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2025.5.29
【2025年最新版】結局、中小企業が新規事業を作るにはどうすれば良いのか?【前編】~人材がいない中で何から始めるべきか?何が成否を分けるのか?~
新規事業

※本コラムは2025年4月22日に開催した株式会社unlockのビジネスセミナーを、2回に分けて書き下ろしたオリジナルコンテンツ(前編)です。

 

【登壇者紹介】

津島 越朗(代表取締役)

2005年 株式会社リクルート入社(人材事業営業部)

2008年 同上(インターネットマーケティング局、マーケティング・新規事業企画)

2013年 株式会社DeNAライフサイエンス(東大医科所と遺伝子検査の立ち上げサービス&マーケ責任者)

2014年 株式会社DeNAロケーションズ 代表取締役社長(海外テクノロジーベンチャーとのJV)

2016年 株式会社unlock設立

 

皆様、本日は弊社セミナー「結局、中小企業が新規事業を作るにはどうすれば良いのか?」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日のセミナーはこの3つの内容でお話させていただきます。

 第1部 中小企業の新規事業が抱える現実

 第2部 リソースが限られている中小企業の新規事業戦略

 第3部 成否を分ける要素

早速、本編に入ってまいります。

    第1部:中小企業の新規事業が抱える現実

    新規事業を志向する中小企業は増加しています。これは我々も現場で、実際に肌で感じているところです。画面の、「中小企業白書2024」や東京商工会議所の資料にありますように、新規事業、イノベーションは経営に貢献しているといデータが出ています。革新的なイノベーションは収益に直結する効果が特に高く、成功しなかったとしても新しい活動に挑戦することで、社員の能力や企業イメージが向上するといった効果が謳われています。

     

    ですが、こちらの「新規事業の実現率」をご覧ください。実際に新規事業が成功したかどうかというよりは、実際に実現できたという実現率です。グラフにあるように、企業規模が小さくなるほど新規事業を実現するのが難しくなっている状況が見えていますね。

     

    また、中小企業の経営課題として新規事業の必要性は感じているものの、「リスクに見合う結果が得られるとは思えないため」という回答が一番多いです。これは新規事業の1つの大きな特性かと思います。それから、「行動を起こすための資金・人材が不足している」、これも現実だと思います。概ねあらゆる規模、種類の中小企業において、十分な資源があるところは無く、これは大手でも同じことがいえるかもしれません。

     

    経営資源が限られている、特にそれが限られている中小企業でも、正しいやり方をすることで新規事業を成功させることができます、というのが今日のセミナーです。今日は「正しいやり方」と敢えて申し上げております。

     

    具体的に、まずはいくつか成功事例からお伝えします。

     

    画面こちらは当社のお客様で、現在は上場準備中の株式会社マークスライフという会社様です。最初にご相談をいただいたのは「成仏不動産」という非常に尖ったサービスで、事故物件専門のSUUMO(不動産サイト)のような物件紹介ポータルサイトでした。メディアには少し取り上げられて話題にはなっていたのですが、肝心の売り上げがついてこない状況で、事業は年間1千万円程度の売上でした。
    元々は不動産売買を中心にした普通の不動産業の会社様で、新規事業としてこの事故物件専門のサービスを始められたものの中々伸びないということで、当社にお声掛けをいただいてご支援をしました。

     

    弊社がまずやったことは、当時の成仏不動産のビジネスモデルの分析と将来予測でした。結果、「これは伸びないだろう」と我々は予測し、それをお伝えしました。「分かった、じゃあどうしたらいいのか?」ということで、ビジネスモデルの転換をご提案しました。当時の情報ポータルサイトから買取り、再販事業への転換です。いろいろありましたが、成仏不動産の買取再販事業で成功の兆しを掴み、その他にシナジー効果が高い新規事業を複数立ち上げました。3年間で売上20億まで成長して、4年目で50〜70億という躍進を遂げられています。今日これからご紹介するunlockメソッドを忠実に実践いただいた企業様です。

     

    マークスライフさんでは私も創業メンバーと呼んでいただいて、時々飲み会にも誘っていただくのですが、当時は10人ぐらいの会社でした。社長を含めて2~3人のメンバーでしっかりと戦略を実行いただいて、このような成功を実現していらっしゃいます。そのエッセンスを、今日は短い時間ですが凝縮してお伝えできればと思っています。

