

新規事業や事業開発において、永遠のテーマである「プロダクトアウト vs マーケットイン」。ネット上で言われているような一般論をお伝えする気はございません。 110社以上の新規事業立案を、実際に手を動かして支援してきたunlockだからこそ、ポジションを取って「どちらが良いか?」にお答えします。
※本コラムは2025年5月に開催された株式会社unlockのウェビナーを書き下ろしたオリジナルコンテンツです。
株式会社unlock 代表取締役 津島 越朗
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目次
皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。unlockの代表、津島です。 本日のテーマは「プロダクトインマーケットアウト、どっちがいいのか?」ということで、今日はコンテンツをもりもりにしてしまいましたので、早速始めさせていただきます。 不動産業界における永遠の議論は「賃貸vs持ち家」だと思うんですが、新規事業における同様の議論としては、「プロダクトアウトvsマーケットイン」と言えるのではないかと思います。 ですが、それぞれについて、どこまで正確に皆さんご存じでしょうか? それぞれの特徴は知っていても、自社そしてご自身はどのタイプを選択すべきなのか、それはなぜなのか、までを言うことができるでしょうか? ということで、まずは基本的な整理です。今日のゴールはそれぞれの特徴を知る、自社や自身にあった手法、ここで言うのは開発手法です。 新規事業の開発、創出手法を学べるようにしていただく、この2つをゴールにお話をしていきます。 プロダクトアウトは「作りたい」を重視します。 提供供給元である企業、需要である市場、客、こういった両極に2者を置いて、どっち起点の事業なのかを考えます。


プロダクトとは企業が起点、製品のIDとかシーズとかです。こういったものからいろんな捉え方はあるのですが、自分たちの「作りたい」、もちろんその先には「お客様に喜んでいただけるはず」というのがありますけども、 「作りたい」を重視するのがプロダクトアウトと言われています。 プロダクトアウトの代表事例としては、やはりiPhoneですね。 ご存知の方も多いと思いますが、プロダクトアウトと言えばiPhoneと言われがちなので、少しだけ解説をさせていただくと、天才がパッと思いついていきなりヒットしたというものではない、というストーリーをご紹介します。実は結構、紆余曲折があったということですね。 最初、音楽はiPod、スケジュールはパーム、写真はカメラという風に、機能ごとに端末を使い分けていた時代に、ジョブスは指を使って入力できるタッチスクリーン技術を搭載したタブレット開発グループを結成したそうです。 そのデモ機を見て、タブレット開発をすぐ止めて、携帯電話の開発に舵を切った。そして、多くの試作品が失敗して、5つのプロジェクトが何度も瀬戸際に追い込まれるという紆余曲折があったそうです。でも、5つもプロジェクトがあったようなのです。 どんな製品になるかわからないまま、マルチタッチという操作方法を開発して、オールインワンのiPhone が誕生した。 こういったような紆余曲折があったというところも、世の中で言われているプロダクトアウトの本当の姿を簡単にご説明させていただきました。 続いて、その対局と言われる「マーケットイン」です。 マーケットインは、その供給元が企業であることは先ほどと同じですが、起点としては「誰が欲しがっているのか」。


当然、欲しがっている市場が求めるというのは、重視という意味では、こちら起点、つまり左側の市場、顧客起点なのがマーケットインと言えると思います。 ここまではご存じの方も多かったと思います。 同じくマーケットインの事例としては、アウトドアですね。コロナ禍が終わって下火になってきていますが、ワークマンのアウトドア展開です。 4000億円市場を掘り当てたと言われていましたが、こちらも消費者の声を聞いて、アンバサダーの声を活用したマーケティング戦略で、求められているサービスにワークマンとして答えを出すということで、こういった製品を作るに至った典型的なマーケットインの事例と思います。 しかし、このような2元論のような分類に、何か違和感がありませんか? 実際には、その「中間」が複数存在します。 「ユーザーイン」という言葉もあるそうです。 アイリスオーヤマの創業者の大山さんの言葉ですが、アイリスオーヤマでは、「ユーザーイン」という言葉を掲げて商品開発をしているそうです。 お客様の声に耳を傾けて商品開発をすることではありません。意外ですよね。 消費者も気付いていないニーズを見つけ、こちらが需要を創造していく、という考え方です。こういう考え方を基にアイリスさんは製品開発をされているそうです。 これがどちらに分類されるのかというのはなかなか難しいところですが、いずれにせよ、ここでお伝えしたいのは、どちらにも分類されない、そして確固たる開発手法が存在するということです。
そこで、unlockでは4つの分類をすることにしました。


