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2024.8.22
イノベーションを生み出す組織とは?~ジョセフ・A・シュンペーターの原典から読み解く~
新規事業

組織におけるイノベーションは、競争優位性を確保し、顧客ニーズに応えるための新たな製品やサービスを生み出します。

この記事では、イノベーションを生み出す組織について「イノベーションの父」と呼ばれるジョセフ・A・シュンペータが1912年に発表した「経済発展の理論(初版)」に基づき考察します。

1. イノベーションはどう生まれる?

「イノベーションの父」と呼ばれるジョセフ・A・シュンペータは、1912年に発表した「経済発展の理論(初版)」において、イノベーションを「新結合(neue Kombination)」と定義しました。新結合は、全く新しいものが突然生まれるのではなく、既存の要素を新しい方法で組み合わせることを意味します。

異なる分野や技術、市場のトレンドを組み合わせるアイデア発想法「掛け合わせ」でも同様の概念を活用します。

掛け合わせについて知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。

新規事業を立ち上げる5つのプロセスとは?「掛け合わせ」アイデア思考法についても解説

シュンペータは、イノベーションは「概念」よりも「行動」によって生み出されると述べました。行動がなければ、世の中に変化は起こらず、イノベーションは「行動の人」によって生み出されます。難解で高尚な経済学についての書籍が自己啓発本のような色を帯びているようにも見えますが、いずれにしてもイノベーションはかけ合わせを「実行する」ことにより生まれるのでしょう。

「経済発展の理論」には、「新しい結合はいつでも思いつくことができるが、欠かすことができない決定的なものは、行動であり行動力である」と記されています。シュンペータは、イノベーションの原動力を「行動」に見出し、「アイデア」よりも「行動」を重視しました。

本書の中でも繰り返し行動の重要性と現状に甘んじる人の多さや、そういった「快楽主義的な生き方」にある意味での合理性を見い出し、理解を示しているのも印象的です。それだけ行動が難しいということでしょう。

2. イノベーションが生まれる組織に必要なことは?

では、組織としてイノベーションを生むにはどうすればよいのでしょうか?

シュンペーターの「経済発展の理論」では、これまでの支援経験から、組織としてイノベーションを生むには以下の2つの要素が必要だと考えています。

2-1.トップのやる気:イノベーションを牽引する経営の決意

イノベーションは、企業の競争力を維持し、成長を促進するために不可欠な要素です。とくにトップ層の強いリーダーシップと熱意は、イノベーションに必要不可欠な要素とされています。

ここからは、企業の将来を見据え、積極的なイノベーションの推進を志向するために、トップ層が持つべきやる気について、4つのポイントに分けて考察します。

企業活動での重要性

イノベーションは、単なる個人の活動ではなく、企業全体の活動として捉えなければなりません。

新たなアイデアや技術の導入は、組織全体に大きな影響を与えます。そのため、イノベーションを推進するには、トップ層の承認や支援が不可欠です。イノベーションを生み出すリソースや時間が必要であり、これらを提供するためには。トップ層の意思決定が欠かせません。

将来発展への関連性

イノベーションは、単なる日常業務の改善ではなく、企業の将来発展に直結する重要な要素です。

競争の激しい市場において、企業は常に進化し続けなければなりません。そのため、トップ層はイノベーションを将来戦略の一部として位置付け、積極的に推進する必要があります。イノベーションは、企業の生存と成長に直結することをトップ層が理解し、率先して組織マネジメントを推進しなければなりません。

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経営投資の必要性

イノベーションの実現には、人材、物品、財源などさまざまなリソースが必要です。イノベーションに必要なリソースへの投資は、トップ層の承認を得なければなりません。イノベーションに向けたリソースの提供は、組織の将来への投資であり、トップ層の決断が今後の業績を大きく左右させます。また、イノベーションの成功には失敗も伴うことを理解し、そのリスクを受け入れなければなりません。トップ層は、イノベーションへの投資とそのリスクを理解し、適切な判断を行う必要があります。

