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2022.10.01
新規事業が持つ価値とその必要性とは?
新規事業

新規事業創出は、企業が競争力を維持し、持続的な成長を達成するための不可欠なプロセスです。この記事では、新規事業が企業や社会にもたらす価値とその必要性を検証します。 読者が新規事業創出の価値と必要性を理解し、自社の新規事業創出戦略を見直すきっかけを提供することを目的として、様々な角度から新規事業の解説をしていきます。

新規事業とは?

そもそも新規事業とはどのようなものなのでしょうか。 新規事業とは、従来とは異なる市場や技術、製品、サービスを開拓し、企業の成長や収益向上を目指し新たなビジネスを立ち上げる活動のことです。新規事業は、新しいビジネスモデルの開発だけでなく、既存事業の改善・拡大なども含まれます。 新規事業創出の目的は、企業の競争力を維持・向上させ、持続可能な成長を達成させることです。また、新規事業により市場の変化や消費者ニーズの多様化に対応し、企業価値を高める役割も果たします。 新規事業には、縦型(既存事業の深堀りや関連分野への展開)、横型(異なる分野への進出)、革新型(新たな技術やビジネスモデルを用いたイノベーション)など、さまざまなタイプが存在します。

新規事業創出の背景

「なにか新規事業を立ち上げなければ…」と思っていらっしゃる読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、企業が新規事業の必要性に駆られる背景にはどのようなものがあるのでしょうか。 本章では、新規事業が創出される背景を大きく4つに分けて解説していきます。

a. 経営環境の変化

まずは「経営環境の変化」です。 国際情勢や経済動向、社会情勢の変化により、企業のビジネスモデルや価値提案方法が変化することが求められています。例えば、近年の環境問題への関心の高まりから、企業はサステナビリティを重視した経営を行うことが求められ、SGDsを紐づけた新規事業の創出が加速しています。このように、経営環境の変化に対応し、新規事業を創出しなければ企業は継続的な成長をすることが難しくなってきているのです。

b. 市場競争の激化

市場競争の激化も、新規事業創出の背景となっています。 競合他社との差別化を図るため、企業は独自のアイデアや技術を用いた新規事業を展開することが求められています。例えば、スマートフォン市場では、AppleやSamsungなどの大手企業が独自の技術やデザインを活用し、競争をリードしています。市場競争の激化に対応する手段として、企業は新規事業創出に取り組むことが求められているといえます。

c. 消費者ニーズの多様化

次に消費者ニーズの多様化です。 消費者の価値観やライフスタイルの変化により、多様な商品やサービスが求められるようになっています。例えば、健康志向や個別化されたサービスのニーズが高まる中、企業はこれらのニーズに応える新規事業を展開することが求められます。直近注目が高まっているシェアリングエコノミーも消費者ニーズの多様化によって生まれた考え方であり、シェアリングエコノミーに関連した新規事業が活発に生まれてきています。消費者ニーズの多様化に対応し、新規事業を創出することで、企業は市場での競争力を高めていっているといえるでしょう。

d. 技術革新の加速

技術革新の加速も、新規事業創出の背景として重要です。 AIやIoT、ブロックチェーンなどの新しい技術が登場し、従来のビジネスモデルや産業構造に変革がもたらされる中、企業にはこれらの技術を活用した新規事業を創出することが求められます。例えば、自動運転技術の発展により、自動車産業は大きな変革を遂げており、従来の自動車メーカーだけでなく、IT企業も新規事業を展開しています。また、医療分野では、AIを活用した診断支援システムや遠隔医療サービスが登場しており、技術革新が新規事業の創出を促進しています。

新規事業が持つ価値

新規事業が生まれる背景を考えてきましたが、本質的に新規事業が持つ価値とは何でしょうか。新規事業は企業が継続的に成長するための手段の一つですが、その本質的な価値を把握しておくことは新規事業を推進されている読者の方々もマストで理解をしておくべき要素です。 この章では新規事業が持つ価値について、4つの観点で解説をしていきます。

a. 企業の成長促進

新規事業によって、新たな市場や顧客層にアプローチすることを可能にし、その結果、売上や利益の拡大、企業の成長促進を加速させます。 例えば、AppleはiPhoneをリリースすることで、従来のコンピュータ市場からスマートフォン市場へ進出し、絶大な成功を収めました。それまでコンピューター市場を席巻していた高度な技術やデザイン性を、あえて「電話(Phone)」と表現することでスマートフォン市場へ投入し新たな市場や顧客へのアプローチに成功したといえるでしょう。

