

目次
新規事業におけるインタビューでは、以下の2つを実践すると、本音が見えやすくなります。
1.ネットプロモータースコア(NPS)のような手法の活用
「購入意向」や「興味関心」といった問いかけでは、なかなか本音は出てきません。
そうではなく「友人に勧めたいかどうか」を0〜10の11段階程度の数字で表してもらうことで、より正確な指標が得られます。
2.事実ベースの確認
同じカテゴリーの商品を実際に買ったことがあるかといった「購買履歴」や「行動履歴」を確認します。
興味があるかどうかの価値判断を聞くのではなく「事実があるかどうか」を基準にすることで、その人が単に口で言うだけの人なのか、本当に行動する人なのかが判断しやすくなります。
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新規事業の顧客インタビューにおいて、最もやってはいけない質問が「これ、いくらなら買いますか?」や「完成したら使いたいですか?」と聞くことです。
人間は基本的に優しく、目の前にいるインタビュアーを傷つけたくないという心理(あるいは、その場を早く穏便に終わらせたい心理)が働くため、未来の意向を聞かれると高確率で「ポジティブな嘘」をつきます。
これが「インタビューでは大絶賛だったのに、いざ発売したら誰も買わない」という悲劇の根本原因です。
アンサーにある2つの方法は、このような顧客の「ポジティブな嘘」を無効化するコンサルティングの定石です。
1つ目の「NPS(友人に勧めるか)」が有効な理由は、他者を巻き込む質問にすることで、回答者に「自分の信用(レピュテーションリスク)」を意識させることです。
「自分一人なら使ってもいいが、友人に勧めて微妙だと思われたら嫌だ」という心理が働き、無責任なお世辞を言えなくなります。
2つ目の「事実ベースの確認」はさらに重要です。
未来の意向はいくらでも嘘をつけますが、過去の行動事実は嘘をつけません。
「環境問題に関心がありますか?」ではなく、「直近3ヶ月で、環境配慮型の商品を“割高でも”買った事実はありますか?」と聞くことで、口先だけの人と本当に課題解決にお金を払う当事者を冷徹に見極められます。
高速メールクライアントを開発する米国の「Superhuman」は、顧客の「ポジティブな嘘」を排除し、本音を数値化して大成功した好例です。
Superhumanは、ローンチ前に自社のプロダクトが本当に市場に求められているか(PMFを達成しているか)を判断することに苦しんでいました。
とくに、CEOのRahul Vohra氏は、従来の「購入したいですか」や「興味がありますか」といった質問では顧客が気を遣ってしまい、本音が見えないと考えました。
そこで、Superhumanは「もし明日、Superhumanが使えなくなったらどう感じますか?」という問いかけを導入しました。
さらに、選択肢は「非常にがっかりする」、「やや残念」、「がっかりしない」の3つだけに絞りました。
Superhumanが導入した問いかけは「非常にがっかりする」と答えた人が40%を超えれば成功と言われる厳しいテストです。
「興味があるか」という未来の意向は社交辞令で高くなりがちですが、「なくなったら困るか」という質問は、ユーザーの実際の依存度(事実)をダイレクトに反映するため、本音が明確にあぶり出されます。
Superhumanは初回調査でこのスコアが22%でしたが、「非常にがっかりする」と答えた熱狂的なユーザー層の意見だけを抽出してプロダクトを改善し続けました。
結果として、Superhumanのスコアは58%に到達し、熱狂的なファンを抱える大ヒットサービスとなりました。
参照元: https://review.firstround.com/how-superhuman-built-an-engine-to-find-product-market-fit
Superhuman以外でもインタビューの成功例について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業の顧客インタビューでは、「買いたいか」など未来の意向ではなく、本音を引き出す設計が重要です。
ネットプロモータースコア(NPS)のように他者への推奨度を問うことで、回答に責任を持たせ、ポジティブな嘘を防げます。
さらに、購買履歴など事実ベースで確認し、行動している顧客を見極めることも新規事業成功の鍵になるでしょう。
本音を見抜く質問設計を意識することで、新規事業に役立つ情報を得られるインタビューを実現させましょう。