     

    第2部:リソースが限られている中小企業の新規事業戦略

    今日のタイトル、「結局、中小企業は新規事業をどうすればいいのか」。これは2つの要素、1:基本方針、2:方法論、ということでご説明いたします。基本方針は、どちらかというとマインドのような、全体を貫く、文字通りの基本的な方針です。方法論とは、具体的に何をどのようにしていけばいいのか、という話です。

     

    まず、基本方針です。画面には4つの基本方針、全体に共通する基本的な考え方を挙げました。

     a:社長が推進

     b:市場原理主義

     c:積極的なAI利用

     d:小さく始める

    順を追ってご説明します。まずは「a:社長が推進」、これにはさらに理由が2つあるのですが、「社長が推進する」とは一体どういうことでしょうか?

     

    中小企業において新規事業は社長が推進すべきだ、というのが当社の考え方です。推進すると言っても、全て社長が細かいところまでやる必要はありませんが、少なくとも陣頭指揮を執るべきだと考えています。

     

    理由として、新規事業というのは、会社の未来そのものの話だと考えるからです。様々な考え方もありますが、そもそも「社長の仕事は会社の未来を創ること」、これが重要な仕事だと思います。現在の業績は3年前に手を打った結果だ、と言われたりしますが、社長は現状の売上をどう上げていくか、というのはもちろんのことで、この先会社をどうしていくのか。ここについて仕事をする最も責任が重い役割だと思うのです。新規事業とは未来を創ることに他なりませんので、新規事業は社長の仕事と断言しても良いのではないかというのが、1つ目の理由です。

     

    2つ目の理由。さて、中小企業の最大の武器は何でしょう?
    これは「意思決定のスピード」ではないかと感じます。これが正しい場合、新規事業と非常に相性が良いです。社長は意思決定のスピードを最も発揮できるポジションですよね。もちろん様々な会社があるとは思うのですが、意思決定のスピードが新規事業推進のカギだと捉えると、これは社長が推進する以外に無い、と言えると思います。これが先程お伝えした4つの方針のうちの1つ、「a:社長が推進」です。

     

     

    今日は皆様の中に、中小企業の社長ではない方のご参加もおありかと思います。おそらく、社長に「新規事業を考えろ」「新規事業をやれ」と言われている方もあるかと思うので、そういった方のためにこの1画面をご用意しました。

     

    日本では社長の平均年齢が非常に高いので、社長がご高齢で現実的に新規事業推進が難しい場合もあるかと思います。そういった場合、ご自身をなるべく専業で、現業と兼業ではなく、「専業で新規事業担当にしてください」と社内で言っていただきたいです。期限を切って自らも新規事業にコミットする。「1年以内にいけそうな事業を見つけると約束します」と、自らも期限を切ってなるべく専業にしていただくことをお勧めします。様々な事情もあるかとは思いますが、これが一番理想的な形ではないかと考えます。

     

     

    次は、4つの方針の2つ目、「b:市場原理主義」です。これも言い古された言葉ですが、マーケット(顧客)こそすべて、です。
    ここであえてこのお話をする理由ですが、新規事業では「仮説に仮説を重ねる」という行為がよく起こります。「こういうサービスをやったら受けるんじゃないか?」と。そして、それが本当に受けるかどうかを確かめる前に、そのサービスをさらに発展させた議論がどんどん先に進んでしまいます。
    しかし、まずは市場で答えを確認して、次にそれをさらに発展させた形にする、そういったことを考えるという形で、仮説に仮説を重ねずに、常に市場で答えを確認しながら進めるのがポイントです。思い込みで動かず、市場の事実を元に動くことが非常に重要なのです。これも後々、非常に効いてきます。

     

     

    それから、4つの方針の3つ目、「c:積極的なAI活用」です。現代の新規事業、そして人材不足の中小企業こそ、特に積極的にAIを活用していただきたいのです。今をときめくNVIDIAのファウンダーであるジェンスン・フアン氏は「機敏な企業は、AIを活用して地位を向上させるが、機敏さに欠ける企業は消滅するだろう」と言っています。これはそっくりそのまま、新規事業に当てはまると思うのです。