単純に、プロダクトアウトとマーケットインを端に置いて、その中間があって、どちら寄りなのかということを書いただけですが、ポイントはあえてど真ん中を作らず、分かりやすく分けたところです。このように単純化して見ていきたいと思います。 見ていくにあたって1つずつ順番に解説してもいいのですが、それだとつまらないかと思いまして、あえて皆様はどのタイプに分類されるか、「タイプ分類」を作ってみました。 さて、これから簡単な4つの質問をいたしますので、答えてみてください。 答えがaとbのどちらに近いかで、その数字をお手元で足し算をしていっていただくと、最後にどういうタイプ分類なのか、ご自身の傾向を見ていただけます。 最初の質問は、新規性に関する思考性です。


当初は顧客ニーズがわからなくても、新規性のある商品、サービスで市場を変えたい、顧客を驚かせたいっていうのがaです。 bが、顧客ニーズがあるもの、売れるものを地道に模索したい、新規性にはこだわらない。これをbとした時に、皆さんどれに当てはまるでしょうかということをカウントしてください。 2つ目の質問は、成功確率です。


事業計画通りに行かないリスクもある程度許容しながら、まとまった予算を投下できる。社内で遊びの余地が多少ある。これがa。 予算投下には顧客ニーズの積み上げとか事業計画の確からしさをより重視するというのがbです。 3つ目は、アセット活用です。


ここで言うアセットは、その企業が持っているもの、目に見えない財産、技術とかネットワーク等も含みます。 既存事業のアセットが活用できるかどうかにこだわらないならaで、bがこだわるってことです。既存アセットが活用できる領域に限定して取り組みたいのが、bですね。 最後は、社内外の調整です。


社外との調整等にあまり工数を割きたくない。調整とか、社外ヒアリングとかも含みます。自分たちが信じたものをまずは作ってみて、その後修正していきたいのがa。 bが、社外フィードバックを得ながら事業に還元していく調整能力がある。潜在顧客や専門家と既に接点がある、またはできる見込みがあるのがbです。 以上が4つの質問になりますが、お手元で計算できましたでしょうか? では、診断結果をお伝えします。


左から点数が高いのが「P」で、プロダクトアウト色が強い、 中間があってマーケットイン色が強いということです。 これはあくまでも参考です。これから4つのタイプについて説明していきますが、全て見るのは大変ですし、ご自身がより近い傾向を見ていただくことで、持って帰っていただく情報がより有益になるかという意図でこのようにさせていただいております。 なので、あまり気にしすぎないようにしてください。 各タイプの特徴を簡単に表しました。 (※画像は非表示です) ①「P」、プロダクトアウトは、先ほどご説明した通り「こうあるべき」が強く、自分が顧客として作りたいものを作るような場合が多いです。 ➁「Pm」はプロダクトアウト寄りの中間で、「自分が欲しいものあったらいいな、面白いかも」を起点に、柔軟に顧客フィードバックを取り入れていくものを呼びます。 ③「Mp」は、顧客の観察と作り手の「こんなものが欲しいはず」という想像の組み合わせで開発していきます。 ④「M」は開発マーケットインです。開発当初から顧客の声を中心に据えて、商品設計をしていきます。 大きくはこんな特徴が言えると思います。 自社の現状はわかったけれど、今のこのやり方が自社にとって良いのか?とお考えになる方もいらっしゃいますし、今日セミナーに来ていただいた方は多分こういうことを思ってこられたんじゃないかな、と想像します。
皆さんが取るべき開発手法を、この時間で探っていただきたいと思います。 どうやって探るのかというと、2つの手法を用意しました。 1つ目が古今東西のヒット傾向で、2つ目が各タイプに向いている市場等です。 マーケティングの手法からその答えを探るという、この2つの手法で考えていただきたいと思います。 そして、自社はどんなスタイルが向いているのか?という第3部です。 既存商品、商品のタイプ別分類ということで、古今東西のヒットはどこに分類されるのかということを書きました。 この図を読み解いていただくのに少し時間がかかるかもしれませんが、この左上のP、これはプロダクトアウトで、その対角線上(右下)にあるMがマーケットインという風に捉えてください。 そして、それぞれの中間であるMpとPmが左下と右上に存在する、という形です。 星印をつけたものが製品またはサービス、またはその会社が基本的に製品やサービスを開発するときの開発手法として標準的に取っているものをプロットしています。 直近のヒットはオレンジ色でプロットしています。


