エスケーエレクトロニクス様

新領域を創り上げるためにチーム一丸となり取り組む企業の挑戦

エスケーエレクトロニクス様取材記事

<写真左から>
株式会社エスケーエレクトロニクス 新領域創造室長:中村さま、担当取締役:阿部さま
新領域創造室企画グループ:西谷さま、後藤さま、森山さま
プロジェクト概要と経緯:
株式会社エスケーエレクトロニクスさまはフラットパネルディスプレー用フォトマスクの製造販売を主な事業として展開されており、新分野としてRFIDとヘルスケア分野を育成中です。2022年9月より、unlockの営業支援サービスをご利用いただき、
2023年6月からは、unlockプライム(アイデアプランニング・リサーチ・壁打ち・アカデミアをライトに利用できるプラン)をご利用いただいております。

新規事業をお考えの背景

unlock(津島):


弊社サービスをいつもご利用いただきまして、本当にありがとうございます。御社からは新しい『お題』をいつも頂戴しているので、我々も自分たちが知らないことを知られる楽しさを感じています。
まずは、unlockへご依頼いただく際、どのように新規事業について考えていらっしゃるのかをお話いただけますか?

SKE(阿部さま):

当社の設立時(2001年)からの経営重要課題の1つとして、『新規事業を早期に立ち上げる』というテーマがあります。もう22年ほど経つのですが、利益を生み出す今のメインビジネスの『次の新しい柱』としてはまだ構築できていません。
フォトマスクビジネスというメイン事業自体は、設立前の時代から30年以上も経過しています。新しい産業のサイクルは長くて30年~ 40年ぐらいだと考えると、今こそ自分たちの会社を支えるビジネスの新たな柱を立ち上げないと、会社の継続的な成長が見込めないと考えて取り組んでいます。

unlock(津島):


その『次の新しい柱』の実現のため、我々unlockにどのような支援を期待されていますでしょうか?

SKE(阿部さま):

社内で新規事業を立ち上げる際のメンバーとしては、既存のフォトマスク事業からほぼ出てきています。つまり、フォトマスク以外の新ビジネスでの経験をほとんど持っていないメンバーばかりなのです。
なので、様々なビジネス経験を持っていらっしゃるunlockさんに非常に期待していますね。

unlock(津島):


ありがとうございます。御社での新規事業を、中長期的にはどのように進化させていきたいとお考えですか? 次年度または何年後かに成し遂げたいと思われること等をお聞かせ願えれば。

SKE(阿部さま):

先日の決算発表にて、当社で初めて中期経営計画を発表させていただきまして、新規事業では早期の黒字化を目指して頑張っています。
具体的な数値や目標は非公開ですが、2030年の新規事業の売上はさらに大きく伸ばすことを目指しています。


SKE(中村さま):

補足すると、1つに限らず複数の事業を新たに立ち上げたい、というのが長期の狙いです。

SKE(西谷さま):

我々が企画部門として努力する中で、1つでも2つでも(新規事業が)立ち上がった暁には、専門部隊として社員から新規事業案を募集するプログラムを運営できる体制でいたいですね。数年後はまだ難しいかもしれませんが、そういう運営体制を築ける会社にもなっていきたいな、と考えています。

SKE(中村さま):

そういう意味で、新規事業には常に継続的に取り組む、ということです。

SKE(阿部さま):

企画グループ自体がインキュベーションのような役割は、元々、弊社の前身の写真化学という印刷会社(1868年創業)にもあったのです。
印刷の技術を応用展開してとか、プロセスですね。そこからフォトマスク事業が立ち上がったりしているので、 色々なことをトライアンドエラーで、新しいことに常に挑戦していく会社だったのです。
そこのDNAをこのエスケーエレクトロニクスでも活かして、どんどん新しい事業を生み出すような会社にしていきたいな、と考えています。

感じている「難しさ」とは

unlock(津島):


新規事業を推進する中で、どのようなところに『難しさ』を感じますでしょうか?

