新規事業の立ち上げでは、アイデア出しや市場調査だけでなく、事業や製品・サービスの評価も重要です。
しかし、どのような評価基準で事業や製品・サービスを評価すればいいかわからないという方も少なくないでしょう。
そのような方には、フレームがおすすめです。
本コラムでは、ビジネスコンテストでも使える実践的なフレームを紹介します。
目次
新規事業の企画やビジネスコンテストでは、「どのアイデアを選ぶべきか?」という問いが常につきまといます。
その判断材料となるのが“評価基準”です。
しかし、「みんなが良いと思うアイデア」が「実際に成功するアイデア」とは限りません。むしろ、既存の価値観では評価されにくいがゆえに、のちに大きく化けるアイデアも数多く存在します。
評価されやすさと成功可能性は、必ずしも一致しないという前提に立つことが、新規事業における評価設計では欠かせません。
そのため、評価されにくいけれど本質的に優れたアイデアを見落とさないためにも、会社として何を評価軸として重視するのかを明確に定める必要があります。
unlockでは、評価基準の設計において以下の前提を大切にしています。
・評価項目や重み付けは事業フェーズによって変えるべき
・初期段階(エントリー時)は、課題の着眼点を重視すべき(課題は変えられないが、解決策は後から変えられる)
・最終審査では、自社事業とのシナジーやアセット活用の精度など、実行可能性や自社ならではの優位性を評価すべき
このように、フェーズごとに異なる着眼点で評価項目を設計することが、新規事業の成功率を高めるカギになります。
評価基準設計をはじめ、新規事業立ち上げに必要な知識を習得したい方は、unlockのアカデミアをご利用ください。
評価基準という物差しがない、あるいは不明確である場合、以下のような問題が発生します。
ビジネスコンテストにおける問題へのアプローチ方法について知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
ビジネスコンテストは、審査員ごとに評価の観点や重視するポイントが異なります。
また、新規事業においても、評価基準がない・曖昧な状態だと、チームとしてのまとまりがなくなります。
結果として、選定理由に納得感がなくなり、「なぜこのアイデアが通ったのか/落ちたのか」が不透明になりかねません。
革新的で長期的な可能性を秘めたアイデアでも、現時点での完成度や収益性だけを基準にすると評価されにくくなります。
それにより、将来性あるアイデアを見落としてしまい、事業化のチャンスを逃します。
納得感を欠く評価は、起案者のモチベーションを削ぎ、社内に「やっても無駄」という空気を生みます。
また、意思決定の基準が曖昧なため、主体的な行動を欠きやすくなります。
結果的に、新規事業への挑戦が文化として根付かなくなるでしょう。


評価基準を設計する際には、以下のような観点を押さえることが重要です。
評価基準設計の基本フレーム以外でビジネスコンテストを成功させるポイントを知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
新規事業ビジネスコンテスト運営で失敗しないために~はじめての事務局向けマニュアル~
新規事業は、既存事業の延長線とは異なる評価観点が必要です。
unlockでは以下の軸を基本としつつ、各社の方針や戦略に応じてカスタマイズしています。
・実現可能性:技術的/リソース的に実現可能か
・課題の明確さ:誰の、どんなニーズに応えているのか
・アセットの活用:自社にしかない強み・資産を活かせているか
・革新性:既存の市場や競合とどれだけ差別化できているか
スコアを数値化するだけでは、アイデアの本質は測れません。
「なぜその課題に着目したのか」「なぜこの解決方法なのか」といった、ストーリーや仮説の筋も定性的に評価しましょう。
また、あくまで数値は議論のベースであり、納得感を支える補助的な役割だと捉えましょう。
評価基準設計で最も重要なのは、フェーズごとに評価軸の比重を変えるという考え方です。
具体的には、以下のようなフェーズで評価項目を設計してください。
・初期フェーズ(エントリー時):
→課題選定の良さ、社会的背景との接続、着眼点の鋭さ
※解決策は後から変更可能なので、アイデアの“起点”が重要
・中間フェーズ(PoC段階):
→実行力、仮説検証のスピードと深さ、顧客反応の定量的な裏付け
・最終フェーズ(役員審査など):
→事業のインパクト、社内アセットとの連動、収益構造の見通し
評価の軸を「フェーズごとの意思決定の質」に合わせて変えることで、単なるアイデア選定ではなく、事業化の精度そのものを高められます。
評価基準は、社内外のビジネスコンテストにおいて以下のような形で機能します。
・審査のブレを防ぎ、共通言語として機能する:
外部審査員や別部門の幹部が加わっても、事前に共有された評価基準があることで審査が安定し、混乱を防げます。
・納得感と挑戦意欲を生む:
起案者にとって「何を見られているか」が明確になることで、挑戦しやすくなり、組織に挑戦が根付く文化が生まれます。
・社内での説得材料になる:
選定理由が評価項目に即して説明できることで、上層部や他部署の理解・協力を得やすくなり、社内で事業を前に進める推進力となります。
ビジネスコンテストから新規事業の立ち上げを目指す方は、こちらのコラムをご覧ください。
ある製造業では、毎年行っていたビジネスコンテストにおいて、unlockと共同でスコアリングシートを再設計しました。
また、「課題の本質性」や「自社技術との接続」などの定性項目を評価項目として追加しました。
結果として、選ばれるアイデアの質が向上しました。
また、事業化率も約2倍に伸びています。
そんなアイデアを引き出すための独自アプローチが気になる方は、unclockのアイデアプランニングをご利用ください。
今回は、ビジネスコンテストでも使える実践的なフレームを紹介しました。
「何を評価するか」は「何を良しとする会社か」を決めることでもあります。
つまり、評価基準の設計は、未来の会社像を設計する行為でもあります。
また、評価の精度を高めることで、新規事業の成功確率を高めるだけでなく、会社全体の意思決定の質の底上げも期待できるでしょう。
ビジネスコンテストだけでなく、あらゆる新規事業創出の現場で活用できる汎用的な武器として、今こそ「評価基準の設計」に向き合ってみてください!

