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2024.6.28
新規事業企画書の項目とは?通る企画書の内容を解説
新規事業

新規事業の企画書は、単なる書類作成ではなく、事業構想を具体化・精緻化する重要な書類です。しかし、多くの企画書が読み手に理解されず、評価されないまま終わっているのが現状です。

そこで今回は、新規事業企画書の項目や作成までの流れなどについて解説します。

新規事業企画書とは

新規事業企画書とは、新しい事業を立ち上げる際に、事業の目的、戦略、収支計画、リスク分析などを詳細に記述した文書です。新規事業企画書は、事業の全体像を明確にし、具体的な計画を示すことで、投資家や関係者に事業の実現可能性と経済的な健全性を伝える重要な役割を果たします。また、収支計画や市場分析を含むことで、資金調達や支援を受けやすくし、事業の成功を高めるための指針となります。

新規事業企画書の項目

新規事業企画書には、具体的な行動計画が不可欠です。ここからは、新規事業企画書に必要な項目を7つ紹介します。新規事業企画書の書き方を詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

通る新規事業企画書の書き方とは?通過率が劇的に改善するチェックリストも紹介!

解決すべき課題

解決したい課題を明示することは、起案する新規事業の必要性を主張する上で必要不可欠です。なぜその事業に取り組む必要があるのか、なぜ取り組みたいのか、なぜ自社が取り組むべきなのか、現在と将来的な市場規模や需要の見通しを十分に情報収集して把握し、対応する解決策や価値提供を設計します。自社が取り組むべき理由は、自社の技術、顧客、取引先などアセットの活用が可能であったり、自社が中期経営計画などに明示している方向性と一致しているなど、事業に取り組む妥当性を示しましょう。

課題に対する解決策

新規事業企画書では、事業のコアとなるサービスや製品といった課題に対する解決策を明確に定義します。ここで重要なことは、解決策の全体像を「わかりやすく明示する」という点です。課題をどのように解決するか、解決できるとどのような成長や価値を得ることができるのかを明示します。新規事業の成功確立は高いとは言えない中、社内で新規事業を推進するための承認を取り付けるには、例えば該当領域に詳しくない経営層が課題と解決策をても理解でき、「自社がやるべき」「やってみよう」「できそう」という気持ちにさせて、社内外の多くの人を巻き込んでいくことで成功確率があがります。事業内容を明確にすることで、市場での競争力を高め、顧客のニーズに応える優れた製品やサービスを提供しましょう。

マネタイズ方法と収支計画

企画を新規事業として成り立たせるには、確実に収益を得る必要があります。マネタイズ方法は、できるだけ幅広く検討しましょう。適切なタイミングと手段によりチャネルに合ったマネタイズ方法を適用することが効果的です。収支計画は、収入と支出の予測を具体的に示し、事業が持続可能であるかどうかを判断する重要な指標となります。投資家やステークホルダーに対して、事業がどれだけの収益を見込めるか、どの程度の資金が必要か、どのようなコストが発生するかを明確に伝えることで、資金調達や支援を受けやすくします。また、計画通りに進行しているかを評価し、必要な修正を行うための基準にもなります。

ターゲット顧客

まずはどのような顧客層に価値を提供するのかを明確にしましょう。ターゲット顧客を明確にするためには、市場調査や顧客インタビューなどの手法が有効です。ターゲット顧客を正確に特定することで、効果的なマーケティング戦略を展開し、事業の成長を促進します。市場調査について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

新規事業における市場調査の方法とは?必要となるステップごとにリサーチ手法を徹底解説

先行プレイヤー

新規事業企画書には、事業案と同様又は近い事業を展開している国内外の先行プレイヤーを調査することが不可欠です。先行プレイヤーを調査することで、業界の方向性や自社の差別化ポイントを明確にすることが可能となります。専門性が高い領域の場合は、該当領域に詳しい専門家にヒアリングを行うことで、効率良く情報収集が可能になります。またまだ世の中に市場が形成されていないような新領域を検討する際には、領域が近いベンチャー企業のCEOや研究者などにヒアリングを行うことも効果的です。

