マネタイズモデルとは、事業を通じてどのように収益を得るのかを定義したものです。新規事業開発において、マネタイズモデルは事業の成功を左右する重要な要素のひとつとされています。しかし、具体的なイメージが湧きにくいという声も少なくありません。
本記事では、マネタイズモデルの重要性や検討方法を紹介します。
目次
マネタイズモデルとは、企業がどのように収益を得るかを示すものです。
サービスや商品の提供に対してどのように料金を徴収するかを定義します。マネタイズモデルを考案することで、企業は持続可能な収益基盤を構築し、事業の成長と成功を支えられます。
また、効果的なマネタイズモデルを選定することで、競争力を高め、収益を最大化できるでしょう。
ビジネスモデルとは、企業がどのように価値を創造し、提供し、収益を得るのかを包括的に描いたものです。顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客関係、収益の流れ、主要リソース、主要活動、主要パートナー、コスト構造が含まれます。
マネタイズモデルはビジネスモデルの収益化の部分に特化していますが、ビジネスモデルはビジネス全体を示しています。
ビジネスモデルを理解することで、適切なマネタイズモデルを選択できるでしょう。
ビジネスモデルについて詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。
マネタイズモデルは、新規事業においてどのような役割を果たすのでしょうか。ここからは、マネタイズモデルが重要な理由を3つ紹介します。
収益性の確保は、事業の存続と成長に直結する最も基本的な要素です。
新規事業において、収益を上げ続けなければ、いかに優れた製品やサービスを提供していても事業は継続できません。適切なマネタイズモデルを選択することは、収益性を確保し、事業を持続可能なものとします。これにより、企業はリソースを効果的に配分し、事業を効率的に成長させる戦略的投資が実現できるでしょう。
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マネタイズモデルは、事業の目標を達成させるために欠かせません。
具体的には、社会課題の解決を目指す事業では、収益を得ることと同時に、顧客に価値を提供し続けることが求められます。顧客に価値を提供し続けるためには、収益を最大化しつつ、事業の根本的な目標と矛盾しないマネタイズモデルを選択することが重要です。
適切なマネタイズモデルを選定することで、事業目標の達成と収益性の確保を両立させられます。
適切なマネタイズモデルを選択することは、長期的な成功に直結します。
一例として、サブスクリプションモデルを採用することで、企業は安定した収益を確保しやすくなります。
また、広告モデルを採用する場合と、収益の多様化を図ることが可能です。
これにより、企業は市場の変動や顧客ニーズの変化に柔軟に対応できるようになります。長期的な視点でマネタイズモデルを選定することは、持続可能な成長を実現するために欠かせません。
より一層持続可能な成長を目指すために、以下の記事を通じて、十分なリスクヘッジを目指しましょう。
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マネタイズモデルは細かく分類すると多くの種類があります。ここからは、代表的な8種類のマネタイズモデルを紹介します。
利用者課金モデルとは、サービスや商品の価値やメリットを得る人がお金を払うというモデルです。極めてシンプルで原始的なモデルと言えるでしょう。
一例として、コーヒーを飲みたい人がお金を出してコーヒーを買う。3Dプリンターを買いたい企業が3Dプリンターを買うなどがあります。
利用者無料モデルとは、サービスや商品の価値やメリットを得る人がお金を払わず、第三者がお金を払うことで成立するモデルです。
一例として、コミュニケーションアプリのLINEは、メッセージやスタンプを送り合う一般ユーザーは無料ですが、企業の広告などから収益を得ています。
また、リクルートが提供する就活サイトのリクナビも利用者無料モデルで、NTTのタウンページも同様のモデルを採用していました。
利用者無料モデルは非常に革新的ですが、以前からあるモデルで、広告収益が大半を占めています。
販売モデルとは、最も伝統的で一般的なモデルです。企業は商品やサービスを直接顧客に販売し、その対価として収益を得ます。
書籍の販売やソフトウェアのライセンス提供、コンサルティングサービスの提供などが典型的な事例です。
販売モデルは、収益が即座に得られます。その一方で、販売量に依存するため、安定した収益を確保するためには常に新たな顧客を獲得し続けなければなりません。
手数料モデルとは、取引やサービスの提供に対して手数料を徴収するモデルです。
オンラインマーケットプレイスのAmazonや不動産仲介サービスのRealtor、旅行代理店のExpediaがこのモデルを採用しています。
手数料モデルは、取引が発生する度に収益を得られるだけでなく、プラットフォームを提供することで、多くの取引を集めやすく、収益の規模を拡大しやすくなります。
利息モデルとは、企業が資金を貸し出し、その対価として利息を受け取るモデルです。
