ほぼゼロから3年で10億円超えの新規事業の創出に成功

マークスライフ様様取材記事

<写真左から>
(マークスライフ株式会社)代表取締役 花原さま、 経営企画部 有馬さま、(unlock)津島
プロジェクト概要と経緯:
「不動産の可能性を追求し世の中の困りごとを解決する」をスローガンに掲げるマークスライフ様は、事故物件を専門に扱うユニークな新事業「成仏不動産」を2019年に立ち上げられました。当初は思うように利益が上がらなかったといいますが、新規事業の立ち上がりを支援するunlockの「顧問サービス」を利用いただき、現在では会社を支える主力事業の一つに。支援をさせていただいた当時を振り返り、花原浩二社長、成仏不動産立ち上げに携わった社員の有馬まどかさんに、支援を担当した当社代表・津島をまじえてお話しいただきました。

「事故物件のマーケット」を成立させたかった

unlock(津島):


今日はお時間をいただきありがとうございます。
まずは、花原社長の新規事業に対する考え方をお聞かせください。

花原さま:

新規事業の立ち上げにあたって、一番難しいのは「勇気を持つ」ことだと考えています。まったくやったことのない分野に飛び込むわけですから、どんなリスクがあるかもわからない。
本当のことを言えば、新規事業立ち上げなんて「やらない」のが、一番ストレスが無いのかもしれませんね(苦笑)。
そのストレスに打ち勝って「やる!」と決めるのが、まず乗り越えないといけない壁だという気がしています。

unlock(津島):


「成仏不動産」についても、そうした思いで立ち上げられたのですね。以前に住んでいた人がその部屋で亡くなった、いわゆる「事故物件」を専門に扱うというユニークな事業ですが、当社の顧問サービスをご依頼いただいたときは、どのような状況だったのでしょう?

花原さま:

まずはとにかく、敬遠されて買い手や借り手がつかないことも多い事故物件が、正当に評価されるようにしたい、マーケットとして成立させたいと考えて、そのプラットフォームになる「事故物件のポータルサイト」を作成したんです。
そのときは自社で事故物件を所有することは考えていなかったので、他の不動産業者が扱っている賃貸や売買の事故物件情報をもらい、それを片っ端から掲載していきました。

unlock(津島):


「事故物件のSUUMOを目指す」とおっしゃっていましたよね。

花原さま:

ところが、サイトを作成したものの、「これはよくない」「こうしたほうがいい」と客観的に評価する人がいなかったんですね。
何度か改善は重ねましたが、いまひとつピンと来ない。どこに向かって進んでいけばいいのか分からないまま、半年ほど迷走を続けていました。

unlock(津島):


でも、私が最初にお話を聞いたときに「事故物件をマーケット化する」という切り口や、「成仏不動産」というネーミングはすごいな、と思いました。
あの時点で、既に知名度はかなりあったのではないでしょうか?

花原さま:

そうですね。立ち上げから間もないときにテレビの情報番組に取り上げてもらったりして、かなり話題にはなっていたと思います。お問い合わせもたくさんありましたし、サイトの月間閲覧数も一番多いときで40万PVくらいまで伸びました。
ただ、それがなかなか契約に結び付かず、広告も集まらなくて収益が出ない、という状況だったんです。

unlock(津島):


そこで外部からの支援を入れよう、ということになったのですね。
当社をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?

花原さま:

実は津島さんの他にもう一人、別のコンサルタントの方ともお話をさせていただいていたんですよ。不動産業界に精通した方で、社内にはそちらの方にお願いすべきだという意見もありました。 ただ、津島さんは不動産業界については素人とのことだったけれど、新規事業はもちろんのこと、特にプラットフォームについての知識や経験は圧倒的に豊富だと感じたんです。話をしていてもとてもスムーズに感じましたし、この方にお願いしたいと思いました。

unlock(津島):


ありがとうございます。

花原さま:

実際に支援に入っていただいた後、ポータルサイトに関していただいたアドバイスも「眼からうろこ」という感じで、とても有益でした。
「不動産屋が不動産を売る」ためのサイトにしようとしていて、ポータルサイトとして運営するためのつくりになっていなかったことに気づかされましたね。

ポータルサイトの運営から、事故物件の買取再販へ

unlock(津島):