SKE(阿部さま):

まずは新規事業での成功体験を持つメンバーがいないことの難しさですね。フォトマスクのビジネスではお客様の要望をできる限り、その通りに正確にやることが求められる性格なのです。
そこでいきなり「新しいことをやってみましょう」と投げられたとき、指示の無い中で、新しいものを生み出すところの難しさ。ゼロからモノを生み出す苦しみを体験していない人に対して、そこをテーマにしているので、もう出だしが一番難しい部分です。

SKE(西谷さま):

「お客様の要望をその通り正確にやること」を補足させていただくと、具体的には、お客様から(個別発注として)設計図をいただいて、それを我々が正確に、ご希望の納期通りに作り上げる、というビジネスモデルです。

unlock(津島):


ありがとうございます。では現時点で、「難しさを感じる」というところに対し、具体的にどのような取り組みをされていますか? 
例えば当社のような外部の、新規事業に詳しい会社を使うというのも1つの対策と言えますが、他に興味がある点はいかがでしょう?

SKE(西谷さま):

そうですね。我々企画グループが発足してから約1年ですが、自分達で調べている中で、unlockさんのようなサービスだったり、顧問を派遣してくれるようなサービスだったり、いろんな外部サービスを初めて知りましたので、その中から当社に合いそうなものを順次使わせていただいている形です。

unlock(津島):


以前は弊社の「営業DX(現ターゲットファインダー)」サービスをご利用いただいて、今は「unlockプライム」というサービスで主にリサーチ案件でご利用いただいていますが、こちらをお使いいただくに至った背景なども教えてくださいますか?

SKE(中村さま):

今年5月くらいに、津島社長と面談させていただいた時でしたよね。
我々の企画案件を検証する中で、非常に高額のコンサルティング契約より、もう少し手軽でレスポンス良く試せるものはないかとご相談したら、ちょうどぴったりの新サービスを検討されているというお返事で、すごくマッチしたんです。

unlock(津島):


はい、そうでしたね。ちょうど葵祭の時期でした。

SKE(中村さま):

提案いただいた『unlockプライム』は我々が望んでいる機能に対応していたので、じゃあ早速使ってみよう、と始めたのがきっかけですね。津島社長がコウノトリのような。(笑)

unlock(津島):


ありがとうございます。unlockプライムをご利用いただいて半年近くになりますが、現時点でのご感想はいかがでしょうか?

SKE(西谷さま):

我々には知識も経験もない中で、本当にさすがだなという感じです。ちょっと言葉は違っているかもしれませんが、マーケティングの専門家としての知見を借りて、すごく助かっていますね。自己調査では到達できなかった分野とか、地域もそうですし、切り口や考え方を提供していただいています。
また、我々はよく物事感覚で話すんですが、unlockさんは確実な数字に基づいた分析や考察をしていただいているので大変心強いですし、いずれは当社もそれを真似して自らできるようにしていきたいと思っています。

SKE(後藤さま):

私としては、国内の情報だけではなく、海外の情報も提供いただけたことでもすごく助かっています。やっぱり海外の情報は日本より先を行っていることも多いので、そういった情報が得られるっていうのは非常にありがたいです。

unlock(津島):


これまで海外の情報はいくつかご提供しましたが、その中で特に印象に残っているものはありましたでしょうか?

SKE(後藤さま):

ペット関係の案件でご依頼したとき、例えば「ペットケア」というアプリ。海外ではオンライン診断が主流でも、日本国内ではそういったものが無いとか、そういう情報はすごいなと思いましたね。

SKE(森山さま):

私は製造現場からこちらへ異動してきたのですが、要するに、人に見せる資料をあまり作らず、会議でぱっと分かるようなグラフとか、そういったものを並べるだけでした。
やはり情報収集して、それを人に伝える『技』といいますか、unlockさんに調査いただいた資料がものすごくわかりやすくまとめられていて、そこがとても参考になりました。
あと、私たちはインターネット上で調べることが多く、それをまとめて報告するのですが、本当に正しい情報かがわからない。それをunlockさんに調べていただくと、実際に他の方にもヒアリングしていただいたりして、確証をついた信憑性がすごくあるものを提出していただけるので、本当に助かります。
それを社内で報告して納得してもらえる。私が調べた資料ではなく、「外部調査でこんな内容が出てきました、 私の考えていることと同じことが出てきました」となるとすごく進めやすくて、本当にありがたく思っています。

unlock(津島):


こちらこそ本当にありがとうございます。当社のメンバーは皆もう泣きそうになっていると思います。
リサーチという意味ではあまり区分・区別を意識されていないかもしれませんが、unlockプライム以外の形でもリサーチをご発注いただいています。そのあたりの感想をぜひ教えてください。例えば、水に関する案件などはいかがでしょうか?

