※本コラムは2025年5月21日に開催した株式会社unlockのビジネスセミナーを、3回に分けて書き下ろしたオリジナルコンテンツ(初回)です。


【登壇者紹介】
津島 越朗(代表取締役)
2005年 株式会社リクルート入社(人材事業営業部)
2008年 同上(インターネットマーケティング局、マーケティング・新規事業企画)
2013年 株式会社DeNAライフサイエンス(東大医科所と遺伝子検査の立ち上げサービス&マーケ責任者)
2014年 株式会社DeNAロケーションズ 代表取締役社長(海外テクノロジーベンチャーとのJV)
2016年 株式会社unlock設立
本日はご参加いただきありがとうございます、unlock代表の津島です。私はリクルートやDeNAにて新規事業の企画、起案を行って、それを社内で通して、サービスを作り、売って黒字化するということをやってきております。本日はもう1名、弊社のコンサルタントである熊田も参加させていただき、途中で少しお話できればと思っております。
早速セミナー本編に入ります。まずは表題、副題にあった「新規事業企画がよく通る人が実践している」とは何を根拠に言っているのか。これは僭越ながら、我々です。
どういった意味で「通る」と言うのかをご説明します。我々はお客様へ新規事業アイデアをご提供するというサービスをやっております。これは私が、いわゆるコンサルティング業というものを知らずに事業会社からフリーランスで独立してunlockを始めたのですが、この時にお客様から「津島君、アドバイスもいいけど、うちに事業アイデアを提案してよ」と言われて、「わかりました」と言ってやり始めて、それがご好評いただき、伸びたものもあって、サービス化したのが「アイデアプランニング」というサービスです。画面はその集計実績になります。弊社がご提案したアイデアのうち、お客様の新規事業検討チームや新規事業開発室の皆様に1案でも採用になったパーセンテージです。そして画面のこちらは、事業案として正式採用された人と予算と組織で、これが正式に承認された率になります。
手前味噌ながら、このようにしてアイデアをご採用いただくのを我々は得意としております。それを一体どうやっているのかを、本日は端的にお話ししたいと思います。
我々は新規事業を支援させていただく中で、お客様に「ちょっともったいないな」と感じることがあります。「アイデアが無い」と仰るお客様は半分ぐらいいらっしゃるのですが、よくよく伺ってみると、「アイデアが無い」とはいえ、「なんとなく思いついたレベルの案」は大体お持ちなのです。
その中にはよくあるアイデアも確かに含まれますが、「おお、これは面白い!」というものもあります。画面は実際にお客様からお聞きした例です。こういったものを我々はお聞きするのですが、「その後どうされましたか?」と尋ねると、「いや別に、なんかただ思いついただけです」というのが大半です。これをお聞きしたときに、「もったいない」と思いました。
なぜかというと、これらすべて「調査をすること」で進められるからです。どういうことかと申しますと、皆さんが、その第一歩となる調査をあまりにもやっていない、ということです。1年前にこのセミナーを企画した時と大きく状況が変わっているのが、生成AIです。その時よりさらにAIは身近になり、より精度もスピードも上がっており、使わない手はありません。
AIは普及してはいるのですが、活用度合いはまだまだな印象なの、あえてこのお話をしております。極端に言えば、新規事業がなかなか生まれないという企業は、単に調査をしてないだけ、と言えるかもしれません。それぐらいに我々は感じております。
なぜなら、ちょっと調べてみて「これいけそうかも?」と思える情報がもし手に入ったら、皆さんどうでしょうか? 部分的な情報だったとしても、個人的な体験でいうと、ちょっと気持ちが高まってくるのです。「これは行けそう!」と、モードが変わってきますよね。こういった情報がちょっとでも入れば、モードが変わり、行動が変わり、どんどん進むようになる可能性があります。ただし、社内組織の問題等の要素は除きます。
こういう情報が集まって、一定以上の実現性がありそうだと思えば進むはずなので、アイデアを思いついただけで調査をしてないのは、非常にもったいない。そう感じたのが今日のセミナーを起案した背景です。このような意味で、新規事業は「とにかく調査」なのです。
では具体的にどうやるのか?
「行けそう」と思ったら進む、モードが変わる、と先程申し上げました。モードが変わるとは、具体的にどうなったらいけそうと思えるのか、その「行けそう!」な要素を分解してみました。
画面の通り、概ねこういった要素かと思います。先に同じことをやっているところがないか、自分はいいと思ってもそもそも世の中に需要はあるの、今は良くても今後も伸びるのか、そもそも作れる・できるのか、だいたいこの4つになるのではないでしょうか。これら全部に対して2重丸という場合が一番望ましいのですが、仮に部分的だったとしても良い材料が見つかれば、我々の経験上、かなりモードが変わります。「行けそう!」モードになるのです。その後に進めていって壁にぶち当たるときもあるのですが、まずはちょっと調べてみて材料を収集するというのは、常に重要です。
画面は本日のテーマです。「行けそう」な要素の分解でそれぞれ調査すると、どんな名前になるのか。正式名称は特にありませんが、ここで挙げている4つの調査は、一般名称に近い形で我々が呼んでいるものです。
最初は①先行プレイヤー調査、そして②需要調査、③市場規模調査、④実現性調査です。こういった調査はちょっとでも聞いたことがあるかもしれませんが、こういった調査を行うことで「いけそう」というのが見えてきます。
では、それぞれの調査をどうやるのか。これを全部やるのは人手不足の企業様が多い中でなかなか大変だと思います。なので、今日はあえて1個に絞りました。最もおすすめで、最初にやるべき調査は何か?
これは、絶対に「先行プレイヤー調査」です。この先行プレイヤー調査をぜひやってみてください、というのが本日の最大のポイントの1つになります。


