現代は、アメリカをはじめとした世界各国に大企業が存在しています。しかし、どの大企業もはじめから素晴らしい実績を残していたわけではありません。失敗を積み重ねて今の成果をあげています。
本記事では、世界的大企業の失敗例をもとに新規事業成功のポイントを解説します。
目次
一般的に新規事業の立ち上げは、既存事業と比べて失敗率が高いとされています。新規事業の失敗率について知りたい方は、新規事業の失敗確率をご覧ください。
既存事業では、企業の強みや市場の理解が確立されており、計画立案も容易です。しかし、新規事業では、未知の領域に挑むため、仮説が立てにくく、失敗のリスクが高まります。
また、新規事業に精通した人材が不足しており、育成も膨大な時間と費用を費やします。さらに、新規事業は既存事業の評価基準で判断されることが多く、その結果、早期に撤退や予算縮小が決定されがちです。当社のアカデミアでは、新規事業の立ち上げに必要な知識やノウハウを提供しています。新規事業の立ち上げについて不安がある方は、お問い合わせください。
ここからは、市場調査の失敗例を2つ紹介します。
Googleが2013年に発表した「Google Glass」は、AR技術を活用した革新的なウェアラブルデバイスとして注目を集めました。しかし、市場に受け入れられず、2015年には一般販売が中止されました。
Google Glassの主な失敗理由は、1500ドルという高価な価格設定と実用性の欠如です。消費者にとって手の届かない価格であり、プライバシー問題やデバイスのバッテリー寿命、視認性、音声認識の精度などが期待に応えられませんでした。
この失敗から学べる教訓は、市場ニーズの正確な把握と実用性、価格に対する価値提供の重要性です。新規事業では、技術革新だけでなく、消費者視点に立った製品開発が求められます。当社のターゲットファインダーでは、新規事業で培ったノウハウをもとに、実践を通して市場に触れ、ターゲットを明確化しています。
デロリアン DMC12は1980年代に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で有名になりました。しかし、品質管理の欠如とクラッシュテストの失敗が影響し、販売は振るわず生産が中止されました。
この失敗から学べる教訓は、製品のデザインやブランド力だけでは市場で成功することが難しいということです。とくに、自動車のように安全性が重要視される製品においては、品質管理と安全基準の徹底が欠かせません。市場のニーズと規制を十分に理解し、それに応える製品を提供することが、長期的な成功につながります。当社のマーケットリサーチでは、お客様のニーズに合わせたリサーチメニューを提供しています。市場調査に不安がある方は検討してみてください。
ここからは、差別化に失敗した事例を2つ紹介します。
デ・ハビランド 106 コメットは、1949年に初飛行し、初の民間ジェット旅客機として注目を集めました。しかし、運航開始後に連続する空中分解事故により、安全性の問題が露呈しました。この事故により信頼性を失ったデ・ハビランドは、市場での地位を失いました。
この事例から学べる教訓は、革新が重要である一方で、安全性や品質管理を疎かにすることは許されないということです。市場での差別化を図るためには、技術的な革新だけでなく、消費者の安全と信頼を確保するための徹底した品質管理が欠かせません。
1998年に設立されたペット用品通販サイト「ペッツドットコム」は、インターネットバブル期に急成長を遂げました。ペッツドットコムは、広告キャンペーンや巨額の投資により、瞬く間に市場での知名度を高め、多くの消費者を獲得します。しかし、ITインフラの脆弱性が課題としてあげられていました。また、ドットコムバブルの崩壊により、投資家の資金調達が難しくなり、経営基盤が揺らぎました。
この失敗から学べる教訓は、急成長する企業にとっても、基盤の強化と持続可能な成長戦略が重要であるということです。差別化を図るためには、単なるマーケティングや資金調達に頼るのではなく、消費者に提供する価値やサービスの独自性を確立する必要があります。消費者のニーズにマッチしたアイデア出しを目指している方は、新規事業を立ち上げる5つのプロセスとは?「掛け合わせ」アイデア思考法についても解説をご覧ください。
ここからは、時代の変化に対応できなかった事例を2つ紹介します。
かつてカーナビの代名詞とされていた「マップクエスト」は、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ウェブベースの地図サービスとして、経路検索や地図の印刷ができる便利さで、多くのユーザーを魅了しました。しかし、スマートフォンの普及と共にその地位は急速に失われました。時代の流れに対応するためにマップクエストはスマホアプリを提供するなどの対策を試みます。しかし、時代の変化に迅速に対応できず、市場での競争力を失いました。
この失敗から学べる教訓は、技術革新が急速に進む現代において、時代の変化に柔軟かつ迅速に対応する能力が企業にとって不可欠であることです。
2013年、世界最大のソーシャルメディア企業であるFacebookは、「フェイスブックフォン」というスマートフォンを発表しました。フェイスブックフォンは、フェイスブックのユーザーエクスペリエンスを向上させることを目的とし、ホーム画面にソーシャルフィードを統合するなど、フェイスブック独自の機能を強調していました。しかし、ハードウェア自体は平凡であり、他社製品と比較しても優れた点がありませんでした。また、ユーザーは既存のスマートフォンでも十分にフェイスブックを利用できます。そのため、専用デバイスを購入する動機を見出せませんでした。
この失敗から学べる教訓は、製品開発において市場ニーズを正確に把握し、他社との差別化を図ることの重要性です。とくに成熟した市場に新規参入する際には、消費者に対して明確な価値を提供することが求められます。