SKE(森山さま):

水関連の案件に関しては、依頼した内容がとてもニッチな部分だったと思うんですね。詳しいのは私だけで、私の知識をまずお伝えしてからという状態でのスタートでした。
そういったあたりをちゃんと理解いただいての調査資料になるかな?という不安はあったのですが、実際にはちゃんと理解していただいて、私たちが欲しい回答を想定して調査されているのをすごく感じました。
私たちの要望以上のことをunlockさんは考えられて、資料作成だけでなく関連イベントにもきっちり行かれて、そこの販売の方とお客様のご意見もヒアリングしてまとめていただいたので、最新の確実な情報をいただけたと思っています。

unlock(津島):


ありがとうございます。我々も「こうリサーチするぞ」と探す部分もあるんですが、実際にお題やテーマをいただくと、日常生活でそれが『集まって見える』ようになってきたりするんです。それは不思議な現象といいますか、ちょっとスピリチュアルなんですけれど(笑)、アンテナが反応するみたいなところもあります。
当初、水関連の調査設計でイベントに行く予定は無かったのですが、ちょうど良く開催される事を知って行くことになったんです。



unlockが選ばれた理由

unlock(津島):


先ほど伺った「新規事業の難しさ」で、外部サービスも含めてお探しになられたということでしたが、unlockを選んでいただいた理由を伺えますでしょうか?

SKE(西谷さま):

中村からの話と、営業DXを使わせていただいたところですね。ざっくりした言い方ですが、津島さんに直接お話を伺えたのが大きいです。
他の会社さんは「顧問を派遣しますよ」っていうところで、顧問リストや料金までの提示だったので、直接お会いして雰囲気も分かりましたし、しっかりお話を聞けたことが大きいと思っています。

SKE(阿部さま):

有名な大手とか証券会社のコンサルタント系って、やっぱりドーンっていう感じですよね(苦笑)。見積もりの時点でちょっと及び腰になるといいますか、成功報酬でもないですし。
そういった点ではunlockさんは入りやすい。優しいというか、やってみたくなるような良心的な提案の仕方で、弊社もお願いしたくなったんじゃないかなと思います。

unlock(津島):


恐れ入ります。私がリクルートやDeNAで新規事業を担当していた頃のやり方に近い部分もあるんです。当時は社内向けに『綺麗な資料』を作ると、逆に怒られました。
例えば、水関連のビジネスだからといって、そこをとにかく網羅的に調べれば良いわけではなくて、今回のテーマのど真ん中がどこなのか?と。これに近いやつを調べて、あとはもう全部いらない、と。
参考情報として幅広く調査することもありますが、いかにこの『的』を突くのかを重視してて、粗くてもそのスピードが重視されましたね。 大手の調査会社がきっちり作り上げて綺麗な冊子にするより、多少カジュアルなものだったとしても、中の情報が良ければそこできっちり価値を回収できるんじゃないかと。体裁はカジュアルで恐縮ですが、その分は利用しやすくさせていただいています。
もちろん我々もリサーチをガッツリやる時はやるんですけど、新規事業のように上手くいくかどうかわからない、やるかどうかもわからないものにあまり大きな投資はできないですよね。そういうポリシーを共感いただいて、サービスをご利用いただくに至ったのを大変ありがたく思っています。

SKE(中村さま):

他社のコンサルタントや伴走サービスでは、その分野の専門の方が担当されて「この業界はこうなんだよ、知り合いはこうなんだよ」って話になるんですよね。 先ほど津島さんも仰ったように、調査の段階では、顧客と我々のクライアントと同じ目線でその分野・案件をニュートラルに見て、そこからより興味を持ちながら調査を進めていかれるという点が、まさしく我々の望むことに近いです。
専門家だと自分の経験や知見を話されることが多いですが、それは我々が求めているものとちょっと違うんですよね。そのズレが大きな違いかなと思います。

unlock(津島):


