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2024.9.20
PESTLE分析で新規事業の競合や市場を把握しよう~徹底的にマクロ環境を捉えよう~
新規事業

経営戦略は、新規事業の立ち上げに欠かせません。しかし、経営戦略を上手く策定できない企業も少なくないでしょう。PESTLE分析は、適切な経営戦略の策定に役立ちます。本記事は、PESTLE分析の定義ややり方などについて解説します。

PESTLE分析とは?

PESTLE分析は、外部環境を理解するためのフレームワークです。新規事業の立ち上げ時に活用します。新規事業の立ち上げに役立つフレームワークについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業開発とは?成功させるポイントとフレームワークを解説

PESTLEは、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Sociocultural)、技術(Technological)、法的(Legal)、環境(Environmental)の頭文字から成り、これら六つの視点から環境を分析するのが特徴です。

PESTLE分析の主な目的は、事業計画や市場戦略を立てる際に、外部環境の要因を把握し、その影響を評価することです。外部からの影響を評価することで、事業のリスクや機会を正確に認識し、戦略の方向性をより効果的に設定することが可能となります。

PEST分析との違い

PEST分析とは、「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの外部環境を分析し、事業戦略の策定に役立てるフレームワークです。

PESTLE分析とPEST分析の違いは、分析する外部環境の範囲にあります。PESTLE分析は、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Sociocultural)、技術(Technological)、法的(Legal)、環境(Environmental)の六つの要因を考慮します。一方、PEST分析は、政治、経済、社会、技術の四つの要因に焦点を当て、法的および環境要因は含まれません。

法的要因は、法律や規制の変化や法的リスク、業界や地域における法的枠組みの影響などを指し、事業展開に大きな影響を与える可能性があります。PESTLE分析ではこの法的要因が重要視されますが、PEST分析では省かれることが多々あります。

環境要因は、気候変動や自然災害など、企業活動に影響を及ぼす要因のことです。とくに、エコロジカルな側面からの分析が求められます。また、持続可能性の観点からも重要です。PESTLE分析では環境要因も考慮されますが、PEST分析ではこれが含まれない場合があります。

このように、PESTLE分析はより広範な要因を考慮し、包括的に外部環境を分析するのに適していますが、PEST分析はよりシンプルで基本的な要因に焦点を当てています。

PESTLE分析を構成する6つの要因

ここからは、PESTLE分析を構成する6つの要素について解説します。

Political(政治的要因)

政治的要因は、政府や政治的な状況が事業に及ぼす影響のことです。政府の政策や規制、政治的な安定性や不安定要素などが含まれます。一例として、税制改正や貿易政策の変化は、事業の収益性や競争力に直接影響する可能性があります。

Economic(経済的要因)

経済的要因は、経済の状況や動向が事業に与える影響のことです。国内外の経済成長率、景気動向、インフレーション率、為替レート、金利の変動などが含まれます。これらの要因は、消費者の購買力や企業の投資意欲に影響を与え、事業の成長や収益性、資金調達コストに影響を及ぼす可能性があります。

Sociological(社会的要因)

社会的要因は、社会の価値観や嗜好、人口構成、教育水準などが事業に与える影響のことです。人々の文化的トレンドやライフスタイルの変化、多様化する消費者ニーズなどが含まれます。これらの要因は、製品やサービスの需要や市場トレンド、労働力の質などに影響を与える可能性があります。

Technological(技術的要因)

技術的要因は、技術革新の速度や、研究開発投資、インフラ整備などが事業に与える影響のことです。新技術の導入やデジタル化の進展、競合他社の技術力などが含まれます。これらの要因は、新しい製品やサービスの開発、生産プロセスの改善などに影響を与えます。

Legal(法律的要因)

法律的要因は、法律・規制の変化、労働法、消費者保護法などが事業に与える影響のことです。労働法や環境規制、知的財産権の保護などが含まれます。これらの要因は、事業活動の合法性やコンプライアンスの確保、リーガルリスクの管理などに影響を与えます。

Environmental(環境的要因)

環境的要因は、環境保護規制、気候変動、資源の利用などが事業に与える影響のことです。気候変動や自然災害、資源の枯渇などが含まれます。これらの要因は、事業の持続可能性や、環境負荷の管理、環境対応製品の需要、CSR活動の展開などに影響を与えます。