このオレンジ色でプロットした直近のヒットをそれぞれ、どういう経緯で開発されたのかを細かくご説明して、より理解を深めていただきたいと思います。 まずはP、ここはスイカゲームです。これはゲームなのですが、収益を上げている1つのサービスと捉えて紹介させていただきます。 このゲームを作ったのは株式会社issin、CEOの程さんという方が作った会社で、スイカゲーム以外にも家電とか、プロジェクターを過去にもヒットさせています。 この方の開発の思想は極めてシンプル、かつ、ザ・プロダクトアウトという風に言えるかと思います。 彼が言うのは、「n=1 僕の欲しいが全て」「刺さる人は必ずいる」「アンケートは取らない」という3つです。 「アンケートは取らない」「ヒットするかどうかは確率の問題」「リスクが許容範囲と判断すればすぐ試す」。こういった非常に明快なやり方で、おそらく手数も多くやっていらっしゃるということです。これがザ・プロダクトアウトだな、と思います。 次に、ChatGPTです。 あえて少しプロダクトアウト寄りの、中間のPmとプロットさせていただきました。 ChatGPTがどうやってできたのか、意外とご存じない方もいらっしゃるのですが、今では有名なこのサム・アルトマンさんの、ご自身の構想の中にあったそうです。 こういった意味で、そのプロダクトアウト的な側面が既にあったわけですね。 ですが、実は社内では研究用のプレビュー版という位置付けで、公開時には大げさに宣伝したいとあまり考えていなかったそうです。 元々は、大規模言語モデルの学習コストが高すぎて、資本がある会社じゃないと使いこなせないところに課題を感じていて、「研究用にこういうのがあればいいなぁ」というものを作っていたのがChatGPTの始まりだったそうです。 そんな形でスタートして、本人たちも驚く大ヒットを遂げたわけですが、驚きを表明しつつ早速、信頼できるユーザーを対象に早期アクセスプログラムを実施してフィードバックをもらう形をやりました。 自分たちのやりたいことをただ体現したいと言っているわけじゃなく、柔軟にその顧客フィードバックを取り入れる姿勢がPmと言えると思います。 どの時点かというと、ChatGPTの「GPT2」の段階でこういう動きをしたそうです。 ですので、すごい大ヒットになって「これはすごく儲かるぞ!」となってから、より多くの人に使ってもらうためにこういうフィードバックの取り入れ方をしたというよりは、早々にこういうことをやる前提で。予想外に最初に使われすぎてしまったので、自分たちがやりたいことをより体現するのではなく、まずはフィードバックをもらいに行くのを実践しているところもPmと言えるように思います。 続いて、マーケットイン寄りの「MP」ですね。 こちらがOishii Farmという会社。今日ご参加でご存じの方は結構いらっしゃるかもしれませんが、ニューヨークで日本発高級イチゴの量産工場を作った会社です。直近でも200億を調達して話題になっています。 海外で日本人が、そして日本初のその高級イチゴを大ヒットさせているケースはなかなか無いと思うのですが、そういった意味で、CEOの古賀さんはこれからどんどん有名になっていくんじゃないかと思います。 このOishii Farmがどのようにできたかというと、元々はコンサル会社にいらっしゃったようで、レタスとか葉物が有名な、いわゆる植物工場の課題とチャンスに着目してこのビジネスを立ち上げられました。 グリーンハウスやビニールハウスといった施設園芸のノウハウや技術は、日本とオランダにしかなかったそうです。それを知っていたというのが1つのアドバンテージで、そこにIoT技術を組み合わせた植物工場というビジネスは、日本が世界最先端の技術力を誇っています。 つまり、自分が「これをやりたい」というところから始まったわけではありません。自分が欲しいものかもしれませんが、イチゴ大好きで~とは特に言っていないわけです。 農業は既存の業態ではコストが上昇し続ける、完全自動化の実現で生産コストを大幅に下げて、世界で高まるイチゴ需要に応えていきたい、ということで。 当然、美味しい高級なイチゴに人気があることは調査をしなくてもわかっていて、彼はその需要に向かって課題をクリアしていったわけです。 背景にはミツバチを飛ばすとか色々あるんですけども、そういった技術や新しいアプローチによって、やったら売れると分かっていたものを突破したというパターンですね。 ポイントはやはり高級イチゴが売れるとわかっていて、イチゴが好きな人やイチゴ農家にアンケートをする手法を取らなかったところが1つ特徴的かなと思います。いわゆるザ・マーケットインではないところですね。 最後です。 直近のヒットで、マーケットインと言えるのがチョコザップです。 チョコザップは、ライザップで結果を出すことができたお客様から「手軽に利用できるジムが欲しい」という声を以前からいただいていたそうで、この声を起点にしているところがマーケットインと言えると思います。 しかも、コロナ禍で何か新しい事業をやらなければという気運が高まって、ブルーオーシャンだった運動初心者に向けたサービスを展開することを決めて、様々なパターンのジムを出店してテストマーケティングを繰り返したのも、非常にマーケットイン的です。 テストマーケティングを繰り返すことで、運動初心者が求めるジムのあり方を模索することになった。その結果、今のチョコザップになったそうで、マーケットイン的なアプローチと言えると思います。
いわゆる古今東西のヒットから各傾向を解説しましたが、まとめると、こんなことが言えるんじゃないかと思います。