銀行の融資サービスや消費者金融の貸金サービスが該当します。
利息モデルは、貸し出した資金が返済されるまで継続的に収益を得られます。その一方で、貸し倒れリスクも伴うため、適切なリスク管理が必要です。
広告モデルとは、広告スペースを販売し、その収益を得るモデルです。
一例として、Googleは検索エンジンの利用者に広告を表示し、そのクリックや表示回数に応じて収益を得ることなどがあります。
広告モデルは、広告主が支払う料金によって収益が増加します。広告効果を高めるためのターゲティング技術の発展により、広告モデルはさらに多様化しています。
投資モデルとは、企業が株式や不動産などの資産に投資し、その配当や売却益を得るモデルです。
投資信託やベンチャーキャピタルが採用しています。
投資モデルは、資産価値が上昇することで大きな収益を得られます。その一方で、投資リスクも高いため、慎重な分析と戦略が必要です。
補助金・助成金モデルとは、国や自治体から補助金や助成金を受け取り、その収益を得るモデルです。
一例として、政府からの補助金を受け取ることで、医療機関や介護事業所がサービスの提供を継続することなどがあります。
補助金・助成金モデルは、外部資金によって事業運営が安定します。その一方で、申請手続きや規制遵守が必要であり、取得できる資金に限りがあることも考慮しなければなりません。
ここからは、マネタイズモデルの成功事例と失敗事例を2つずつ紹介します。
Netflixは、初期のDVDレンタルからストリーミングサービスへと移行し、サブスクリプションモデルを採用することで大成功を収めました。
顧客のニーズに迅速に対応し、デジタル技術を活用することで、継続的な収益を確保しています。この成功の要因は、柔軟なモデルの変更と顧客データの活用にあります。
音楽配信サービスのSpotifyはフリーミアムモデルを採用し、基本サービスを無料で提供しながら、広告収入を得ています。また、有料会員には広告なしのプレミアムサービスを提供することで、安定した収益を確保しています。Spotifyのマネタイズモデルは、利用者の幅広いニーズに対応しつつ、収益を最大化させました。
このように、事業の特性に応じたマネタイズモデルを選択することが、成功への鍵となります。
Quibiは、短編動画に特化したストリーミングサービスとして大きな注目を集めました。
しかし、需要予測の誤りと競合との差別化に失敗し、短期間でサービスを終了しました。
この失敗から学べるのは、市場ニーズの正確な把握と柔軟な戦略調整の重要性です。
MySpaceは、かつては人気のあったソーシャルネットワーキングサイトでした。
しかし、収益化のモデルを見誤り、Facebookに取って代わられました。
MySpaceの失敗は、競争環境の変化に迅速に対応できなかったことが主な原因です。
時代の変化に伴いマネタイズモデルのトレンドも変化しています。ここからは、将来想定されるマネタイズモデルの変化を4つ紹介します。
デジタル化の進展に伴い、マネタイズモデルも進化を遂げました。
とくに、デジタルプラットフォームやアプリケーションの普及により、従来の販売モデルからサブスクリプションモデルやフリーミアムモデルへの移行が加速しています。デジタル化は、企業にとって新たな収益源を開拓する機会を提供しています。
その一方で、企業は迅速変化への対応力が求められるようになりました。
一例として、デジタル広告やデータ収集に基づくパーソナライズされたマーケティングが、新たなマネタイズの手段として注目されています。
NetflixやSpotifyの成功により、月額定額制のサブスクリプションモデルが急速に普及しています。
サブスクリプションモデルは、安定した収益を確保し、顧客との継続的な関係を築くのに非常に効果的です。サブスクリプションモデルの台頭は、企業が顧客のライフタイムバリューを最大化するための重要な戦略となっています。今後も、このモデルはさらなる進化を遂げ、より多様なサービス分野に広がっていくでしょう。
現代のビジネス環境では、サステナビリティとエシカルなマネタイズがトレンドとなっています。
消費者は、環境や社会に配慮した企業を支持する傾向が強まりつつあります。これに対応して、企業はエシカルなマネタイズモデルを採用することで、顧客からの信頼と支持を獲得しなければなりません。
サステナビリティとエシカルマネタイズなマネタイズにともない、B Corp認証を取得する企業が増えています。そして、持続可能な製品やサービスを提供することが競争優位性を高める要素となっています。
グローバル市場への展開においても、マネタイズモデルの適用は重要です。
異なる市場環境や文化に対応するために、地域ごとに異なるモデルを採用することが求められます。
一例として、アジア市場では、マイクロトランザクションやフリーミアムモデルが成功しました。
その一方で、欧米市場ではサブスクリプションモデルが主流となっています。
グローバル展開における成功の鍵は、各市場の特性を理解し、それに応じた柔軟な戦略の策定です。
今回は、新規事業におけるマネタイズモデルの種類と重要性や検討方法を紹介しました。
新規事業におけるマネタイズは、収益性を確保し、事業の持続可能性を高めるために欠かせません。本記事を通じて新規事業にマッチしたマネタイズモデルを採用し、効果的な事業運営を目指しましょう。