それはありがたいお話です。実は我々も『知らないことの価値』を重視しています。
結果的に(その調査で)かなり詳しくなるのですが、『知っていることの弊害』が新規事業には存在します。知っているから、何が無理なのかもご存知なわけですよね。 『イノベーションは、よそ者、若者、バカ者によって生まれる』という言葉があります。その3者に共通するのは「わかってない」という通常ネガティブなことで、お客様に何かサービスを提供するときは「専門家です」という方が売りやすいんですが。
あえて、unlockはそういう形ではないというのをご理解いただけて、大変嬉しいです。新規事業は専門性がある一方で、unlockは専門性で売っていません。『そのやり方が無理な理由』を最初からは知らないんです。新規事業のビジネスにおいて、無知が大切だというのはなかなか理解いただきにくいことなんですけれども。

支援の中で印象に残ったこと

unlock(津島):


弊社がご支援させていただく中で、何か印象に残っていることやコメントなどがありましたら、ぜひお聞かせください。

SKE(中村さま):

我々の想定する以上のところの方からunlockさんは情報を聞いてこられるので、その繋がりや関連性をどうやって探してきたのかはすごく気になるところですね 我々だけではどこを調べたらいいかもわからないし、求めているものをその人に聞いたら返ってくるのかどうかすらわからないところをピンポイントで抑えられていて、ヒアリングにはまとめた内容と考察も入っていたので、すごいなぁといつも感心しています。

SKE(後藤さま):

私は、業界の既存プレイヤーに関する情報を、あんな短時間で調査して集められたことがすごいなと感じています。
自分がインターネットで調査して見つけ出せなかった部分もあり、その中から収益予想を出すことができたので、事業を進めるかどうかの判断もできました。はい、非常に助かっています。

SKE(中村さま):

当初はデスクトップリサーチによる調査と伺っておりましたが、実際には業界の方やそれを利用しているお客さんへのヒアリングもしていただいて、その声もしっかり反映されている部分があります。そして1つ目は今述べた通り、スピード感がすごいです。これはもう驚きですね。
それも、我々の抽象的な依頼内容はジャンルもバラバラなのに、その上に色々と、またポイントでポンポンと短時間で調べて行かれるスキルはすごいなと思っています。これはもう毎回で、調査レポートを見て驚いています。

SKE(阿部さま):

こんなにバラバラの調査テーマが出てくる会社さんって、あまりないですよね?(苦笑)

unlock(津島):


そうですね、特に社員さんから新規事業案を集める企業様の場合は本当にバラバラで、テーマ性が広くなる傾向があります。

SKE(阿部さま):

そういう会社さんと、ある程度テーマを絞った会社とだったら、(新規事業の)成功率はやっぱり違うのですか?

unlock(津島):


いえ、どっちの成功率が高いと一概には言えないですね。自社の事業ドメインにものすごく近いのは正攻法ではある一方で、そこでさらに億単位の新規事業を作るのは、実は『飛び地』だったりすることもあるんですよね。
SKEさんのテーマが広いのは、そんなに悪いことでは無いと思います。事業ドメインの選定においてすごく変わったことをしているのでは無く、むしろ健康状態としては非常によろしいのだと思います。

SKE(阿部さま):

事業を立ち上げる時って、企画立案する人、発信者みたいな人がいますよね。結局その言い出しっぺの人が1番情熱もありますし、最終的に事業責任者のようにもっていくのが事業を大きくするためにも良いんですか?
新しい事業を立ち上げる、あるいはどこかM&Aする時に、誰が責任を持ってやるのかというところですね。そこの部門、例えばここでなら私が責任を持ってやるというのが正しいのか、あるいはその一番情熱を持っている人に任せるべきなのか。この辺りはご経験上、どうなんでしょうか?

unlock(津島):


それは本当に大きな問題で、かなり見解が割れるところで、それぞれに事例があるんです。一概には言えませんが、どちらかを選べというならば、「情熱を持っている人」ですね。あまり綺麗事を言うつもりはありませんが、それは得難い資源なんですよ。
仕事ができる人・賢い人・上手にやる人は結構います。でも、その事業に対して強い情熱を持つ人って、作れるようで作れないし、居るようで居ないんですよね。
SKEさんの場合では技術の理解とか、量産化とか、現実問題としてそういういろんなフェーズが多いので、科学的、論理的に進んでいく部分もかなり多いですよね。
なので、燃えてる人に全て任せるのは、綺麗でも、難しい点はその辺でしょう。私の感覚的には、特にBtoBの製造業においては、その難しいところがより出やすいと思います。非常に難しいテーマですね。

SKE(阿部さま):

そうですね。どちらが正解ってわけでもないですし。

支援で得られた成果・発見

unlock(津島):


これまでの当社の支援によって、得られた成果や発見などはありましたでしょうか?