b. 新たな収益源の創出

新規事業は、企業に新たな収益源(第二の柱)を創出し、ビジネスの多角化を促進することができます。これにより、企業は一つの市場や顧客層に依存するリスクを軽減し、安定した経営基盤を築くことができるのです。
例えば、電子商取引企業であるAmazonは、オンライン書店からスタートしましたが、現在ではさまざまな商品やサービスを提供しており、収益源を多角化しています。特に、Amazon Web Services(AWS)というクラウドコンピューティング事業は、同社の収益の大部分を占めるまでに成長しました。AWSは、企業がサーバーやストレージなどのITリソースをオンデマンドで利用できるサービスを提供しており、多くの企業に支持されています。これにより、Amazonは新たな収益源を獲得し、業績を向上させることができました。
また、別の例として日本の企業であるソニーを挙げることもできます。 ソニーは、かつては家電製品やゲーム機で知られていましたが、近年では映画や音楽などのエンターテイメント事業にも力を入れており、新たな収益源を創出しています。特に、映画部門であるソニー・ピクチャーズや音楽部門であるソニー・ミュージックは、世界的に評価される作品を生み出し、安定した収益を上げています。これにより、ソニーは市場の変化に対応しながら、持続的な成長を達成しています。
これらの具体的な事例からもわかるように、新規事業は企業に新たな収益源(第二の柱)を創出する機会を提供します。 ビジネス環境や市場が刻々と変化する現代では、常に新しい収益源を模索しながら試行錯誤が求められるでしょう。「今は主力事業が好調だから」という読者の皆様も、この機会に5年後の収益源がどうなっているかを想像してみてはいかがでしょうか。

c. 競争力の向上

新規事業は企業に独自の強みを提供し、競合他社との差別化を図ることができます。 例えば、電気自動車メーカーのTeslaは、従来の自動車メーカーとは異なる技術やビジネスモデルを活用して、電気自動車市場で圧倒的な競争力を築いています。Teslaの成功は、新規事業によって競争力が向上し、市場での地位を確保できることを示しています。

d. 社会課題の解決

新規事業を通じて、企業は社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた価値を創出できます。近年ESGやSDGsといったキーワードを聞くことが多くなったのではないでしょうか。 例えば、Beyond Meatは、環境負荷の低い植物性プロテインを使った代替肉を開発することで、持続可能な食の未来に貢献しています。このように、新規事業によって社会課題に対応し、企業は社会的価値を高めることができます。また、これにより企業は顧客や投資家からの評価を向上させ、資金調達のアドバンテージにもなっているといえます。

新規事業創出のプロセス

新規事業が創出される背景や新規事業が持つ価値について解説してきました。 ここからは、実際に新規事業をどのように創出していくのかについて解説をしていきます。 新規事業創出のプロセスは大きく5つのフェーズに分かれています。それぞれのフェーズに対応した弊社unlockのサービスもありますので、気になった方はぜひお気軽にご相談ください。

a. アイデアの創出

新規事業創出のプロセスの最初のステップは、アイデアの創出です。 企業は、従業員や顧客からのフィードバック、競合他社の取り組み、業界のトレンドや社会課題に目を向けることで、新たなビジネスチャンスを見つけ出すことができます。 アイデアの創出には様々なアプローチがありますが、大きく3つの観点から着想をすることをおすすめしています。  1. 課題からの着想:課題抽出を徹底的に行う  2. ウォンツの追求:自信や周りの「欲しい」から着想  3. 技術からの発想:自社の特許や社外の技術から発想 unlockでは、上記3つ観点でお客様に合うアイデアを考えご提案しています。また、上記の考え方を学べる研修制度も用意していますので、社内からアイデアが出るような環境作りをしたいとお考えの方には研修制度がおすすめです。

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b. マーケットリサーチ

アイデアが生まれたら、次のステップはマーケットリサーチです。 顧客ニーズや市場規模、競合状況などを把握することで、アイデアが実際のビジネスチャンスにつながるかどうか調査していきます。 主なマーケットリサーチとしては、以下のようなカテゴリが考えられます。
 1. 先行プレイヤー調査  2. 海外事例調査  3. プロダクト構想用調査  4. 需要調査 市場調査の具体例として、スターバックスは日本市場に進出する前に、日本人のコーヒーに対する嗜好や競合店舗の状況を調査し、その結果を元に日本市場向けの戦略を策定したと言われています。マーケットリサーチは、新規事業を成功させるために必須のプロセスと考えられます。

