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新規事業アイデアの質は、解決策の巧さよりも課題の質で決まります。
企業が抱えている課題の解決策は、市場との対話や検証を通じていくらでも変えられます。
その一方で、課題は一度設定すると長期間向き合い続けなければなりません。
とくに、新規事業における解決策は、初期仮説にすぎず、検証の中で姿を変えていくことが前提されています。
しかし、事業課題は、市場構造や業務実態など、こちらがコントロールできない要件として与えられていることが多く、後から簡単に修正できるものではありません。
課題の質を見誤ると、どれだけ解決策を工夫しても前に進まなくなります。
だからこそ、新規事業を成功させるためには、解決策を磨く前にスタート地点となる課題を良質なものとして設定できているかが求められます。
新規事業における「課題」の考え方について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
多くの人は「質の良いアイデア」と聞くと、誰も思いつかないような画期的なサービスや製品を想像するでしょう。
しかし、新規事業の成功確率は「何を解決するか(課題)」の質でほぼ決まります。
新規事業の成功を左右する最大の要因は、「後戻りのしやすさ」です。
プロダクトの機能やUI、提供価格といった「解決策」は、リリース後に市場の反応を見ながら修正できます。
しかし、「誰の、どんな悩みを解決するか」という課題設定自体が間違っていると、プロジェクトの根幹が崩れてしまうため、後から小手先の改善をしてもリカバリーは効きません。
新規事業では、「良質な課題」さえ発見できれば、解決策は市場との対話の中で自然と最適な形へ磨かれます。
したがって、優れた起業家や事業開発者は、いきなり解決策(How)を作り込むのではなく、まずは変えることのできない前提条件である課題(What)の特定に全力を注ぎます。
課題解決に必要な情報を実際の市場から収集したい方は、unlockのマーケットリサーチをご利用ください。
法人支出管理サービス「バクラク」を提供するLayerXは、まさに「課題の質」への転換で成功した事例です。
LayerXは、創業当初「ブロックチェーン」という先端技術に可能性を感じ、技術先行で事業を開始しましたが、思うような成果が出ませんでした。
そこで、LayerXは技術への固執を捨て、顧客が現場で抱えている「請求書処理などの不自然なアナログ業務」に向き合うSaaSへとピボットします。
この際、「競合がいるかどうか」は一切気にせず、「顧客が何にどれほど強いペインを感じているか」だけを重視しました。
具体的には、「既存製品よりも、私たちが顧客体験を10倍良くできるか」という点のみを参入基準とし、解決策のユニークさではなく「課題の深さ」と「体験の質」に立脚しました。
その結果、後発ながら圧倒的な成長を実現しています。
引用元:https://dimension-note.jp/articles/interview/12067/
LayerXのような既存事業とは異なる分野へ挑戦する「飛び地」について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業におけるアイデアの質を左右する本質は、どれだけ画期的な解決策を考えられるかではなく、どれほど切実で本質的な「課題」を捉えられているかということです。
事業における課題は、状況や検証の結果に応じて後からいくらでも変更できる一方で、設定を誤ってしまうと軌道修正が難しくなり、取り返しのつかない失敗につながりかねません。
LayerXは、「技術」という解決策起点の発想から、「アナログ業務の解消」という課題起点へと視点を転換し、顧客の深いペインを正確に捉えたことにより成果をあげました。
LayerXのような事例を踏まえ、まずは解決策を考える前に、本当に向き合うべき課題は何かを見極めることを意識しましょう。