SKE(中村さま):

新しい社内アイデアについては、社内公募も含め、完成度にずいぶん差があります。それを我々社内で、競合企業や競合商品、対象市場の伸びなどを我々が満遍なく、最初から調べるのは非常に時間がかかります。
そこで時間を費やしたことで、案件自身の見切りがどんどん遅れてしまうことに対して、御社での調査はある程度想定されたことの中でぽんぽんと絞られて早いので、活用させていただいていますね。その対象の市場で早く情報が上がってきて、見切りをつけるのも早くできるな、と。
何回かunlockプライムも利用させていただいて感じたのは、社内リサーチとunlockさんへ依頼する場合をうまく使い分けることで、我々も迅速に案件の判断ができるな、と最近は感じています。

unlock(津島):


そうなんですか。ありがたいお話です。

SKE(西谷さま):

これまではプレ事業化リサーチ、つまり新規事業企画の見極めとしての市場調査を中心に御社へ依頼していました。案件が多数あって、それを1個ずつ我々で調べるキャパも無いので、順番にそれをお願いしている形だったのです。
そろそろある程度の的を絞って次のステップのお願いをしたいと思っていますが、「ポテンシャルがある」と判断した次に「何をしたら良いのか?」というところをよくわかっていなかったりします。事業全体もそうですが、まずその企画段階での進め方をどうすればいいのか?というところのご支援に期待しています。
まずはunlockプライムの中で試させてもらって、別でそのスピードやボリュームをもっと上げたいとなれば、別枠にてお願いしたいと思っています。

unlock(津島):


はい、承知いたしました。ありがとうございます。

SKE(中村さま):

逆に質問ですが、この新しいunlockプライムというサービスを提供されている他社さんの反応はいかがですか?

unlock(津島):


そうですね、これまで無かったサービスなのでちょっと驚かれつつ、お得感もありますし、とても喜んでいただいています。

SKE(中村さま):

じゃあ、弊社のように感じている、同様の感想をお持ちの企業さんもいらっしゃるのですね。

unlock(津島):


はい、SKEさんほど調査ネタをお持ちの会社さんは多くないので、調査をたくさんお申し込みになっている会社さんも多くはないのですが。
弊社の人気メニューを集めたのがunlockプライムなので、皆様に喜んでいただけています。

社内での進め方について

SKE(西谷さま):

それから正直、我々現場レベルとそれ以外のレベルで意識が違うところは感じますね。 新規事業に取り組む中、例えば初期アイデア段階で、いきなり、それで売れるのか?投資回収はいつ頃?といった指摘や質問を受けたりもします。我々もまだまだ勉強不足なこともあり、検討フェーズによって、評価が違うことを、なかなか理解してもらえないことがあります。 具体的な企画を上げてなくても、途中報告するので厳しい意見をいただくこともあり、そういった社内での進め方とかアドバイス、そういうご支援をぜひ参考にさせていただきたいです。

SKE(中村さま):

もしくは津島社長自ら、ちょっとでも役員会に出ていていただかないと、説得性は無いんじゃないかな。(笑)

unlock(津島):


私は未熟なのでそういうメカニズムをちゃんと理解せず、依頼を受けてその会社に出向いて役員さんの前で説明をしたんです。
そうしたら、「見たことないぐらいに役員が首を縦にふっていて、僕ら新規事業担当レベルが同じ話をしても絶対にあんなふうにはならない」と後で言っていただけました。我々unlockを上手く使っていただけるのは全然ありがたいんですけど。(笑)

SKE(中村さま):

冒頭に冗談で申し上げたんですが、津島さんに役員会に出ていただいたら、話変わるよね、と。(笑)

unlock(津島):


自覚してはいませんが、そういう効果もあるのはだんだんわかってきたので(笑)、適宜そのようなご協力の仕方もできればとは思っています。

SKE(中村さま):

現実的な収益とか回収とか、ちょっと完成度が低くて詰めきれてないというのがあって、それに1番欠けているのが「そうか、それやったらこういうことも可能になるな」という部分ですね。
判断する側は、我々のフレームを聞いて、「それだったら、こっちの方もできるんじゃない?こっちの展開もできるんじゃない?」って考えてもらえるような魅力があれば、もう少し変わってくるのかなという自己判定もあるんです。それがないから、審議のポイントがいわゆる『チェック』寄りに入ってしまう。

unlock(津島):