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c. プロダクト詳細設計

市場調査をもとに、次のステップはプロダクト詳細設計です。 bで行った詳細なリサーチを元にアイデアの具体的な機能やデザイン、価格設定などを詳細に検討します。プロダクト詳細設計で検討しておくべき項目は主に以下が挙げられます。
 1. サービス概要  2. 商流 / フロー図  3. カスタマージャーニー  4. マネタイズ方法(図解)  5. 主要UIのラフイメージ bで行ったリサーチのファクトを元に、アイデアとしての「収益性」と「新規性」の両軸を詳細に設計していきます。

d. マーケティング戦略設計

プロダクト詳細設計の次のステップはマーケティング戦略設計です。 ターゲット顧客へのアプローチ方法やプロモーション戦略、販売チャネルなどを検討し、新規事業の認知度を高めるための戦略を策定します。プロダクト詳細設計で考えたターゲットに対してどのようなアプローチ方法が考えられるのかを全て洗い出し、優先度付けを行っていきます。昨今、マーケティング手法が多岐にわたっており、オンライン / オフラインのみならず、TVCMや看板といった伝統的な手法からSNSや口コミでの認知拡大など、新規事業のアイデアやターゲットによってその優先度は変わってきます。
例えば、Teslaは、従来の自動車業界とは異なる、直営ショールームを展開することで、顧客と直接コミュニケーションを図り、革新的な電気自動車の魅力を伝えるマーケティング戦略を採用しています。マーケティング戦略設計は、新規事業の成功に向けて、製品やサービスをターゲット顧客に届ける重要なプロセスだと言えます。

e. 試験市場への導入

新規事業のプロセスの次のステップは、試験市場への導入です。 限定的な市場や顧客層を対象に新規事業をローンチし、市場の反応や製品・サービスの改善点を把握します。例えば、ユニクロは新製品のテスト販売を行い、顧客からのフィードバックを収集し、製品の改善に取り組んでいます。試験市場への導入は、新規事業の成功に向けて、市場での受け入れや問題点を事前に検証する役割を果たします。

f. 本格展開

>最後のステップは本格展開です。 試験市場で得た知見をもとに、製品やサービスの改善を行い、広範囲の市場への展開を開始します。しかし、どれだけ詳細なプロダクト設計やマーケティング戦略が出来ていたとしても市場から一定度の認知を獲得するまでは時間がかかります。そこでプル型のマーケティング・営業手法のみではなく、プッシュ型の営業をすることで認知を広めることが重要です。特にまだ売上実績の無い新規事業の場合、いきなりマス向けへのプロモーションを行うのではなく、ターゲットになるであろう顧客に確実にアプローチできる電話や問い合わせフォームを活用した営業活動がおすすめです。

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新規事業創出を支援する要素

日本の企業には新規事業を専門に担当をしている部署がまだまだ少ないのが現状です。新規事業開発という職種が少ない故、自社のみで新規事業を発案~実行~成功までもっていくのは豊富な経験と時間がかかります。 この章では新規事業を創出する上で、どのような支援があるのかを解説します。

a. リーダーシップと組織文化

新規事業創出を支援する要素の一つとして、リーダーシップと組織文化が挙げられます。 経営陣が新規事業への投資やリスクを受け入れる姿勢を示すことで、組織全体がイノベーションを追求する環境が整います。また、失敗を恐れず、チャレンジを推奨する組織文化は、新たなアイデアの創出や実験を促進します。 新規事業のアイデアコンテストを実施している企業も多く存在しますが、経営陣を含んだ組織全体として新規事業が生まれやすい雰囲気や風土・文化を作り出すことがまず重要です。 例えば、AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスは、「失敗を恐れず、大胆な賭けをすることが成長の鍵」と述べており、社内でのイノベーションを支援しています。このようなリーダーシップと組織文化が、新規事業創出の成功に大きく寄与します。

