

執筆者:代表取締役 津島越朗
目次
事業環境を見ながら判断することになりますが、原則として事前に決めた基準に到達する段階で撤退することが望ましいとされています。例外処置も可能ですが、弊害も大きいため注意が必要です。
新規事業の撤退判断で最も重要なのは、「感情」ではなく「基準」に基づく意思決定です。担当者の努力や情熱は、尊いものです。
しかし、数字が示す現実を無視すると、損失が膨らみ、既存事業にも悪影響を及ぼします。
撤退基準を定めるためには、参入前に「このKPIを達成できなければ撤退」、「利益水準が一定期間を下回れば見直し」といった明確なラインを設定しましょう。
事業環境の変化に応じて柔軟に調整しつつも、原則は数字を根拠に判断することで、意思決定のスピードと納得感が高まり、「早い撤退・早い再挑戦」が可能になります。
撤退基準の具体的な決め方について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
大企業向け・仮説検証型KPI設計と撤退基準による新規事業の進め方
なお、「大企業か中小企業か」や「財務的な余裕があるかどうか」、「あるいはどのようなタイプの新規事業を志向しているか」など、リスク許容度や撤退ラインの設計は変わります。
「一律の正解」は存在せず、自社の状況を踏まえて最も現実的かつ再現性のある基準を設定しましょう。
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成功と呼べる事業は、全体の約2割にとどまります。
サイバーエージェントでは、過去に100社以上の子会社を立ち上げ、そのうち半数が撤退または統合されています。
そんなサイバーエージェントが重視しているのは、「成功よりも撤退の精度」です。
各事業にはあらかじめ収益・成長指標を設定し、四半期で利益5,000万円、あるいは特定のユーザー数を超えなければ撤退またはピボットを検討しています。
また、判断基準を満たさない事業は、「市場環境」「人材」「戦略」の3軸で分析し、原因に応じて対応を決定しています。
このように、市場が悪ければ撤退し、人材が課題であれば配置転換、方向性が正しいが時間がかかる場合は追加支援するなど、ロジカルに意思決定を進めることが「早い見切りと再挑戦」を可能にする要因です。
引用元:https://logmi.jp/main/startup/116920
その他の企業の撤退基準について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
撤退ラインを設定するためには、事業開始前にKPIや利益などの明確な数値基準に基づいて、感情ではなくデータで判断することが重要です。
判断が遅れると、経営資源や士気を損なってしまいまいます。
例外対応時も意図を明示しつつ、ルールの信頼性を保ちましょう。
また、撤退は失敗ではなく、「市場・人材・戦略」の3視点から再構築を促す戦略的リセットであることを意識してください。