ビジョン

ビジョンは、事業が描く理想的な未来像を示します。ビジョンは、単なる言葉の羅列ではなく、共有された理念や目標を具体的かつ鮮明に表現したものです。ビジョンは企業文化の中核となり、社員やステークホルダーが共感し、共有することで、組織全体が一体となって目指す方向を明確化します。例えば、「世界中の人々に健康的な食事を提供する」というようなビジョンは、企業の存在意義を示し、行動の指針となります。

KPIとKGI

ビジョンを実現するためには、具体的な数値目標が必要です。PoC*では、検証目的、検証項目、KPIを設定し、長期的なビジョンの達成度を定量的に評価する指標としてKGIを設定します。一例として、売上目標、市場シェア、顧客満足度などがあります。これらの数値目標は明確で測定可能なものでなければなりません。「5年後に売上高を年間100億円にする」といった具体的なKGIは、ビジョンを達成するための具体的な目標となります。

*PoC:Proof of Concept コンセプトの実証実験

*KGI:Key Goal Indicator 最終的なゴール指標

*KPI:Key Performance Indicator 中間的な目標指標

新規事業企画書作成の流れ

新規事業の企画書を作成する際には、着実に進めるための流れがあります。事業の方向性を明確化する重要なプロセスです。主要なステップには事業コンセプトの明確化、事業概要の明確化、事業ビジョンの明確化、収支計画の策定、企画書のまとめが含まれます。

当社では、新規事業企画を実際に作り上げる理論+実践型研修を提供しています。新規事業企画書の作成にお悩みの方は、当社の研修をご検討ください。

アカデミア

新規事業コンセプトを明確にする

事業コンセプトの明確化は、事業の根幹となるアイデアやコンセプトを明確にするプロセスです。新規事業コンセプトには、市場のニーズや競合状況の分析、自社の強みや特徴の把握などが含まれます。事業コンセプトの明確化を通じて、事業の方向性や目標を明確にし、成功への道筋を示します。

新規事業概要を明確にする

事業概要の明確化は、事業の概要や特徴を具体的に示すプロセスです。新規事業概要には、事業のサービスや製品の特徴、ターゲット市場や顧客層、マネタイズ方法、競合状況などが含まれます。事業概要の明確化を通じて、事業のポジショニングや差別化戦略を明確にし、市場での競争力を高めます。

新規事業ビジョンを明確にする

事業ビジョンの明確化は、事業の長期的な目標や理想的な未来像を示すプロセスです。これにはビジョンステートメントの策定、企業文化や価値観の明確化などが含まれます。事業ビジョンの明確化を通じて、組織全体が共有する目標や方向性を明確にし、組織の一体感を高めます。

収支計画の策定

収支計画の策定は、事業の収支状況や利益計画を具体的に示すプロセスです。収支計画には、売上計画、費用計画、利益計画、資金調達計画が含まれます。適切な収支計画を立てることで、事業の成長や安定性を確保できます。

PoC計画の策定

事業案が市場のニーズにマッチしているか仮説を検証するプロセスです。製品であれば、いきなり量産するのではなく、プロトタイプ(試作品)制作や実証実験とは違い、実際の製造やリリース前にまずはコンセプトが市場にどの程度受け入れられそうか、協業候補や想定顧客を巻き込んで検証します。

まとめ

今回は、新規事業企画書の項目や作成までの流れなどについて解説しました。新規事業企画書は、事業の目的、戦略、収支計画を明示し、投資家や関係者に対する説得材料となります。これにより、資金調達や支援を得やすくし、事業の実現可能性と成功を高めます。事業の長期目標を踏まえた企画書を作成し、新規事業の立ち上げを成功させましょう。

問い合わせ先


【代表取締役】
津島 越朗
【設立】
2016年 10月21日
【本社所在地】
東京都渋谷区恵比寿3丁目9番25号 日仏会館5階
【事業内容】
新規事業立上げの支援・コンサルティング
【公式サイト】
https://unlk.jp/