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この場合の「弱点」というのは、同業者から見てその性能にまださらに高性能にする余地があるという点ではなく、どちらかというと顧客の立場から見たときに、どういった点が改善できるかという点をつくことです。
ZoomがSkypeを追い抜いた理由は、単に通信品質を高めたことではありません。
会議リンクをクリックするだけで参加できるなど、接続の手軽さを徹底的に改善したことが主な要因とされています。
Zoomの事例は同業者から見た「性能改善」ではなく、顧客から見た「利用の摩擦」を減らした例です。
さらに、大手企業の場合は、既にシェアが高いプロダクトにバンドルといった形でセット販売すると、一気にシェアを高められます。
Slackに対して後発のTeamsがシェアを追い抜いたのが、その好例といえるでしょう。
競合がいるときの事業戦略について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業におけるポジショニングの重要性 ~先行者がいる場合の考え方~
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先行して市場を独占している王者がいる場合、後発のチャレンジャーが「王者の土俵」で正面から戦いを挑んでも勝ち目はありません。
王者が持つ豊富な資金や開発リソースに真っ向勝負すると、あっという間に体力負けしてしまいます。
そこで後発企業が狙うべき王者の弱点は、アンサーにある「利用の摩擦」です。
開発者や同業者は、つい「もっと画質を良くしよう」、「もっと詳細な設定ができるようにしよう」と「機能・性能の足し算」で差別化を図ろうとします。
しかし、顧客が本当に求めていることの多くは「高性能」ではなく「何も考えずにすぐ使える(摩擦がない)」ことです。
ZoomがSkypeを圧倒したのは、まさに「アカウント登録やログインの手間」という顧客視点の強烈な摩擦を「URLをクリックするだけ」という引き算で解消したことです。
また、大手企業の新規事業担当者は、Microsoft Teamsのように、すでに自社が持っている強力な「顧客網」を利用し、新しいプロダクトを既存サービスにセット販売して、力技で市場を面で制圧するという戦い方も非常に有効です。
圧倒的なシェアを持っていたSlackに対し、後発のTeamsが一気に市場をひっくり返せたのは、まさにこの「強者の戦略」の成果といえます。
競合が存在しないときの対処法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業において競合が存在しない場合はどのように判断をすれば良いか?
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日本国内のC2C市場において、2013年に後発として登場した「メルカリ」が、14年間絶対王者として君臨していた「ヤフオク」を逆転したできごとは、「利用の摩擦の解消」による勝利の典型例です。
同業者視点で「オークションシステムとしての性能」を見ると、ヤフオクは圧倒的でした。さらに、ヤフオクには、詳細な条件設定ができ、競り合いによって「最も高く売れる」という強力なメリットもありました。
しかし、顧客視点で見ると「PC前提の複雑な画面操作」や「有料会員登録の必須化」、「オークション終了まで数日待たされる」、「匿名でのやり取りができない」というような強烈な摩擦が存在していました。
そこで、メルカリは、既存の王者が「より高く売るための機能向上」に目を向けている隙を突き、この摩擦を徹底的に排除しました。
具体的には、「スマホのカメラで撮るだけで出品できる」や「競りではなく即決価格ですぐ売れる」、「月額無料」、「匿名配送」など、利用者のストレスを極限まで減らしました。
結果として、PCを持たない主婦や若年層という、これまで面倒くさくて取引に参加していなかった膨大な潜在層を一気に開拓し、後発からの大逆転劇を果たしました。
参照元: https://www.sbbit.jp/article/cont1/67571
競合がいる市場で後発が勝つには、先発の弱点である「利用の摩擦」を突くことが重要です。
機能や性能の足し算ではなく、手間や複雑さを引き算することで顧客価値を高められます。さらに、大手は既存顧客基盤を活かしたバンドル戦略や王者と同じ土俵で戦わない視点も欠かせません。
顧客視点で本質的な不便を見極めることで、新規事業を成功させましょう。