分かります。そこはなかなか難しいところだろうとは思います。
例えば、支援させていただいたお客様の事例なのですが、お客様が作成されたプレゼン資料を拝見すると、これでは多分社内で通らない、というのがわかるんです。
社外の人間が見てわからないのはあるにしても、「なんで次にこの話が来るのか?」とそのストーリーや繋がりが理解できないものが結構多い。そこにご自身たちだけでは気づかないというケースです。
なので我々unlockが「これだと多分伝わらないと思いますよ」とまずお伝えします。そして、ご自身たちとしては大したことないと思われていても、「これはものすごく大事です、もっと大きく書きましょう」みたいなこともアドバイスします。
評価者側からすれば、ここが気になるはずというポイントについても、取り扱いがかなり小さいときにはそれも指摘させていただきました。その事業単体の収益はもちろん重要なんですけども、自社がなぜここに参入して、どういう展開があるかという点ですね。差別化については当然触れられていても、会社戦略的にどういう意味があるのか、その貢献や収益、その領域に入っていくのはどういうことなのかまでを語らないと、通らないです。
unlockプライムの「シェルパ」サービスでも、プレゼン資料の添削といいますか、確認やアドバイスもさせていただくことも可能です。

SKE(中村さま):

ここは前回説明しているため分かってもらえているだろう、と端折ってしまうと、ストーリーがわかりづらいと指摘を受ける事は確かにありますね。

unlock(津島):


はい。ご自身ではそのあたり、なかなかわからないものは多いと思います。

SKE(中村さま):

「ここがやっぱり重要なので、ここはもっと大きく広げてここは伝えるべきですよ」っていうのは、やっている本人が気づかない、ということも当然ありますよね。

unlock(津島):


日本人の特性で、皆さん非常に謙虚でいらっしゃるので、資料に「良いこと」を小さく書いたりされるんですよ。(苦笑)
ご自身で分からないことも「客観的に、もっとちゃんとアピールしましょう」とお伝えしています。なんとか企画を通すための変なテクニックではなく、正当に価値を話すテクニックです。

SKE(中村さま):

まずはやっぱりストーリー性が1番大事ですね。
本当にunlockさんのおかげで非常に助かっておりますので、引き続きご支援のほどお願いしたいです。

unlockへの今後の要望

unlock(津島):


最後になりますが、今後に向けて「もっとこうだったらいいな」というご要望を、ご遠慮なくお聞かせください。

SKE(中村さま):

unlockさんを評価できるほど、我々自身が仕上がってないと思いますけれども。(苦笑)

SKE(森山さま):

実際、unlockさんからいただく資料では、厳しい意見があまり見えない印象です。お話を聞いていると、「あ、これはいけるんじゃないか?」と思ったりするのですが、そのあたりは本当にどうなんでしょう?
立場的に「それはダメですよ」とはunlockさんとしては言えないのかもしれませんが、 市場に立たないとわからない部分はある一方で、明らかに市場が小さいとか、成長が全くないとか。そういう部分があればunlockさんからはご提案いただけたりしていますが、ぜひ厳しい意見も頂戴したいです。事業化できる成功率とか。

unlock(津島):


まず弊社のポリシーとして、「本当はいけないと思っていても、いけると思います」というのはありません。
今まで御社から頂戴したテーマでは市場の大きさなどを調べるものが多く、前提とするビジネスモデルがあるわけではなかったので、「このビジネスモデルがいけるかどうか?」というテーマに対する、YES/NOではなかった部分もあります。
調査は成長市場が多かったので、「行けない」というジャッジがなかなかしづらいのがまず大前提ですね。
その上で、テーマによって「この事業モデルで需要があるのかどうか?」という部分に対しては「あまり無いと思います」ということを他社さんへお出しすることもあります。

SKE(西谷さま):

我々がお願いしている内容では、そもそもジャッジできるものでもないですしね。
企画を上げる際のプレゼン資料の評価をやっていただいたく際に、そういうお考えが出てきたら、ぜひ我々に教えていただければと思います。

unlock(津島):


承知いたしました。
今日は本当にありがとうございました。



エスケーエレクトロニクス様取材記事

撮影日:2023年11月17日
撮影:奥野 由記