いろんな角度で見ていきますが、まずは「向いている顧客」ですね。 PからMまで、BtoCだとどうなのか、BtoBだとどうなのか、を書いています。 ある意味万能と言えるのがこのPmとMPで、PとMは弱点がありますね。BtoB向きではなくて、プロダクトアウトでBtoBは難しめだと思いますし、マーケットインもややBtoBが苦手かと思います。 なぜかというと、長期に渡りフィードバックループに付き合うBtoBの場合、ライザップはBtoCでしたが、企業の担当者が自社製品、つまり皆さんが製品を開発するときにそのフィードバックにずっと付き合ってくれるのがなかなか難しい点から、三角にしています。 ですが、BtoCで言うと、向いてないと言えるものはないんじゃないかな、と思います。 続いて、得意領域です。 先ほどと同じような並べ方をしています。


PからMまで、世の中で当然とされている価値観を変革したい領域ですね。ブランディングが重要な消費材にもPは向いていると思います。 Pmは、ブランドや信用力を必要としてない工夫が生きる領域。 開発者の創意工夫からの発明のため、 多くの工数を割く領域では発生しにくいということです。 例えば、空前のヒットになったOpenAIとChatGPT。それまでは、OpenAIもChatGPTも知らない方がほぼ全員だったと思います。それにも関わらずあんなにヒットした、つまりブランディングって一体何なのか?みたいなところもあると思います。 実際使ったのは、誰かが「いいよ」ってブランディングによってなのかもしれませんが、企業としてものすごいブランディングをした結果ではないという点で注目すべきポイントはあると思います。 MPは、自社または世の中の既存アセットを生かして、新しいアプローチが必要な新領域というのが得意な領域かと思います。 Mは、既存顧客との繋がりをベースに、一見レッドオーシャンと思われる領域での新たな展開。先ほどのチョコザップとか、こういったものが得意領域と言えると思います。 そして、各タイプそれぞれ長所と短所がありますので、脱落が起きやすい、ここで失敗しやすいというポイントをこのようにまとめました。 (※画像は非表示です) オレンジのところがちょっと注意というポイントです。PからMまで見ていただくとそれぞれズレがあるんですが、こういった特徴があります。 今日は1つずつ解説する時間が無いので、こちらもご自身の該当したタイプを見ていただき、今はスキップさせていただきます。 いかがでしたでしょうか? 理想のプロダクトとその開発体制が浮かんできたでしょうか? 今日は結局、何が良いのかをお題に入れておりましたので、その話をさせていただきます。
プロダクトアウトマーケットインは、私もしっかり考えたことが今まであまり無かったので、スティーブ・ジョブスやユニクロの柳井さんを始め、いろんな人が何て言っているのかな?と見に行くと、本当に皆さんいろんなことをおっしゃっています。 当然ケースバイケースで、これらの方々も言うことが変わるかもしれませんが、画面には有名な言葉を並べてみました。 (※画像は非表示です) この表の左側はどちらかというとややプロダクトアウト寄り、右側はマーケットイン寄りの言葉を並べてみました。 どれも多分そうなんだな、否定しづらいな、という内容だと思うんですが、先ほど見ていただいたように、どの証言でヒットが全然出てない、みたいなものはあまりなかったと思うんです。 なので、どの証言でも、どのやり方でも、ある程度やり方とタイミングとプロダクトによってヒットは出ると思うんですが、見事にいろんな人がいろんなことを言ってますよ、ということをここに書かせていただいています。 その上で、やっぱりいろんな人がいろんなこと言っていると、どの手法でもヒットは出ている。だから正解は無い、だけど答えが知りたいですよね。 今の時代は誰もが事なかれだと思うので、ここはあえて我々が「これが良いと思います」というやり方をお伝えします。 unlockとしての結論は「Pm」です。 「Pm」は「緩やかなプロダクトアウト」です。プロダクトアウトとマーケットインの中間的な開発手法で、プロダクトアウト寄りの手法ですね。こちらを推奨したいと思います。 なぜなのか。 それを説明する上で、1つ質問させていただきますので、皆さんぜひお考えください。 新規事業において、とても大事な情報なのに、最も捉えがたいものは何でしょう? ちょっと質問が難しいですね、これを捉えて解像度を上げることができると、新規事業の成功確率がぐっと上がるものなんです。逆に、この解像度が低いと、新規事業の成功確率は下がると思います。 そういう新規事業の成否に非常に大きな影響を与えるものにも関わらず、捉えることが非常に難しいものがあるんです。これが何かをお考えいただきたいのですが、いかがでしょうか?成功確率については「新規事業の成功確率は5%」は本当か? -データで読み解く成功確率-もご参考ください。
今チャットに続々といただいていますね、ありがとうございます。 「顧客の潜在ニーズ」という言葉をいただきました。
はい、ありがとうございます。ほぼ正解です! ちょっと簡単だったでしょうか? 我々は「ターゲット」と考えています。顧客ですね。ひいては、先ほどお答えいただいたように、「顧客の潜在ニーズ」かもしれません。 ターゲット、つまり 顧客のことを知るのはやっぱり難しいです。これが先ほどの我々の緩やかなプロダクトアウトを推奨する理由で、もう少し解説しますね。 つまり、プロダクトアウト全般の強みは、自分をターゲットにできるのがすごく大きな強みだと思います。自分だったらこれが欲しいのか?を問い続ける。これを忖度せずに自分に対して答えることができます。


