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2025.9.12
新規事業成功の鍵はミドルにあり!トップダウンとボトムアップを繋ぐ中間管理職の役割
新規事業

多くの企業が新規事業の立ち上げに苦戦します。

実際、日本企業の新規事業の約9割は失敗に終わり、成功率はわずか7%とも報告されています。

このようにハードルが高いからこそ、企業はトップから現場まで一丸となった取り組みが必要です。

とくに、「ミドル」と呼ばれる中間管理職は、新規事業の成否を左右する非常に重要な存在です。

本稿では、トップダウンとボトムアップというアプローチの違いや連携、そして両者を橋渡しするミドルの役割について解説します。

トップダウン型アプローチとは

トップダウン型の新規事業開発とは、経営層が意思決定の主導権を握り、戦略や方針を上から示して推進するアプローチです。

ここからは、トップダウン型アプローチのメリットとデメリットを解説します。

トップダウン型アプローチのメリット

トップダウン型アプローチでは、社長や役員クラスがチームの意思決定を担います。

各部門に優秀な人材を集めてプロジェクトチームを構成することで、組織全体を巻き込んだスピーディーな事業展開が可能になります。

また、明確なトップのビジョンの下で組織に一体感が生まれるため、必要なリソースも迅速に投入できるでしょう。

トップダウン型アプローチのデメリット

トップダウンには、注意すべき落とし穴もあります。

一例として、現場が受動的になりやすいことです。

トップの判断が絶対視されるあまり、ボトム(現場社員)の創意工夫や顧客の生の声が十分に汲み取られず、情報共有の遅れやニーズとの乖離を招くケースも少なくありません。

さらに、経営トップの方針変更がある度に現場が右往左往し、プロジェクトが迷走するリスクも内在します。

ボトムアップ型アプローチとは

ボトムアップ型アプローチは、現場の社員やプロジェクトチームからアイデアや提案を吸い上げ、経営陣がそれを取り上げて事業化していくアプローチです。

ボトムアップ型アプローチには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

ボトムアップ型アプローチのメリット

ボトムアップ型アプローチは、日々顧客に向き合っている現場だからこそ見える課題やニーズを直接反映できます。

そのため、顧客起点の革新的なアイデアが生まれやすくなります。

また、メンバー自身が考えて行動することで、モチベーションが高まり、各個人の成長も期待できるでしょう。

さらに、自発的に生まれたアイデアが採用されると、組織全体にポジティブな影響を及ぼします。

ボトムアップ型アプローチのデメリット

ボトムアップにも注意すべきことがあります。

ボトムアップ型アプローチは、アイデアが乱立しやすくなります。

明確な方向性を示すトップのリーダーシップがいないと、議論が発散して戦略の一貫性が保てません。

また、現場発の意見を経営の意思決定に繋げるプロセスでは合意形成に時間がかかるため、意思決定のスピードが遅くなります。

ボトムアップ型アプローチを成功させるには、現場からの声を受け止める経営層の度量と、アイデアを磨き上げて上申するミドルの存在が欠かせません。

トップダウンとボトムアップはどちらが正解か

トップダウンとボトムアップは、一見対極にあるアプローチです。

しかし、新規事業の現場では「どちらが正解」というものではありません。

新規事業の立ち上げには、両者を上手く組み合わせることが必要です。

経営トップによる明確な方向付けと現場からの創発的なアイデアの双方が噛み合ってこそ、社内で新しい事業の芽が育ちやすくなります。

重要なのはミドルマネージャー

とある調査では、新規事業の立ち上げ手法としてトップダウン型が半数以上を占める一方で、中間管理職が橋渡し役となる「ミドル・アップダウンアプローチ」も多く採用されていました。

ミドル・アップダウンアプローチでは、リーダーとなる人材の力量次第でプロジェクトの進行が大きく左右されます。

そのため、新規事業を成功に導くには、トップダウンとボトムアップの“両輪”を繋ぐ存在が必要とされています。

その役割を担うのがミドルマネージャーです。

トップが示すビジョンと現場から湧き上がるアイデアをどう結び付け、一つの方向性にまとめ上げることこそが、ミドルの真価と言えるでしょう。

ミドルマネジャーをはじめとした新規事業に向いている人材について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業に向いている人材とは?求められる資質や特徴を交えて解説