ここからは、顧客ニーズを理解しなかったことが原因で失敗した事例を2つ紹介します。
スナック菓子のチートスは、その独特の風味で多くのファンから熱い支持を得ています。チートスの風味を再現したリップバームは斬新なアイデアとして話題になりましたが、消費者の実際の反応は予想外でした。リップバームは唇の保湿や保護を目的とする製品であり、その香りや味は重要な要素です。チートスの風味を唇に塗るというアイデアは、一部の消費者にとって不快であり、実際には購買意欲を削ぐ結果となりました。
この失敗から学べる教訓は、顧客のニーズや期待を正確に理解することの重要性です。単に目新しいアイデアではなく、実際の使用シーンや消費者の心理を考慮した製品開発が必要です。
オートバイメーカーのハーレーダビッドソンは、熱狂的なファンを持つブランドです。1990年にハーレーは、ファン向けに香水を発売しました。しかし、この香水はファンの期待を大きく裏切る結果となりました。ハーレーダビッドソンのブランドイメージは、自由、冒険、強さといった要素が強く、香水という商品はそのイメージと乖離していました。ファンはオートバイブランドに対して、香水のような製品を求めていなかったのです。この失敗から学べるのは、顧客がブランドに対して抱く期待やイメージをしっかりと理解し、それに沿った商品展開が求められます。
ここからは、自社の評価を見誤ったことによる失敗の事例を紹介します。
コカ・コーラが2000年代初頭に発売した炭酸飲料とコーヒーを融合させた「コカ・コーラ ブラック」は、新しいカテゴリーの飲料として注目されました。しかし、消費者は、炭酸飲料とコーヒーの組み合わせを受け入れず、市場に浸透しませんでした。
この失敗から学べる教訓は、市場規模を過大評価し、消費者の嗜好を正確に把握することの重要性です。市場に新しい製品を投入する際には、消費者の反応を慎重に予測し、市場調査を徹底することが求められます。
ここからは、企業の強みを活かせなかったことが原因で失敗した企業の事例を紹介します。
Appleは、1995年に「ピピン」というゲーム機を販売しました。アップルのブランド力とテクノロジーを活かして開発されましたが、価格が高く、ゲームソフトのラインナップも乏しかったため、消費者の関心を引きませんでした。さらに、競合他社のゲーム機と比較しても特筆すべき機能がなく、魅力に欠けていたことも売上が伸びなかった要因のひとつです。この失敗から学べる教訓は、企業が新規市場に参入する際に、自社の強みの活かし方が重要ということです。
ここからは、競合他社の分析を失敗した事例を紹介します。
かつてレンタルビデオ業界の王者として君臨したBlockbusterは、Netflixのような動画配信サービスの台頭により、その地位を失いました。Netflixは、DVDの郵送レンタルサービスから、インターネットを利用した動画配信サービスへとシフトし、消費者に利便性と多様なコンテンツを提供しはじめています。一方、Blockbusterは市場の変化に対応できず、依然として店舗型ビジネスモデルに固執していました。競合企業の動向を軽視し、時代の変化に対応しなかった結果、Blockbusterは市場から姿を消すこととなりました。
この失敗から学べる教訓は、企業が競合他社の動向を常に注視し、柔軟に戦略を調整することが重要であるということです。
ここからは、組織内の連携不足が原因で失敗した事例を紹介します。
1985年、コカ・コーラは既存のレシピを改良し、「ニューコーク」を発売しました。この新製品は、ペプシとの競争に勝つために開発されました。しかし、従来のコカ・コーラを愛していた顧客から大きな反発を受け、販売は失敗に終わります。この失敗の背景には、マーケティング部門と開発部門の連携不足があります。マーケティング部門は新しい味が消費者に受け入れられると判断しました。しかし、開発部門は既存の顧客が従来の味に強い愛着を持っていることを考慮しませんでした。この連携不足により、顧客の声が十分に反映されず、結果的に既存顧客を裏切る形となりました。
この失敗から学べる教訓は、内部組織が一体となって顧客ニーズを理解し、製品開発することが重要であるということです。当社の顧問サービスでは、組織内外問わず新規事業の推進を包括的にサポートしています。
ここからは、リスク管理の不備が原因で失敗した事例を紹介します。
2001年に破綻したエンロンは、エネルギー業界の巨人として知られていました。しかし、内部監査や外部監査が十分に機能していました。経営陣の不正行為をチェックする仕組みが欠如しており、結果として、エンロンは投資家や従業員、顧客に多大な損害を与えることになります。
この失敗から学べる教訓は、企業が健全なリスク管理体制を確立し、内部統制を徹底することが重要であるということです。透明性の高い経営と厳格な監査体制が企業の持続的な成功に欠かせません。
ここからは、過去の成功体験に固執したことが原因で失敗した事例を紹介します。
ポラロイドは、インスタントカメラで一世を風靡した企業です。しかし、デジタルカメラの登場により、ポラロイドの市場は急速に縮小しました。デジタル技術の進化と共に消費者のニーズが変わる中、ポラロイドはフィルムに依存したビジネスモデルを維持し続けます。その結果、2001年に破産申請しました。
この失敗から学べる教訓は、企業が過去の成功体験に固執せず、常に市場の変化を見据えた革新を続けることが重要であることです。新しい技術やトレンドに迅速に対応し、柔軟に戦略を変更することで、持続的な成長が可能となります。
今回は、世界的大企業の失敗例をもとに新規事業成功のポイントを解説しました。
世界的大企業であっても、新規事業開発やイノベーションの失敗は起こります。今回紹介した教訓を活かし、自社の成功に繋げていきましょう。