この先行プレイヤー調査は情報が見つかりやすく、サービスを提供する供給側と需要側の両方を知ることができる、最も基本の調査です。真っ先に行うことをお勧めします。今回は時間の関係上、ゼロイチの部分のみをご紹介させてください。全てをお話ししても、皆さんなかなか消化しきれないところもあるかと思いますので、一番の部分だけを持って帰っていただきたいです。
この先行プレイヤー調査がおすすめの理由は、皆様から「競合とか、既に先行して取り組んでいる先の情報はどうやって調べるのですか?」とよく聞かれるのですが、皆様がイメージされているよりも実は簡単です。
もちろん帝国データバンクのような有料のソースにアクセスしないと取れない情報も確かにあるのですが、それをやらなくても意外と簡単に情報を取れます。なぜかというと、先行プレイヤーも当然お客様を探して売っている、つまりホームページを出して、製品紹介を自分たちで積極的に行い、プレスリリースもしています。こちらが思うよりも非常に情報が見つかりやすいのです。これは皆様がご存知ない、意外なポイントでもあります。
さて、先行プレイヤー調査。そう名付けているのですが、どういう調査か詳しくご説明しましょう。
まず、この調査が立脚する前提として、「自分が思いついた良さそうな事業は、誰か他が既にやっている」、ちょっと皮肉ですがそのケースがやはり多いので、数字が良い事業ほど、だいたいそのパターンではないかと思います。
なので、他がやっているということに立脚した調査であるのが重要なポイントで、発生シーン、新しいアイデアを思いついた直後、それから目的、他がすでにやっているのか、勝てそうか、どのようにやっているのか、販売価格はいくらか売れているのか、これらを明らかにすることが目的です。
求められる結論としては、先行プレイヤーがいた場合、いけそう、勝てそうでも、なぜそう思うのか。先行プレーがいなかった場合、いなければいないで、実はこれもこれで頼りなくて、「需要が無いのでは?」というカウンターを受けるときもあります。なぜ、先行プレイヤーがいないのだろうかと。
そういった理由を明らかにすることが求められます。これが我々の言う、先行プレイヤー調査になります。


先行プレイヤーという言葉はちょっと聞き慣れないと思います。なぜ一般的な「競合調査」と言わないのかという話を少しさせてください。
我々があえて「先行プレイヤー調査」という言葉を使うのか、なぜ「競合調査」ではないのか。それは、競合を調査するだけでは不十分だからです。
言葉の定義の話で、競合というのは一般的に、自分たちと同じことをやっている相手を競合ということが多いです。例えば、今の自分のエリアで、新たにカジュアルフレンチのお店を展開しようと思ったとき、競合はどこかと言えば、既に同じエリアで営業しているカジュアルフレンチのお店の名前が真っ先に挙がると思います。
しかし、皆さんご存知のように、お腹が減ったというニーズを同じく満たすプレイヤーが他にいますよね。お客さんはイタリアンか焼き肉に行くかもしれません。同じエリアの外食店はある意味、準競合として存在しています。それから、同じエリアの「中食」だったとしても、デパートの総菜、コンビニ、ウーバーなども当然、同じニーズを満たす別の手段、代替手段と言えると思います。つまり、競合以外に同じ需要を満たす代替手段を含めて調査することです。これを先行プレイヤー調査と呼んでおり、あえて競合調査という言葉を採用しないのはそういった理由です。広く競合を捉え、広義の競合を先行プレイヤーとここではお呼びしております。


先程お伝えした、多くの人が一度は思いついたレベルであろう、なんとなく思いついたレベルの案。この中の1つ、「不動産×ドローン」を実際にお客様から実は受託いただき、我々が調査をいたしました。このアイデア自体も我々がご提供し、ここからさらに膨らませてご提供したのですが、実例をもとにどのように先行プレイヤー調査を進めていくべきなのかを、調査を担当した熊田よりお話をさせていただきます。
※続きはこちらからご確認ください。