私も経験があるんですが、外の方にアンケートを取るとき、こっちが頑張って聞けば聞くほど、「なんか(相手が」頑張っているから悪いなぁ」みたいになって、本音をちゃんとハッキリ言ってもらえなかったりするのは、特に日本人は多いと思うんです。 これが自分だったら、わからなくなる時もあるけれど、欲しいか・欲しくないかは割とわかりますよね。何がダメだったのか、何がダメなのか、どうだったらいいのか、これで満たされているのか、ということも多分ジャッジできる。 ここが1番大きな強み、これを活かせるのがプロダクトアウト全般の強みだと思います。 自分が欲しいというのは、そのBtoCだけじゃなく、BtoBでも適用可能です。 仕事していて経費精算が大変でも、今はマネーフォワード経費精算があったりとか。こういったBtoBでも、自分が欲しいものを考え出すことは可能です。今は一通り満たされている時代だと思います。 他者から聞かれて答える「欲しい」っていうのは、否定するわけじゃないんですけど、ここからたどる事業の難度って高いと思います。なので、やっぱり自分が欲しいものを突き詰めていく。 これを突き詰めすぎると、先ほどご紹介したスイカゲームとか、自分がプロデューサーとしてゴリゴリの権限があるような状態じゃないと難しいのでしょうけれど、ほとんどの方はそうじゃないと思うので、一定層の市場の声も入れながらという中間ですね、中間のPmをお勧めしたいと思います。 自分の「欲しい」からその需要を証明したり、自社アセットや自社のWhy、なぜ自社がやるのかを後付けで紐付ける。ここから入る人たちや手法が、今は王道だと思うんですが、その壁も痛感されてる方は多いのではないでしょうか。 後でこれを紐付けていくやり方が近道だと思います。 実際にこれに近い開発方法で、何をもって成功と言うかわかりませんが、成功に近いようなプロダクトもあります。 化粧品のポーラの「ママニエル」というプロダクトアプリは、スマートフォンで顔を30秒くらい撮影した情報から、今の体の疲労度、心の状態、心拍数レベルなどを分析して、自分の状態すらわからなくなっているママの心と体を見える化する、というアプリです。 これを思いついた方は、2度の産休・育休中にふと感じた子育てへの疑問がきっかけだそうです。これがきっかけなんて、プロダクトアウト的ですよね。 産後はとても大変で、その時期はボロボロになる時期。でもそれはしょうがないと、なぜか自分自身で思い込んでいたという気づきがあったそうです。 実際にそのアイデアを考えてプロジェクトがスタートした時、最初に取り組んだのは200人の産後ママのディープなヒアリングやアンケート調査でした。これは先程Pmとして紹介したOpenAIのChatGPTの話と少し似ていますよね。 だから、自分たちのやりたいことだけで突っ走るんじゃなくて、一旦それに近づいたものを作ったり、考えた後に市場の声を確認しに行ったり、というのがPmですね。 こういった動きで製品を作るのが、我々としてはとてもお勧めです。 ただ、「この手法を取り入れたいけれど、上が首を縦に振らないだろうな」「そもそも新規事業やるって言っても、せっかく提案しても、うちは結局決めない組織なんだよ」と、そういうトップや経営陣に失望しつつあるという声も、正直、新規事業の現場でお客様と接していると少なからずお聞きします。 なので突然、次回予告ですが、これをなんとかする手法「ミドルからの変革」というテーマでセミナーを6月19日にやります。