b. コラボレーション

新規事業創出において、外部パートナーとのコラボレーションもうまく活用できるとよいでしょう。 コンサルティング会社、大学、研究機関と連携することで、新たな技術や市場アクセス、知見を得ることができます。例えば、自動車業界では、トヨタとパナソニックが電池技術の開発で協力し、電気自動車の普及を加速させています。また、IBMは、オープンイノベーションを推進し、外部企業や研究者との共同研究を通じて、新たな技術やサービスを生み出しています。 加えて、人員不足のため新規事業の推進ができていない企業もあるのではないでしょうか。その場合は外部パートナーへのアウトソースも活用しましょう。自社のみで全てを完結できればベストですが、必要に応じて外部パートナーとのコラボレーションでスピード感のある新規事業創出をおすすめします。

c. 政府や業界団体の支援

政府や業界団体の支援も、新規事業創出において大きな役割を果たします。 政府は、新興企業や新技術への投資を促進するために、税制や補助金、融資制度などを通じて支援を行っています。例えば、日本政府は、スタートアップ支援策の一環として、新規事業の創業期における資金調達をサポートする「創業支援補助金」を提供しています。このような支援は、新規事業のリスクを軽減し、資金調達を円滑に進める手助けを目的としています。 また、業界団体は、セミナーやオンラインイベントを通じて、企業や起業家同士の交流を促し、新たなビジネスチャンスや情報交換の場を提供しています。例えば、日本で活動する経済団体「経済同友会」は、企業経営者が相互に情報交換や意見交換を行うことで、新たなビジネスの創出を支援しています。

新規事業の成功要因

全ての新規事業が成功をするわけではありません。 では新規事業の成功要因はどのようなものなのでしょうか。

a. アイデアの独自性

1つ目は、アイデアの独自性です。 競合他社と差別化された独自のアイデアは、市場での競争力を高め、顧客の関心を引くことができます。また、自社のアセット(強み・ノウハウ・組織力 等)を活用したアイデアであることも競合と比較した際に独自性になります。加えて自社アセットを活用することで「なぜ当社がこの新規事業をやるのか」という動機付けにもなるため、アイデアの独自性は非常に重要な要素だと考えられます。

b. タイミングとスピード

新規事業の成功には、タイミングとスピードも重要です。 市場のニーズやトレンドに適切に対応し、適切な時期にプロダクトやサービスを投入することが求められます。そのため、unlockでは1年間かけて新規事業のアイデアを考えるようなことはしていません。刻々と変化する市場環境に乗り遅れないよう、アイデアは3ヶ月で集中的に考案し、ご提案をしています。 また、アイデアご提案後も調査・プロダクト設計・マーケティング戦略など、できるだけスピード感を持って実行していきます。 最も避けたいのは「自社も考えていたが、他社がローンチしてしまった」という事象かと思います。このようなことを避けるためにも、タイミングとスピードは非常に大事であるといえます。

c. リソース管理

リソース管理も重要な要素です。 資金、人材などのリソースを効果的に活用し、プロジェクトを円滑に進めることが求められます。リソース管理には経営層の新記事業に対する賛同・協力体制が非常に重要です。新規事業はすぐに収益を上げるわけではないため、社内での予算の優先度が下がることが多いですが、bで述べたようにスピード感を持ってプロジェクトを進めるためにも、適切な判断が求められます。

d. 新規事業アイデアの評価方法

新規事業の成功には、新規事業アイデアの評価方法も重要です。 そもそも新規事業アイデアは4つに分類が出来ます。縦軸に「評価されやすい or 評価されにくい」、横軸に「成功する or 成功しない」をとった4象限です。 この時に、第二象限と第三象限に注目し、第三象限に惑わされずに第二象限を見落とさないことが重要です。 一方で、多くの第ニ象限のアイデアが見落とされてしまっています。その理由は  1. 人には認知バイアスがある(よくわからないもの=評価が下がる)  2. 優秀な人ほどできないことを探すのが上手(評価者の多くは優秀な経営層) という2つの理由からです。 せっかく多くの時間をかけて考えたアイデアをどのように評価するかという点をぜひ一度考えてみてください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。 新規事業創出は、企業の競争力維持や持続可能な成長に向けて不可欠なプロセスであると考えています。多くの企業が新規事業創出に取り組むことで、社会課題の解決や経済の活性化に貢献し、「失われた30年間」を取り戻した先により良い未来を創り出すことを期待します。 unlockもその一翼を担えるよう、精進していきます。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/