     

    では積極的なAI活用ということで、具体的にどうするのか?
    必ずやっていただきたいのは、画面のこの2つの生成AIツール、ChatGPTとperplexityを有料アカウントでご登録ください、ということです。ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、この2つのAIは同じ生成AIでも特徴が異なります。
    ChatGPTは何でもご相談くださいという感じで、アイデアを出したり、ネーミングを決めたり、戦略を考えたり、そんな用途です。そしてperplexityはリサーチ、つまり調査に向いています。調査のAIだと思ってぜひ使ってください。時々、ChatGPTはハルシネーション(知ったかぶり)をするので要注意です。分からないなら分からないと言ってくれれば良いのですが、ありもしないようなサービスを作り上げたり、調査結果を出したりする時も、以前よりは減ってはきましたが実際にまだ発生します。その点では、perplexityは安心です。 

     

    再度申し上げますが、ぜひこの2つを有料登録してください。金額は月3千円ぐらい、2つ合わせて6千円です。有能なブレーンとして格安で使えるので、中小企業にとってはもう無二の好機です。過去30年間の中で最大のチャンスだと言えるくらい、もう圧倒的に時代が変わりますので、これは必ずご登録ください。

     

    4つの方針の最後は、「d:小さく始める」です。これも言い古されていますが、定石だと思います。とにかく新規事業というのは小さく始めるのが定石です。画面にいくつか名著をご紹介しました。新規事業の考えとして合うな、現場の考えと合うな、と私自身もすごく感じられる本です。スティーブ・ジョブスも言っていますが、こういった本に限らず、ありとあらゆるところで「小さく始める」ことは共通して言われていますね。これも基本的な方針で、いきなり大きな投資をしないということも重ねてお伝えします。

     

     

    これまで4つの基本方針のお話をさせていただきました。次はいよいよ方法論、進め方のお話です。

     

    新規事業というと、いわゆるゼロ→1だけを想像される方が結構いらっしゃいます。しかし新規事業というのは、大きくこの3つに分けられるとも考えられます。いわゆるゼロ→1、1→10、10→100と言ったりします。

     

    ゼロ→1は、アイデアの有効性、実現性を探るフェーズだと言えましょう。これもいろいろな捉え方がありますが、実際に作るものとしては何なのかというと、例えばアプリやウェブサービス、いわゆるモックアップと呼ばれるもの、制作物です。リアルなものを作るのであれば、試作品。こういったものを作ることを意図するフェーズが、ゼロ→1だと我々は捉えています。

     

    1→10,10→100のフェーズについては、例えば1→10は場合によってはベータ版かもしれません。既に世の中にちゃんと使える状態でリリースしていても、まだ「ベータ版」となっているサービスが、最近ちょっと減ってはきましたが、以前は割とあったと思います。そして、10→100で初めて正式発売となります。大きな量販店に並ぶ、そういった状態になることを意図しています。

     

    日本企業の傾向は、ある程度見えてきた段階からが得意で、そこからの改善などに非常に優れていると言われますが、とにかくこのゼロ→1フェーズが苦手だと言われていますね。我々も現場で見ていて、これは非常に感じるところです。新規事業をやるとなると、これらのフェーズを一気に全部やると捉える方もいらっしゃいますが、まずこの3フェーズに切り分けてみるところから始めていただきたいと思います。

     

    本日のセミナーでは、皆様がある程度できそうだと思われる1→10以降のフェーズについて、あえてお話をいたしません。多くの方が苦手意識を持っていらっしゃるであろうゼロ→1フェーズに特化してお話をしたいと思います。

     

    ここで、そもそも中小企業が新規事業をどのように進めるべきなのか、という話に立ち戻ります。あるべき中小企業の新規事業戦略をお話しさせてください。

     

    非常にシンプルながら、まずゼロ→1の段階では複数の案件やアイデアを仕込む、ということをお勧めします。1個ではなく、複数のアイデアを動かすことをお勧めしたいと思います。この中で芽が出そうだ、芽が出た、というものを中心に、会社の人・お金をかけていくという方法が最も手堅いのです。

