日本の中小企業にとって、深刻な人手不足の中で新規事業や新製品を立ち上げることは大きな挑戦です。
しかし、現状維持に留まれば将来の成長が見込めないどころか、事業継続自体が危ぶまれかねません。
そこで、本コラムでは中小企業経営者が知っておくべき新規事業立ち上げの意義とポイントを解説します。
目次
技術の進化と市場の動きが加速する中、テレビは9年から6. 5年、スマートフォンは4年から5年へと使用年数が伸びました。
その一方で、売上の半分は3年以内に発売された製品から生まれています。
一例として、S&P 500上場企業の平均存続期間は1970年代には30〜35年だったのが、現在は15〜20年へと縮小し、1958年から現在にかけては61年から18年未満にまで減少しました。
そして、今後もさらに企業の短命化が加速するとされています。
なぜ新規事業が必要なのか?上記を踏まえて改めて考えると下記の3点でしょう。
1.既存事業のリスク分散
既存事業に依存すると、市場縮小や競争激化で将来的に収益基盤が揺らぐリスクがある。新規事業は「第二の柱」として安全網になる。
2.持続的成長の確保
規模の制約で成長余地が限られる中小企業にとって、新しい市場や顧客を開拓することは成長の突破口となる。
3.人材育成・組織力強化
新規事業への挑戦は社員に新しい経験とスキルを与え、創造性や主体性を引き出す。結果として「変化に強い組織」へと成長できる。
「小さく種をまいて、芽があるものを見極めて投資をする」
やはりこれに尽きるのではないでしょうか。


この図にあるように、本来は最初のフェーズでは大きな投資は必要ないことが通常です。
しかし、多くの企業で「新規事業はリスクがある」という固定観念が大きすぎて、小さな種まきもほとんどできていないのが現状ではないでしょうか。
新規事業の立ち上げを通じて組織改革を図ろうとしている方は、こちらのコラムをご覧ください。
大企業の新規事業におけるオープンイノベーションの重要性と海外成功事例
新規事業を成功させるには、「完璧を目指してから動く」のではなく「小さく始めて素早く検証し、学びながら改善する」姿勢が欠かせません。
近年注目されているMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)は、スモールスタートを具現化する代表的な戦略です。
MVPとは、最低限の機能だけを備えた製品やサービスです。
MVPにより顧客の反応を確かめ、得られたフィードバックをもとに改良を重ねます。
最初から完璧な商品をつくろうとせず、小さな失敗を許容しつつ軌道修正することで、不確実な市場環境でも無駄なコストを抑えて顧客の真のニーズを発見できるでしょう。
MVPアプローチには、以下のようなメリットがあります。
・ 初期の失敗が致命傷になりにくい:小規模な検証に留めることで、万一うまくいかなくても企業全体へのダメージを最小限にできます。
・ 成果が出る部分にのみ集中投資できる – ユーザー反応が良い機能やアイデアに絞って資源投入でき、無駄を省けます。
・ 顧客との関係を早い段階から築ける:リリース直後から顧客と接点を持つことで、信頼関係の醸成やファン作りを早期に始められます。
・ フィードバックを受けながら機能を磨いていける:実ユーザーの声を逐次取り入れながら改善を重ね、製品・サービスの完成度を高められます。
新規事業に重要なのは、“最初から完璧なものを作る”のではなく、“検証可能な状態を素早く作り出す”ことです。
ある企業では「まず動くものを作る」という発想でわずか2カ月でAIサービスのプロトタイプ開発に成功し、スピード感を持って市場投入まで進めました。
このように、スモールスタートと迅速な仮説検証を活用すると、社内にエンジニアが十分いない場合でもノーコードツールや外注を活用して製品やサービスを提供できるようになるでしょう。
人材面で余裕のない中小企業が新規事業を立ち上げる際には、社外の人材リソースを積極的に活用する戦略も有効です。
実際、中小企業では新規事業に必要な専門知識やスキルを持った人材が社内におらず、既存社員だけでは対応しきれないケースが少なくありません。
そのような場合、副業人材(大企業勤務者などがスキルを活かして時間限定で関わる人材)やフリーランス・業務委託(特定のプロジェクトを契約ベースで担う専門家)、あるいは外部顧問(経験豊富なプロから助言を得る形態)といった外部の専門人材を活用し、社内リソースを補完できます。
