上がっていたソフトが、Web上で扱えるようになったというSaaSが非常に盛り上がりましたが、早速もう飽和と収益性の限界を指摘されています。マイクロソフトのCEOが、もうSaaSは死んだというようなことを言っている記事が2024年に出ていました。SaaSビジネスもあらゆる業種業務に行き渡り、縦展開・横展開ともに飽和状態。業種横断でもそうですし、業種特化型でもだいぶ浸透してきていると言われています。
まさに無情。流行ばかり追いかけても仕方がない。
ということで、原理原則がやはり重要だと思うところです。画面にはいわゆるプラットフォームビジネスをいろいろ並べてみました。日本でも利用者がたくさんいるビジネスです。一時期もてはやされ、関連書籍も多数出ていました。
これらもある意味ではその流行りの一部のように見えるかもしれませんが、プラットフォームビジネスというのは、本日のセミナーの意図として、我々unlockではもう『原理原則』と考えています。
プラットフォームのそもそものコンセプトというのは非常にシンプルで、生産者と消費者が双方に価値をもたらすインタラクションの場、つまり相互にやり取りする場を一緒に作り出す、というものです。なので市場がほとんどプラットフォームみたいなもので、これは人間が数千年に渡って実践してきたことに他ならないですし、そういった意味で『原理原則』だと言えると思います。
なぜプラットフォームビジネスが注目され、強いとされるのか、GAFAを生んだのか。これは後でも詳しく説明しますが、一度ネットワーク効果と言われるものが立ち上がれば、需要と供給がお互いに引き寄せ合って、自己増殖の成長ループが生まれる。競争優位性、競合優位性を確立しやすくなる。それがさらにインターネットやスマホを背景に力を得て、先程説明した市場を想像以上に大きく増強させて、今のGAFAを生むほどの構造になっているのです。この辺がプラットフォームのビジネスの強さであり、原理原則で、今の強さにつながっているのです。


でも、原理原則の割に複雑に見えるし、ここまでの強さを生むのは一体何がどうなっているのか? 自分たちがこれを作ろうとしたときにどうすればいいのか? 今後AIがさらに発展していく中で、今までと同じように考えればいいのか? それとも、どこをどう違うと予想しておけばいいのか? このあたりを今日はお話ししたいと思っております。このタイミングでプラットフォームビジネスをきっちり学び直してみよう、というのが今日の趣旨です。
「プラットフォーム」と聞くと、皆さんの答えは何でしょうか? いろんな答えがあると思いますが、すごくシンプルな答えは「場」「場所」です。これに集約されると思いますが、シンプルすぎるのでもう少し説明を加えていきます。
画面は依然としてシンプルな答えですが、2者以上をつないで、情報やモノ・サービスと財、その価値を交換する場です。


結局「場」がついているわけですが、こんなふうに言えると思います。いろんな要素があって、次の画面のような説明になります。これは多くの方が違和感なく受け入れていただけるのではないでしょうか。

学術的にどう定義されているのかを調べてみたところ、非常に難しい言葉で書かれているものが期待通りにたくさん見つかりました。「1つのシステムが複数の企業によるパートで成り立っているとき、そのシステムの核として機能し、価値を最大化する基盤整備」といった感じです。
まだ続きがあるのですが、この文脈も含め、この言葉にたどり着かないと理解しにくいとは思います。ちょっと難しいですよね。シンプルな定義、学術定義もまだまだ続きがあります。プラットフォームに共通する重要な特徴が他にもあり、それが言葉の中に練り込まれている状態でないと真にプラットフォームの定義をしたことにはならないのですね。
それぐらいプラットフォームというのは複雑です。それらの特徴を踏まえた、きちんとした定義はこの後に行います。最初から特徴を一度に並べると理解しづらいので、今の段階ではいったん「場」とだけ覚えていただければと思います。
ところで先程「プラットフォームとは何か?」という質問に、「場」であると一言で答えましたが、仮にそうだとしたら、ほとんどのビジネスが「場」に当てはまるのでは、と感じた方があるのではないでしょうか。
では次に、プラットフォームではない方のビジネスに何があるのか?を、プラットフォームを理解するためにあえて逆説的に考えてみます。これはハッキリとあります。画面に挙げた3つの特徴に当てはまるビジネスが、プラットフォームではないビジネスと言えると考えております。

まず1つ目は、一方的であること。自社が商品やサービスを直接開発して、顧客に対して一方的に販売する。「場」の提供がない、ということです。
2つ目、顧客同士、第三者同士のマッチング交流の取引の場を行わない。
3つ目、収益源が売り物であるということです。取引の基盤や場ではなくて、モノやサービス自体の価値で収益を得る。つまり「場」の代金を払って、そこに行って何かやり取りをするということではなく、「この商品が欲しいから買う」というようなやりとりがプラットフォームじゃないビジネスの特徴です。こういったものを「パイプライン型ビジネス」と呼ぶそうです。
プラットフォームではないビジネスの具体例です。

一番わかりやすいのは、モノを「作って売る」というパターン、つまり製品ビジネスです。例えば、自動車メーカーが車を作って、車を買いたい人に売る。車を作る人・買う人が1か所に集まって、わーっとやり取りをするわけではありませんから、いわゆる「作って売る」ビジネスはプラットフォームではありません。先程の、パイプライン型ビジネスの典型だと思います。
小売店もそうですね。ユニクロは自社で製品を作りますが、いわゆる小売りのように、何か商品を仕入れて店で売るのも、同じくプラットフォームビジネスでは無いと言えるビジネスです。それからECなどのダイレクトコンシューマービジネスも同じですね。飲食店、サービス業、美容院などもプラットフォームではないと言えると思います。少しクリアになりましたでしょうか?
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