PESTLE分析のメリット

PESTLE分析のメリットは、外部環境の六つの要因を包括的に分析することで、ビジネスチャンスを把握し成長につなげるだけでなく、潜在的な脅威を未然に回避することです。潜在的な脅威を回避することで、状況の正確な把握や必要なデータの取捨選択が可能となります。また、不測の事態にも迅速に対応できる可能性が高まります。当社の顧問サービスを利用していただくと、過去に新規事業を支援した経験を生かし、お客様の新規事業の立ち上げをサポートいたします。

PESTLE分析のデメリット

PESTLE分析のデメリットは、外部環境の情報に不足があるため、内部環境を把握するために3C分析などの補完的な手法が必要なことです。また、全ての要因を分析する必要がない場合があり、優先順位の高い要素のみで十分なこともあります。さらに、分析結果は背景情報であり、短期的な戦略構築には向かないことも注意が必要です。

PESTLE分析の進め方

ここからは、PESTLE分析の進め方を3つのステップにわけて紹介します。

ステップ1: 情報収集

PESTLE分析を実施する最初のステップは、外部環境に関する信頼性の高いデータを収集することです。政治、経済、社会、技術、法的、環境の各要因に関する政府報告書、経済データ、業界レポート、ニュース記事などの情報源より収集し、事業に影響を与える可能性のある要素を特定します。市場調査の方法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業における市場調査の方法とは?必要となるステップごとにリサーチ手法を徹底解説

ステップ2: データの整理・分析

次のステップは、収集した情報を整理・分析することです。各要因ごとに重要なトピックやパターンを把握し、事業に与える影響を評価します。政治的な安定性や法律の変更、技術革新の進展など、様々な要因が事業にどのような影響を及ぼすかを詳細に分析します。SWOT分析など、他のフレームワークと組み合わせて分析するとより効果的です。

ステップ3: 結果の活用

最後に、分析結果を活用して、事業戦略や意思決定に反映させます。特定されたリスクや機会を踏まえて、戦略の修正や新たな方針を策定し、機会の最大化を狙います。また、将来の環境変化に備えて、PESTLE分析を定期的に実施することで、持続可能性の確保が可能です。当社のアカデミアでは、データに基づく新規事業アイデア着想方法のノウハウを提供しています。

PESTLE分析のタイミング

PESTLE分析は、新規事業の立ち上げや市場参入の際に重要な情報を提供します。そのため、事業計画の策定段階で実施されます。事業計画の策定段階では、外部環境の影響を事前に把握し、リスクを最小限に抑える戦略を検討しなければなりません。また、PESTLE分析は、市場調査の前にも実施するのも望ましいとされています。PESTLE分析によって市場の環境や制約を理解し、適切な市場調査を実施するための前提条件を整えられます。

新規事業への具体的な応用例

ここからは、新規事業におけるPESTLE分析の応用例を3つ紹介します。

市場調査

新規事業を立ち上げる際には、事業展開する市場の特性や競合状況を把握するための市場調査が欠かせません。PESTLE分析は、市場調査の一環として活用され、市場環境やトレンドを把握し、事業戦略の立案に役立てられます。

リスクマネジメント

新規事業にはさまざまなリスクが伴います。PESTLE分析は、外部環境の要因を分析することで、事業に影響を与えるリスクを予測し、それらに対する適切な対策を講じられます。

戦略立案のソース

PESTLE分析の結果は、事業戦略の立案における基礎資料として活用されます。外部環境の要因を踏まえて、事業展開の方向性や重点項目を検討し、競争力を高めるためのマーケティング戦略を策定する際に重要な情報源となります。

フレームワークの注意点

フレームワークの使用時には、単に枠を埋めるだけで満足せず、各要素の内容を深く掘り下げることが重要です。一例として、3C分析でCustomerを埋める際には、詳細な情報や洞察を加えることで、分析の質が向上します。また、フレームワークは万能ではなく、全ての状況に適用できるわけではありません。外部環境の要因を分析する手法として有用ですが、全てのリスクや機会を網羅できるわけではありません。そのため、他のフレームワークや分析手法と組み合わせて使用することが推奨されます。

まとめ

今回は、PESTLE分析の定義ややり方などについて解説しました。PESTLE分析は、新規事業を立ち上げる際や市場参入を検討する際に、有用な手法です。政治、経済、社会、技術、法的、環境の六つの要因を考慮することで、事業に影響を与えるリスクや機会を把握し、戦略の立案や意思決定に役立てられます。

PESTLE分析を活用し、事業の成功に向けた道筋を示しましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/