新規事業の立ち上げに貢献できる外部リソースをお探しの方は、株式会社unlockの顧問サービスをご利用ください。
近年では、政府も副業・兼業人材の活用を後押ししています。
その流れを受け、外部人材を受け入れる中小企業は年々増加傾向にあります。
実際、中小企業の2〜3割が既に社外人材を活用しており、「今後活用したい」と考える企業も含めると5割を超えました。
とくに、外部人材を活用したい分野として「営業・販売促進」や「IT導入」、「新規事業開発」、「マーケティング」が上位を占めています。
このような新規事業ニーズへの対応は、重要な活用領域と言えるでしょう。
外部のプロ人材をプロジェクト単位で受け入れることで、自社になかった高度なスキルや発想を取り入れるだけでなく、斬新なアイデア創出につなげる効果も期待できます。
また、アイデアの創出には、生成AIも活用できます。
生成を利用した新規事業のアイデア出しについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
【2025年7月最新版】生成AIを活用した新規事業アイデアの作り方とは?実践方法まで解説。
外部人材活用には、コスト面のメリットもあります。
優秀な人材を正社員として雇用することは、中小企業にとってハードルが高いことです。
しかし、副業人材であれば固定人件費ではなくプロジェクト毎の変動費として位置付けられます。
そのため、採用によるリスクを抑えられるとされています。
また、必要な期間・スキルだけスポットで呼び込める柔軟性は、人手不足の企業にとって大きな利点です。
さらに、自治体や支援団体のマッチングプロジェクトを活用すると、適切な副業人材との出会いの機会も広がっています。
実際、横浜市の事業を通じて副業人材4名を受け入れ、新規サービスを立ち上げた企業(太陽住建)では、動画制作やコミュニティデザインなど社内にないスキルを持つ人材が参画し、社内メンバーと一体になって事業を創り上げました。
このように、社外の力を借りることは決して消極策ではなく、自社にない力を取り入れる攻めの戦略であるとされています。
新規事業を着実に推進していくには、必要に応じて外部の専門パートナーの力を借りることも視野に入れましょう。
新規事業にはアイデア出しから市場調査、開発・マーケティングまで、多岐にわたるステップがあります。
各分野で経験を持つプロと協働することで、新規事業の成功率を高められるでしょう。
株式会社unlockは、「日本の新規事業開発室」を掲げ新規事業立ち上げ支援に特化した実務支援会社です。
事業会社出身の実務家メンバーが中心となり、単なるアイデア考案から実行まで全フェーズを外注できる支援を提供しています。
実際にこれまで100社以上の新規事業支援実績があり、大企業から中小企業まで幅広い企業の新規事業創出に貢献してきました。
自社リソースをほとんど割く必要のない中小企業の支援事例も多数あります。
unlockの特長は、スピードと実践を重視した現場主義の支援です。
限られた人員で動かねばならない中小企業の場合、「やりたいことはあるが手が足りない」「新規事業のノウハウが社内にない」といった状況も多いでしょう。
そうした場合でも、unlockにプロジェクトを丸ごと伴走・委託する形で進めると、社内に新規事業開発の“もう一つのチーム”を持つような感覚で新規事業を推進できます。
また、必要に応じて業務を丸投げすることも可能な柔軟さで、社内リソース不足を補いながらスピード感ある事業立ち上げを実現してくれるでしょう。
事実、「外部の力を社内の原動力に変えられた」と評価する企業もあるように、専門パートナーとの協働は社員の負担軽減だけでなく社内に新風を吹き込み、組織全体を活性化できます。
今回は、中小企業経営者が知っておくべき新規事業立ち上げの意義とポイントを解説しました。
人材不足というハンデを抱えていたとしても、適切な戦略を取れば新規事業の成功可能性を大いに高められます。
自社だけで抱え込まず外部の力もうまく借りながら、新規事業への一歩をぜひ踏み出してみてください。
それが将来の企業成長と持続的な経営の鍵となるはずです。
専門家の支援を得たい場合は、unlockのように新規事業開発を実務面から支えてくれるパートナーに相談し、「次の柱」を築く挑戦をぜひ加速させてください。
新たなチャレンジを通じて生まれる革新こそが、中小企業の未来を切り拓く原動力となるはずです。