「会社を変えよう。新規事業の社内の壁突破方法論」ということで、元々は早稲田大学ビジネススクールの教授である長谷川先生が開発した、組織の中で組織の変容を起こす、変革を起こすためにどういうアプローチがいいのかを日米で比較するという手法を取りながら、実例を交えて手法を紹介する書籍です。 この本の内容を紹介しつつ、実際の新規事業の現場での突破方法をご紹介します。 最後に、今日の資料が欲しい方、当社にご相談されたい方は、この後のアンケートにご回答いただければご案内をお送りしますので、ぜひご返信をいただければと思います。
では残りは質問時間とさせていただきます。今回のテーマだけでなく、少しはみ出るようなご質問でもお答えできるものはお答えしますので、メッセージでお送りいただくか、グループチャットやDMで送っていただければお答えさせていただきます。 実はセミナー途中でご質問を1点いただいているので、まずはそちらに回答しつつ、他の質問をお待ちしたいと思います。では、1件目の質問です。 「新規事業を立ち上げる上で、テストマーケティングをするのが一般的だと思います。 テストマーケティングすればするほど、マーケットイン寄りになると思うんですけども、どれぐらい実施するのがいいと思いますか?」という質問をいただきました。 津島さん、こちらはどうでしょうか?
そうですね、お悩みになるのは当然だと思うんですが、「じゃあ5回でいいです」とか「100回で」って言われて納得しにくいことはお分かりいただけると思います。 つまり論点は回数というより、どちらかというとそのターゲット、目の前に買ってくださる候補の方が買ってくださるところまで行ったか、買ってくれそうなところまで行ったか、というのが多分答えになります。 それが2回で済むのか73回で済むのかはわからないんですが、結局のところ売れるかどうかだと思うので、意地悪な答えに聞こえるかもしれませんけど、それが答えになるんじゃないかなと思います。
その他、皆様の方から何か質問があれば ご回答させていただければと思います。 はい、1件いただきました。「捉えにくいターゲット」についてですね。先ほどの質問の「ターゲットについて捉えるための方法に何か良いものはありますか?」との質問がありますが、いかがでしょうか?
はい、ありがとうございます。捉えがたいというか、ターゲットですよね。 まず、タイプによって違うと思いますが、プロダクトアウト系のこの2つだと、大体自分が欲しいっていうことに立脚してるので、 そこがさほど論点にはなりにくいと仮定した時、おそらく今のご質問で主な論点になりやすいのはMとMPだと思うんですね。 多くの場合、マーケットイン寄りで事業を進める・開発する時、全く今までタッチしたことないお客様のことをターゲットにする場合もあると思うんですけども、成功確率が高いのは、既存のお客様をターゲットにこのお客様がどんな課題を持っているのかを考えるのが一番勝ちパターンに近いと思います。 先ほどのライザップさんの例も、ライザップをお使いのお客様の声から始まっているんですよね。なので、既存のお客様のニーズに着目するところからスタートしています。なので、このやり方が多分一番マーケットイン寄りだったとしても、自分じゃない人がお客様だったとしても、ターゲットだったとしても、始めやすく捉えやすいと思います。 一方で、いきなりアンケートから始める、つまり自分たちが全然知らない人から始めるのは、問題があるわけではないんですけども、今言った手法と比べると捉えがたくなると思います。 それを認識して、アンケートとかを読み解くのが重要かと思いますので、なるべく自分、自分に近い人、または普段接してるお客様から入るっていうのが捉えやすくなるかと思います。
はい、ありがとうございます。もう1点 ご質問が来ました。 「自分起点のアイデアで、チームで進めていくときに熱い議論になっていくので、なかなかチームがまとまらないと、チームのメンバーからの支援が得られなくなってしまいます。違うタイプのチーム構成で、間違った意見を持ってる方のチーム構成の場合、うまく新規事業開発をしていくために、何かご意見があればお願いします」ということですが、どうでしょうか?