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根気と労力の重要性

イノベーションの実現には根気と労力が欠かせません。イノベーションは、一朝一夕には成し遂げられないものであり、継続的な取り組みと努力が求められます。トップ層が組織全体の士気を高め、イノベーションに向けた意欲を醸成するリーダーシップを発揮することで、組織マネジメントの成功が期待できるでしょう。また、イノベーションの推進には失敗や挫折もつきものです。トップ層は、業績が落ち込んだり、トラブルが発生したりしても、めげず前向きな姿勢を示さなければなりません。統率者としての役割を果たし、組織のイノベーション文化を育成することが、トップ層に求められる重要な役割です。

トップ層のやる気と積極的な関与は、組織全体のイノベーション力を向上させるために不可欠です。イノベーションは、企業の生存と成長に直結する重要な要素であり、トップ層のリーダーシップと決断が、その実現に大きく貢献します。

2-2. 空気を読まない人の発見と保護: 組織内の異端児の価値

シュンペーターの「経済発展の理論」では、組織の意向に背く存在である「組織内の異端児」について危惧されています。しかし、必ずしも組織内の異端児が悪影響を及ぼすわけではありません。組織内の異端児は、イノベーションを起こそうとしている組織においてどのような価値を見出すのでしょうか。

新規事業に必要な人材について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業に向いている人材とは?求められる資質や特徴を交えて解説

イノベーションの源泉としての異端児の存在

組織において、異端児はしばしば新たなアイデアやアプローチをもたらし、イノベーションの源泉となります。異端児は通常の枠にとらわれず、既存の概念や常識に挑戦する傾向があります。そのため、異端児の独自の視点や行動は、組織に新たな可能性をもたらし、競争力を高める原動力となるでしょう。また、異端児は、伝統的なアプローチにとらわれず、常に前例のない方法で問題に取り組むことができるため、彼らの存在は組織のイノベーション力を向上させます。

空気を読まない人の特性とは?

異端児は、従来のルールや常識にとらわれず、自らのアイデアやビジョンを追求する傾向があります。異端児はリスクを冒し、枠組みにとらわれない革新的なアプローチを取るでしょう。また、彼らは自らの信念や価値観に忠実であり、しばしば周囲の反対や抵抗にも耐える覚悟があります。彼らの大胆な発想や行動は、組織に新たな視点をもたらし、時には革命的な変化をもたらすことがあります。

組織が異端児の価値を見出す方法

組織の意向に背く異端児は、組織の固定概念を壊し、革新的なアイデアの創出に役立ちます。しかし、接し方を誤ると、組織マネジメントに悪影響を及ぼす可能性があります。異端児のスキルや知識を組織の成長に生かすためにはどうすべきなのでしょうか。

異端児の発見

異端児は通常、一般的な行動や考え方とは異なるため、組織内から見つけることは容易ではありません。しかし、異端児の特性や行動パターンに注意を払うことで、異端児を発見できるでしょう。異端児は、従来のヒエラルキーの外に位置し、異なるコミュニケーションスタイルやアプローチを取る傾向があります。そのため、組織は彼らの存在を認識し、彼らの才能やアイデアを発見するための仕組みを整えることが重要です。

異端児の保護

異端児はしばしば周囲の反対や抵抗に直面することがあります。そのような環境下では、異端児の才能が発揮されにくくなるでしょう。そのため、組織は異端児に対して理解を示し、彼らのアイデアを尊重し、必要な支援やリソースを提供することで、彼らの能力を最大限に引き出すことができます。異端児はしばしばマネージメントにとって扱いにくい存在ですが、彼らを活かすことで組織全体のイノベーション力を向上させることができます。異端児の意見を尊重することで、新たなアイデアや視点をもたらし、組織の競争力を高められるでしょう。組織は異端児の存在を保護し、彼らが自らの力を最大限に発揮できるようにすることで、イノベーションの促進に貢献することができます。

まとめ

今回は、イノベーションを生み出す組織について「イノベーションの父」と呼ばれるジョセフ・A・シュンペータが1912年に発表した「経済発展の理論(初版)」に基づき考察しました。持続的なイノベーションは、新たな価値や効率を生み出し、変化する市場や顧客ニーズに迅速に対応できるようにします。イノベーションの文化を根付かせ、時代の変化に対応する柔軟性を確保することで、持続的な成功を収めましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/