その後いろいろとお話を伺っているうちに、このままポータルサイトを続けてアクセスをもっと増やしたとしても、収益は伸びないだろうということが見えてきたんです。御社の「マーケットを作ってプラットフォーマーになる」という強い気持ちは存じていたので、当初はそれを何とか実現させつつ収益も上げられる方法はないかと考えました。しかし、残念ながら非常に難易度が高いと考えました。
一口に「住人が亡くなった」といっても、亡くなり方や発見されるまでの時間などは様々です。なので、そうした物件の細かい状況を「段階評価」のような形でしっかりと透明性を出しつつ提示して、同レベルの住宅の相場よりどの程度安くなっているかという情報も提供すれば、ポータルサイトの収益化に繋がるのではないかという提案もさせていただいたのですが、それは難しいというお話でしたよね。



有馬さま:

そうですね。事故物件を「安く売る」のではなく、きちんと正当に評価された金額で取引されるようにする、というのが当社の考え方なので、「相場との価格差を示す」というのは、それと矛盾してしまうかなと思いました。

unlock(津島):


「どれだけ遡っても人が死んでいない場所なんて無い。事故物件だからといって、必要以上に敬遠するのはおかしい」という御社の考え方に、私はとても共感しました。そこで、なんとか収益を出せる形に持っていくためには、御社自身が事故物件の買取再販を手掛けるべきだというアドバイスをさせていただきました。
でも、当初は事業形態をポータルサイト運営から転換することに、かなり抵抗がおありでしたよね?

花原さま:

そうなんです。その頃は「プラットフォームを作りたい」という思いがまだ強かった。メディアに向けて「事故物件のポータルサイトを作ります」と宣言してしまっていたので、それをなかなか諦めきれなかったというところがありますね。

有馬さま:

それに、当時は会社の規模も今よりずっと小さかったですし、あんなに注目されるのは初めてだったので、ポータルサイトのアクセスが伸びただけで「すごい」と満足していた面があったかもしれません。

unlock(津島):


私は、「事故物件のイメージを変える」という御社のビジョンを実現するには、自社物件を所有したほうが絶対に良い、と確信していたんです。自社物件があるほうが外に向けてアピールしやすいですし、ちょうどコロナ禍で不動産の物件価格が全体的に上がってきていた時期でした。
「事故物件を扱っている」と聞くと、ともすれば暗かったり、ちょっと怪しかったりという雰囲気になりがちですが、御社にはそういうところがまったく無く、サイトも明るく前向きなトーンで作られていました。スタッフの皆さんも湿っぽさが無くて、「これなら事故物件を買い取っても絶対に売れるはずだ」と考えたのです。
それで「今後、サイトのアクセスがもっと伸びても、これくらいしか収益になりませんよ」という試算を示したりしつつ、「こっちに行くしかないですよね」と少しずつ外堀を埋めるようにして(笑)、ご提案を続けさせていただきました。

花原さま:

「やろう」と決めるまでに結局、半年くらいかかりましたね。
最後は本当にシンプルに、「サイトを続けて、ビジネスとして回していけるんですか?」と津島さんに問われました。「回りません」と答えたら、「じゃあ、どうやったら回りますか?」と聞かれて、「それはやっぱり、買取再販をやったほうがいいですね」と私も答えていたんです。
一番引っかかっていたのは、私たちで買取再販をやることが、本当にその物件で亡くなられた方のご遺族のためになるんだろうか?という点でした。でもいろいろ考えるうちに、そこは「なる」と思えるようになりました。
メディア取材を受けるときも、自社物件があったほうが、事故物件というのは決して怪しいものでも、怖いものでもないんだという価値をアピールしやすいです。
正直なところ、他社物件には「これを売りや賃貸に出したら、逆に事故物件にマイナスイメージがついちゃうんじゃないか?」と懸念されるものも少なくありませんでした。それなら自社で買い取ってリノベーションなどを手がけたほうが、物件の良さをちゃんと伝えられる。それがご遺族のためにもなるはずだと、ストンと納得できたんです。

有馬さま:

後になってみたら、どうしてもっと早く自社で買取再販をやらなかったのか、分からないくらいですよね。(笑)

花原さま:

そっちのほうが事業がうまくいくのはわかっているんだから、もうそっちに行くしかないよね、という感じでした。
最終的にポータルサイトはそのまま維持しつつ、買取用のサブサイトを立ち上げるということで落ち着いたんですが、今ではすっかりその「サブサイト」のほうがメインになっています。
振り返ればあれが、成仏不動産が単なるアイデア止まりでなく、きちんとした「ビジネス」として動き始めた瞬間だったと思います。津島さんから買取再販の提案をしてもらっていなかったら、今の成仏不動産、そしてマークスライフは無かったかもしれません。(笑)

「情報の源を取りに行く」ことで、事業が急速に拡大

unlock(津島):


自社物件としてお取り扱いを始めて、手応えはいかがでしたか?

花原さま:

「事故物件を売りたいという人が、こんなにいたのか!」と驚くくらい、反応は大きかったです。そこからはまさに快進撃でした。
買取を始めて3年ほど経ちますが、ポータルサイトだけをやっていたときは、成仏不動産事業としての年間売上が1000万程度だったのが、現状は6億8000万円。そこから派生した事業も拡大しているので、会社全体では年間売上が5億5000万円から22億円にアップと、急速な成長を遂げることができました。
それができたのは、ただ不動産屋として事故物件を扱うだけでなく、遺品整理や特殊清掃サービスの事業者、さらには葬儀社とも提携して、事故物件周辺の「トータルソリューション」を提供してきたからです。
それも津島さんから、「ただ不動産を売り買いするだけでなく、その周辺のサービスもしっかりと押さえたほうがいい」とアドバイスをいただいたのがきっかけです。

unlock(津島):


情報を早く手に入れるには、その情報の「源」を押さえることが大事なんですよね。
住人の方が亡くなってそこが「事故物件」になったときに、早い段階でその場所に行って情報を得るのは誰かと考えたら、それは葬儀社であり、遺品整理や特殊清掃サービスの事業者だろうと。
以前、葬儀社が一番力を入れて営業するのは病院だという話を聞いたことがあったので、それと同じ発想です。

花原さま:

確かにそうです。遺品整理や特殊清掃の業者と提携すると、そこから事故物件に関する情報が次々に入ってくることが分かりました。そこから業務提携を積極的に進めていって、現在では葬儀社含め、300社以上と提携しています。今では、さばききれないほどの情報がどんどん入ってくるという感じですね。
おそらく今、葬儀業界の中で成仏不動産の名前を知らない人はほとんどいないんじゃないでしょうか。現状で、国内で葬儀をする人の約8%に何らかのサービスを提供させていただいているという計算になります。今後もさらに伸びていく見込みです。

unlock(津島):


それはすごいですね。

花原さま:

この知名度を生かして、さらに別の事業を展開していくことも考えていますが、その原点は津島さんのアドバイスなんですよ。
成仏不動産の後もいろいろな新規事業のアイデアについて相談させていただいたんですが、津島さんはとにかく知識量が豊富で、たくさんの成功例や失敗例を見ていらっしゃるんだなと感じました。

unlock(津島):


恐れ入ります。私は不動産業界について、むしろ全くの素人だったのですが、これまでの経験を通じて、業種を問わずいろんなビジネス構造を見てきたことが大きいのかもしれません。それを元に、「これをこの業種に当てはめたらどうだろう?」と類推しているような感じです。

有馬さま:

成仏不動産の事業を直接ご支援いただいただけではなく、津島さんには「情報の源を取りに行く」ということをはじめ、事業の考え方そのものを教えていただいたような気がしています。
「こういうアイデアはどうでしょう」と津島さんにご相談すると、「ここはどうなんですか?」「ここは大丈夫ですか?」と、いろんな角度からどんどん反応が返ってくるんですよね。テニスの壁打ちをしている感覚で、頭がすっきりと整理されてくるんです。


花原さま:

こちらから相談や質問をしたことについて、津島さんの回答には曖昧なところが無くて、いつも明確なのも心強かったです。でも、最後の判断は絶対押しつけず、こちらに委ねてくださるんですよね。
今後も、新しいことをやるときにはぜひご相談させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

unlock(津島):


はい、こちらこそ全力で支援させていただきます。
本日はありがとうございました。



マークスライフ様取材記事

撮影日:2023年11月10日
撮影:市来 朋久