これは大変ですよね。和を重んじる日本の組織だと、権限とか、誰が決めるか決まっているからその人の意見に最終的に集約するような、エグゼクティブディシジョンみたいなのはなかなか発動しづらいと思います。 そういった意味で言うと、メンバーのニーズ起点、つまり顧客が何と言っているかにフォーカスしてそれを軸に進めていかないと、ギスギスして進められないんじゃないかと思います。 これは私も非常に経験がありますが、結果的にとはいえ納得して進むのは、シーズ起点よりもニーズ起点の方が言っていることとか、またはニーズを見に行く、そのニーズをどう解釈するかが割れることを良しとして、ニーズをベースに決めるのが良いと思います。 これで答えになっていると良いのですが。
ちなみに私が補足といいますか、追加で質問なのですが、この方のご質問からすると、チームでやってらっしゃるんじゃないでしょうか。 人数はわかりませんが、いろんな人がいればいるほど、まとめるのは難しいと思います。チームで進める上で、これも何人が良いというのは無いと思うんですが、どれぐらいが一般的な人数なのか、チーム構成なのか、みたいなのがあれば良い情報になるかなと思うんですが、どうでしょうか?
フェーズによってかなり違いますね。まずアイデアの、例えばシーズ、本当に始まりのアイデアで、どんなサービスにするかを決める段階のレベルの時は人数が少ない方がいいと思います。多くても3人とか。ここで人数が多いと私の経験上、良いことはほぼ無いですね。 なんなら「検討する」が終わるところ、例えば経営会議とかで最終的に通してアイデアを承認してもらって、人と予算と組織をつけてもらうところまでは少人数で走りきるのを是とする方が進めやすい、と思います。 これが一般的な日本のプロジェクトと違うところですね。 新規事業においては決めることの連続なので、役割分担をあまり、例えば欧米的にハッキリさせられない場合、みんな同列というか、誰の意見を常に反映させることが決まってない場合は、人数が少ない方が良いと思います。多くても5人かな。
ありがとうございます。もう1つ質問を読み上げます、ご質問者が男性でいらっしゃるみたいですね。 「男性なのですが、女性向けの商品の新規事業担当をしています。今日、自分の『欲しい』から需要を証明するということの提言をいただいたんですが、想定のターゲットが自分と全く異なる場合に、本日の提言をどういう風に変換して適用して、事業開発に取り組んでいくのがよろしいでしょうか?」
これは非常に手強いご質問ですね。まず、今日の内容をベースにお話しすると、原則かなり難易度が高い事業開発になるので、こういうと良くありませんが、選べるんだったら選ばない方がいいと思います、というのが答えになります。 一方で、そういうケースにはヒットが無いのかといえばそんなことはなくて、KATEという女性向けの口紅ブランドがあるんですが、その口紅をコロナ禍で皆がマスクして口紅の売上が下がる中、大ヒットさせた方がいます。ちょっと言い方が良くないんですが、もう普通の中年男性みたいな方が開発のトップだったんです。 この方はずっとこの仕事をされていて、つまり自分自身がターゲットじゃなくても、そのターゲットには非常に詳しいんです。このような場合、もちろん移ろいゆくもので、同じ20代ターゲットだとしてもずっと移ろいゆくとは思うんですが、ずっとターゲットをウォッチしています。 このパターンはヒットを生み出せる場合があると思うんですけれど、ゼロから全然自分がターゲットじゃない製品やサービスをやるのは、可能なら自分としてはあまりタッチしないか、またはそれをよくわかっている人の意見をよく聞く、みたいな進め方をするしかないかなとは思います。
ありがとうございました。 いただいた質問は以上となりますので、こちらでセミナーは終了とさせていただきます。 本日は皆さま、ありがとうございました!

