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一般的に、新規事業は意志と権限、責任、そして報酬が連動しているため、トップダウンを採用しています。
その証拠に、世の中のビジネスの創業は、ほぼ全てトップダウンの賜物です。
しかし、トップダウンが多いからといって、ボトムアップを軽視すべきではありません。
新規事業を考えてくれる社員は、会社の宝といえる貴重な存在です。
そのような人材の意見をキャッチアップしている会社は、総じて活気と資金的な健全性があります。
トップダウンとボトムアップについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業成功の鍵はミドルにあり!トップダウンとボトムアップを繋ぐ中間管理職の役割
新規事業開発においてトップダウンが有利とされている最大の理由は、「意思決定」と「リソース配分」の権限が一致していることです。
新規事業は、既存事業から「人・モノ・カネ」を奪い、不確実な領域へ投資する行為です。
当然、社内からは反発や懐疑的な目が向けられます。
このような社内の摩擦を解消し、赤字を許容しながらリソースを投じ続けるという重い決断は、最終的な責任を負えるトップにしかできません。
一方で、ボトムアップは、現場にアイデアがあってもそれを実行するための「予算」や「人事権」がなく、社内調整の段階で企画が丸められてしまいます。
そのため、必然的に社内稟議の通過率は低くなります。
しかし、ボトムアップが無意味かというと、必ずしもそういうわけではありません。
社員からの提案を推奨できる会社は「資金的な健全性(余裕)」があり、自発的に事業を考えようとする社員がいる「組織の活気」がある会社です。
つまり、ボトムアップで事業が成功するかどうか以上に、「ボトムアップを受け入れるカルチャーがあること」自体が、その企業の基礎体力の高さを示しています。
だからこそ、経営においては、トップダウンを主軸にしつつも、ボトムアップの芽を摘まない姿勢が求められます。
ボトムアップのメリットやデメリットについてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
また、トップダウン及びボトムアップを活かして新規事業を推進するノウハウを身につけたい方は、unlockの顧問サービスをご利用ください。
ソフトバンクが日本のインターネットインフラを変えたADSL事業へ参入した際、孫正義氏は全役員から「NTTに勝てるわけがない」「大赤字になる」と猛反対を受けました。
しかし、孫氏は「議論の前に実行ありき」という強烈なトップダウンで参入を強行しました。
また、技術的なキーマンとなる宮川潤一氏(現社長)に対しても、「君は名古屋で終わる気か?」という殺し文句で口説き落とし、必要な人材さえもトップの執念で強引に引き入れました。
このような現場に「とてつもなく高い目標」を設定して走らせる孫氏のスタイルは、通常の合議制では決して生まれないものです。
しかし、「やるかやらないか」の議論を許さず、退路を断って突き進むトップの意志こそが、NTTによる独占市場をこじ開け、短期間で日本の通信環境を変革する原動力となりました。
引用元:https://www.moneypost.jp/819447
引用元:https://diamond.jp/articles/-/124397
ソフトバンク以外で新規事業を成功させた事例を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業に不可欠なリソースの再配分や一定期間の赤字を許容する判断は、最終的に権限を持つトップでなければ下せません。
そのため、新規事業の推進は、構造的にトップダウンの色合いが強くなります。
その一方で、ボトムアップの提案が自然に生まれ、推奨される環境は、その企業に資金的な余裕があり、同時に社員一人ひとりの主体性が高いことを示す「健康診断」のような指標ともいえます。
社内の強い反対や既存の常識を覆してまで意思決定を貫けるかどうかは、ソフトバンクの事例のように、論理や理屈を超えたトップの強烈な意志と行動力にかかっています。
自社に合った意思決定の方針を定め、新規事業の成功を目指しましょう。