    私から言うまでもなく、「いや、それはそうでしょう?」と感じた方も多いとは思うのですが、ゼロ→1、1→10、10→100を一緒くたにするがゆえに、新規事業というのは会社を傾かせる、破滅させるようなものだと非常にためらう方もあると思いますが、このゼロ→1というふうにフェーズを切り分けて考えてみると、最初は大した投資が必要ないことが多いのです。何を作るかにもよりますが。

     

    実際、案件の調査や仕込みを、どれくらいの会社が1年間にちゃんとやれているのでしょうか? それを今日は皆様に一番問いたいところなのです。新規事業は仕込まないと生まれませんので、皆さんが「そりゃそうでしょう」と思われるのであれば、実際にゼロ→1を複数仕込むということをできるように、今日はぜひヒントを持ち帰っていただきたいと思っております。

     

    では、何から始めればよいのでしょうか?
    これは、「新規事業を考えないこと」から始めていただきたいのです。なんだか煙に巻いているような感想をお持ちになる方もあるかもしれませんが、私は本気で言っています。新規事業を考えないことが最初のスタートです。

     

    これはどういうことなのかと申しますと、そもそも御社には、本当に、新規事業が必要でしょうか?と問いたいのです。新規事業は簡単ではないからです。取り組まずに済むなら、それに越したことはないと思うのです。むしろ新規事業をやろうと意気込んで、今までに無いものを求めすぎて失敗することも多いのです。

     

    そもそも会社が必要なのは、新商品ではなく、よく売れて収益性の高い商品ですよね?という確認をした上で、新商品に話を限定しすぎずに検討をスタートしていただきたい、と我々は考えています。ですので、新規事業に取り組む前に、まずは自社商品の総点検をするところから始めていただきたいのです。

     

    例えば、原価率が低いものは少し原価率を高くして価格を上げた商品を作ったり、手間がかかる商品・製品をもっと手間をかけて高級化したり改良したりということも、先程申し上げた目的に立派に適う、よく売れて収益性の高い商品を作ることになります。いわゆる新規事業然としていなくても。

     

    自社商品の高品質版、他社や市場にある商品の欠点を解決した商品をぜひ考えてみてください。自社商品の改良は、新商品開発よりもはるかに易しく、その効果は決して少なくないというのが理由になります。 

     

    実際に有名な商品で、自社商品の総点検からこれを実現した企業の例もあります。画面のこちら、本日のセミナーと少々趣旨が違いますが、皆さんご存知というところで株式会社JVCケンウッドさんの事例をお話しさせてください。

     

    JVCケンウッドさんは現在もカーナビを主力事業の1つにされていますが、スマホの普及によりカーナビの売上が下がってきていました。それより少し前、カーナビにオプション商品としてドライブレコーダーがカーナビに接続する格好で販売されていたそうです。その北米での売れ行きに着目し、今後の需要の伸びを予想してアクセルを踏んでいこうということで、現在は年間数百億円を売り上げています。今はおそらくカーナビよりも売れているのではと思うのですが、大きな柱の1つになったという例です。

     

    ですので、なんとなく安定していて、派手ではないけれど売れている商品、主力商品ではなくてオプション商品、そういった商品が無いのか、これをもっと高機能・高品質化・高級化・ハイエンド化して、フラッグシップで販売する方向はないのか、そういったことも新規事業を始める前に検討いただきたいと考えております。その理由はやはり、難易度はこのほうがまだ低いからです。

     

    では、今お話しした自社商品の総点検をステップゼロ、工程ゼロとして、これから新規事業を作るために行うべき6つのステップをご紹介し、それぞれを詳しく解説していきます。

     

    中小企業が行うべき6つのステップ、こちらは先ほどの既存商品の総点検、これをステップゼロとしています。そこから1、2、3、4、5、6のステップがあり、これらを行えば新規事業は一応作れます。先程のゼロ→1はできる、ということになります。

     

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    問い合わせ先


    【代表取締役】
    津島 越朗
    【設立】
    2016年 10月21日
    【本社所在地】
    東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
    【事業内容】
    新規事業立上げの支援・コンサルティング
    【公式サイト】
    https://unlk.jp/