新規事業の「顧客インタビュー」はなぜやるの?

 Q. 新規事業の「顧客インタビュー」はなぜやるの?

新規事業は「市場活動」だから

新規事業において仮説を立てることは、それ自体が目的というわけではありません。

仮説を実際に市場で検証し続けることこそが、仮説を立てることの本質です。

「顧客インタビュー」は、頭の中で組み立てた仮説を、市場にぶつけて一次ファクトを取る行為です。

「顧客インタビュー」を通じて早い段階で顧客から市場ファクトを得て、「仮説→検証→解釈」のサイクルを回すことで、意思決定の精度が上がり、市場の声に基づいた社内説得力も高まります。

顧客は必ずしも「正解」を言語化できるわけではなく、言われたことをそのまま信じればいいというわけでもありません。

「顧客インタビュー」では、顧客の発言や行動から市場の事実を拾い、それらを自分なりに解釈することを意識しましょう。

「顧客インタビュー」以外の市場調査手法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

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解説

新規事業開発において、「顧客インタビュー」を実施する真の目的は、「顧客から正解を聞き出すこと」ではなく、「事業としての勝ち筋を見出すための材料集め」です。

社内でどれほど精緻に事業計画を組み立てても、それはあくまで「社内の論理」で構成された仮説に過ぎません。

社内で立てられた仮説が市場という現実世界で通用するかどうかは、実際に顧客の行動や反応といった一次情報に触れることで明らかになります。

また、顧客自身も自分の潜在的な課題や、それに対する最適な解決策を正確に言語化できているとは限りません。

「顧客インタビュー」では相手の言葉を鵜呑みにするのではなく、発言の背景にある状況や、実際の行動から「事実」を拾い上げ、事業家としての視点で「解釈」しましょう。

事業者として顧客の意見を分析することで、手戻りのリスクを最小限に抑えつつ、確かな市場の事実に基づいた、精度の高い意思決定が実現できます。

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マーケットリサーチ

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事例:・・SmartHR

クラウド労務ソフト「SmartHR」を開発した株式会社SmartHRは、創業当初「仮説→プロトタイプ→ヒアリング」のサイクルを週単位で回し、10回以上のピボット(方向転換)を繰り返していました。

株式会社SmartHRが考えた多くの仮説(アイデア)に対して、顧客は「強いて言えば困っている」程度の反応しかしませんでした。

しかし、「社会保険手続き」についてインタビューした時だけは、他の質問と反応が異なりました。

具体的には、「手続きは月何回?」と聞いただけで、「ちょっと聞いてくださいよ!」と相手が身を乗り出し、止まらない勢いで不満を語り出しました。

株式会社SmartHRは、顧客の言葉の内容以上に、社会保険手続きに対する「圧倒的な熱量の違い」こそが深い課題の証明だと解釈し、SmartHRの事業化を決断しました。

結果として、SmartHRはリリース直後から「これを待っていた」とばかりに登録が殺到し、クラウド労務市場で圧倒的なシェアを持つ企業へと成長しました。

引用元:https://diamond.jp/articles/-/335773

株式会社SmartHR以外の新規事業成功例を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

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まとめ

顧客の言葉は、必ずしも「正解」を示しているとは限りません。

顧客自身が本当の答えをまだ言語化できていない場合もあります。

インタビューで重要なのは、顧客が発した言葉そのものに引きずられるのではなく、その背景にある状況や感情、反応を読み取り、本質的なニーズを解釈することです。

市場調査でインタビューするときは、答えをそのまま受け取る場ではなく、意思決定の材料となる「事実」を収集するためのプロセスと捉えましょう。

また、SmartHRの事例を踏まえ、表面的に語られた要望ではなく、顧客の行動変容や熱量といった兆しを確信へと昇華させたうえで事業化に踏み切りましょう。

この記事を書いた人
株式会社unlock
事業プロデューサー 熊田竜次

得意領域
営業 & コンサルティング、Webマーケティング

経験業種
BtoC:人材、製造業、不動産、エンタメ、インフラ
BtoB:人材、AI開発、ソフトウェア(SaaS)、金融、インフラ

経歴
早稲田大学社会科学部 卒業。株式会社マイナビ、株式会社Speeeを経て現職。
支援プロジェクト数 50社以上 (2026年7月現在)。