ミドルマネージャーの役割

ミドルマネージャーは、組織の中ほどに位置し、上(トップ)と下(ボトム)を繋ぐ存在です。

経営トップが描くビジョンという理想と第一線の現場が直面する現実を結びつける「橋渡し役」として重宝されています。

具体的には、トップが掲げる抽象度の高い戦略や目標をメンバーにとって腹落ちする具体的な計画に噛み砕いて伝えています。

また、現場で起きている問題点や斬新なアイデアを吸い上げて経営層に報告・提言することもミドルマネージャーの役割です。

ミドルマネージャーの重要性

ミドルマネージャーがいると、トップのビジョンを現場レベルまで浸透できます。

また、メンバーも自分たちのやるべきことを理解して主体的に動けるようになるでしょう。

このように、ミドルマネージャーは組織の潤滑油であり、新規事業推進の原動力となる存在です。

一方で、ミドルが機能しない組織ではトップと現場の歯車が噛み合わず、折角策定した戦略も机上の空論に終わったり、現場の努力が孤立したりします。

ミドル・アップダウンアプローチを成功させるためには、ミドルマネージャーが自らの役割を理解し、積極的に橋渡し役に徹することが求められます。

ミドルマネージャーが抱える葛藤や課題

ミドルマネージャーが橋渡し役を全うするためには、多くの葛藤や課題も伴います。

具体的には、次のようなジレンマが生じます。

方針転換への板挟み

経営トップが新規事業のビジョンを頻繁に変更すると、その都度現場に軌道修正を促さなければなりません。

それにより、メンバーからは「また方針変更か」と不信感を持たれ、経営層からは成果を急かされて板挟みになることもあります。

既存事業とのリソース配分

新規事業に人材や資金を割くと、既存事業に影響を及ぼします。

限られたリソースで二兎を追うプレッシャーは大きく、ミドルには取捨選択の判断力が求められます。

実際、「新規事業担当といいつつ本業も抱えており、忙しくてイノベーションに時間を割けない」という声も少なくありません。

社内調整と抵抗勢力

新規事業は、社内の他部門との軋轢を生むこともあります。

とくに、部署横断の協力が不可欠にもかかわらず、既存部門に縄張り意識が強いと、非協力的な態度に直面するでしょう。

ミドルマネージャーは、他部署やステークホルダーとの交渉役となり、協力を取り付ける必要があります。

また、現状維持を好む社内の抵抗勢力を粘り強く説得する政治力も求められます。

リスク回避志向との闘い

ミドルマネージャーは、失敗した際のダメージを現場より直接被りやすい立場です。

そのため、不確実な新規事業に対して「本当にうまくいくのか?」と及び腰になり、現場の挑戦にブレーキを掛けてしまうこともあります。

この現象は「新規事業の芽が『合理的』にミドルに摘み取られる」とも表現されます。

また、既存事業を優先するあまり、一見もっともらしい理由をつけてイノベーションの芽を摘んでしまうことも少なくありません。

ミドルマネージャーとして成功するためのポイント

ここからは、ミドルマネージャーとして成功するためのポイントを5つ紹介します。

経営層のコミットメントを確保する

新規事業を推進するうえで、経営トップの支援と理解は不可欠です。

事業の進捗や課題を定期的に報告し、必要に応じてエビデンスを示しながら経営層のコミットメントを引き出しましょう。

また、上層部には新規事業の価値と将来的なリターンを納得してもらい、強力な後ろ盾を固めましょう。

ビジョンとコンセプトを示し心理的安全性を高める

ミドルマネージャーとして成功するためには、自らが「この事業で何を実現したいのか」というビジョンやコンセプトをチームに共有してください。

自分なりの旗印を掲げることで、部下たちは安心して創意工夫に取り組めます。

また、上司や他部門・社外の関係者にも筋の通ったコンセプトを示すことで、協力を得やすくなります。

メンバーが失敗を恐れず挑戦できる心理的安全性の土壌を作ることもミドルの重要な役割です。

現場の声を吸い上げ経営に繋げる

ミドルマネージャーとして成功するためには、普段からメンバーと密にコミュニケーションを取り、現場から上がってくるアイデアや顧客フィードバックに耳を傾けましょう。

具体的には、いい提案があったときは自部署内で検討を重ね、経営会議で提言するなど、下から上への働きかけを惜しまないでください。

現場発の示唆をただの意見で終わらせず、経営の意思決定に結びつけるのがミドルの腕の見せ所です。

現場の声だけでなく、客観的なフィードバックを定期的にもらいたい方は、unlockの顧問サービスをご利用ください。

スモールスタートで実証する

大きな予算を投じる前に、小規模な実験やパイロットプロジェクトで仮説検証を実施しましょう。

スモールスタートで部分的にでも成果を出すことで、経営層や周囲も安心して本格投資に踏み切れます。

一方で、検証段階で課題が見つかった場合は、早期に方針を改善できるでしょう。

ミドルマネージャーは、こうしたリーンなアプローチを管理し、成功パターンをチーム内に蓄積します。

社内外のネットワークを活用する

組織横断的な協力を得るために、日頃から社内の他部署とのネットワークを築いておきましょう。

自部署以外の知見やリソースを借りられる関係性は、新規事業推進の大きな武器になります。

また、社外のパートナーシップやオープンイノベーションも積極的に活用し、足りないリソースを補完したりスピードアップを図ったりするのも有効です。

まとめ

今回は、トップダウンとボトムアップというアプローチの違いや連携、そして両者を橋渡しするミドルの役割について解説しました。

新規事業では、トップダウンとボトムアップの両輪が噛み合ってこそ革新的な事業が生まれます。

そして両者を繋ぎ、理想と現実のギャップを埋めるミドルマネージャーの働きなくして、新規事業の成功は語れません。

課長クラスをはじめとするミドルの皆さんには、ぜひ自分自身を「次の柱」を支える推進者だと捉え、自信を持って橋渡し役に徹してください。

トップの意図を汲み取り現場へ伝え、現場の熱量を拾い上げトップに伝えるその姿勢が、組織に新たな価値をもたらす原動力になります。

ミドルの力でトップダウンとボトムアップを掛け合わせ、貴社の新規事業を力強く前進させましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/