ニュース・コラム

2026.2.20
社内で協力者を巻き込むにはどうしたらいい?
新規事業

執筆者:シニアディレクター 熊田竜次

Q. 社内で協力者を巻き込むにはどうしたらいい?

A. 社内の協力者は、「社内で閉じず、一度社外に出てから戻る」ことで増やせます。

日本企業では、社内での主張や評価よりも、社外からの支持や評価の方が意思決定に強く影響します。

そのため、社内で協力者を増やすには、一度で説得し切ろうとせず、何度も対話を重ねる姿勢が重要です。

具体的には、まずは親しい人や応援してくれそうな人から話し始め、次にあえて反対しそうな人や距離のある人の意見も聞くことで、視点の偏りを防ぎましょう。

そのうえで、社内で得た味方と一度社外へ出て、第三者の客観的なフィードバックや賛同を集めましょう。

第三者の声を持ち帰って上司や社内に共有し、社外の賛同者と社内の仲間をつなぐことで、仲間は点から面へと広がります。

【解説】

新規事業担当者が陥りやすい罠のひとつが、企画書を持って社内の各部署を説得して回ることへ執着してしまうことです。

根回しすること自体は重要ですが、実績のない段階での社内説得には限界があります。

「社外に出てから戻る」というアプローチは、いわゆる「逆輸入(外圧の活用)」の戦略です。

日本の企業風土として、社内の人間が熱弁する「これは売れます」という主観的な主張よりも、社外の顧客や専門家が言った「これが欲しい」「素晴らしい」という客観的な評価を圧倒的に信頼する傾向があります。

新規事業における逆輸入で重要なことは、少数の味方を募った直後にプロトタイプを持って社外へ飛び出し、顧客のポジティブな反応や、業界有識者からの推薦コメントを集めることです。

そして、「社外の証拠」を社内に持ち帰ることで、反対派や無関心層に対して「市場が求めている事実」を突きつけられます。

このように、社内の人間を説得するために、あえて社外の力を借りることこそが、最も早く協力者を増やす近道になります。

社外から得たリソースを有効活用するノウハウを得たい方は、unlockの顧問サービスをご覧ください。

【事例】本田技研工業(HondaJet)

現在でこそ小型ビジネスジェット機市場で世界有数の地位にあるHondaJetですが、開発当初は社内で非常に厳しい立場にありました。

いつ事業化されるかも分からず、長期間利益を生まない航空機開発は、社内の一部から「道楽だ」「会社の役に立たない」と冷ややかな目で見られていました。

そこで、開発責任者の藤野道格氏は、社内説得に時間を割くよりも、社外での既成事実作りを優先します。

具体的には、「技術論文の発表」により理論的な裏付けを得るとともに、米国の航空ショーという晴れ舞台に実機を展示しました。

藤野道格氏の狙いは的中し、会場では観客からの熱狂的な反応が巻き起こります。

さらに、藤野道格氏は、視察に来ていたホンダの経営層や社員にその光景を目撃させました。

「社外ではこれほど評価され、求められている」という事実を目の当たりにしたことで社内の空気は一変し、事業化への強力な後押しを得ることに成功しました。

参照元: https://note.com/hgrx/n/n9f7de459c569

【まとめ】

新規事業では実績がないため、社内の論理だけで全員を納得させることには限界があります。

どれほど綿密な計画を示しても、不確実性の高い挑戦に対して慎重な意見が出るのは自然なことです。

だからこそ、社内だけで理解を得ようとするのではなく、視点を外に向けることが求められます。

とくに、日本企業では、「内部の声」よりも「外部からの評価」が意思決定に大きな影響を与える傾向があります。

HondaJetの事例を参考に社外の顧客や専門家、市場からの賛同を得て、それを社内に持ち帰る「逆輸入」により外部の反応を力に変え、組織を動かしましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/