新規事業のBtoB営業戦略 ~市場ニーズを得るための仮説検証方法:営業が新規事業の成否を分ける~(2/5)

※本コラムは2024年11月13日に開催した株式会社unlockのウェビナーを書き下ろしたオリジナルコンテンツです。
▼前回の記事はこちら

新規事業のBtoB営業戦略 ~市場ニーズを得るための仮説検証方法:マインド編~(1/5)
unlock熊田:
第1部では、市場リサーチが新規事業営業では重要であること、PMFを実現するための市場調査であることをお伝えしました。
その具体的なアクションについてお話する前に、いったん津島から新規営業に関するコラムをご紹介させてください。

unlock津島:
はい、私からは営業が新規事業の成否を分ける1番重要なパートである、という話をさせていただきます。
私は新規事業に関わって10年以上になりますが、どこが1番、新規事業の成否を決めるかという点は「営業である」とずっと感じてきています。アイデアではなく、営業です。
次ページはスタンフォードオンラインのYouTubeから拝借してきた内容です。
(※本記事でウェビナー画面の掲載はありません、あらかじめご了承ください)
先ほど熊田が申し上げたPMF、ここでは新規事業も近しいスタートアップの話になりますが、その8割はPMFを達成できず、それ以前に事業をクローズしたり、撤退したりしているそうです。いわゆる「死の谷」と言えます。

撤退基準大全:先進企業から学ぶ新規事業の撤退基準①
先ほど私は「1番重要なのはアイデアではなくて営業」とお伝えしました。決してアイデアを軽視するわけではありませんが、やはりアイデアは初期仮説と言えると思います。
熊田から、新規事業の目的は既存営業と違う、検証に大きな要素があり、市場リサーチが重要だとお話しましたが、リサーチもアイデアを思いついたところから製品化に至っても、たくさんのハードルがあります。AppleのiPhoneもすぐにできあがったのではなく、5回も6回も失敗して作られていますから、製品化のハードルや市場での販路構築のハードル、まさに営業ですが、そういったことを乗り越えていかなくてはなりません。アイデアを考えた後にも不確実性がまだまだ残っているわけです。
画面の概念的なグラフでは、左側に時系列で、アイデアを考えた時点から成功の閾値を超えるまでの段階で言うと、様々なハードルがあり不確実性が残っていることがわかります。そして多くの場合、特に製品化や販売に関するハードルが高いのです。
私の中では、製品化もそうですが、販売のハードルが段違いで高いという印象を持っています。
こちら、有名なラクスルさんの事例です。
日本のユニコーンと呼ばれて時価総額1000億を超えるような、ベンチャーとは言えないぐらいの会社ですが、いわゆるベンチャーです。創業者の松本氏のインタビューを引用させていただきましたが、松本氏も「アイデアだけでは成功しない」と何度も断言もされています。
「アイデアだけでは絶対にうまくいかなかった」
「アイデアだけでは成功しない、アイデアをきちんと磨き切ることで事業を拡大する」
「アイデアを出すことだけでなく、ブラッシュアップし続けることに価値がある」
良いアイデアを出すことを否定するわけではありません、アイデアを出した「後」の活動に成否を分ける要素がある、とおっしゃっています。私も同じ考えです。
次のページで、新規事業の工程に見る境界線を解説します。
アイデアを考案するのが1番左で、そこからアイデアを検討して、事業戦略を練り、実際にプロダクトを作って、売っていくという大きく4つに分けた図です。
この時、左側の3つは開発のハードルがありつつも、作る側、つまり供給側のコントロールが効きやすいです。会社組織で言うと、上司が頷けばオッケーみたいな世界もあったりすると思います。
極端に言うと、一番右側の「売る」だけが全く別の世界です。自分たちの上司がいかに深く頷いたかどうかは、実際にそれを買うお客さんにとって全く関係が無いところが、非常に厳しい全く別の世界なので、今回の「売る」難しさの1つが現れていると思います。
アイデア考案や開発は、船の旅に例えると、まだ安全な「港内」なのです。一方で、営業やマーケティングは自社の意向だけでは成立しない、市場という「外洋」だと思います。そういった荒波の厳しい環境でどうやって成功させるかという具体的なアクションは、この後お話できればと思います。
営業は最難関のプロセスです。製品が悪いということではなかったとしても、苦しいです。この苦しさをあらかじめ気持ち的に織り込んでないお客様も中にはいらっしゃって、簡単に「もうダメじゃないか」とおっしゃる方もあるくらいです。
ユニチャームやユニクロなどの有名な経営者の方々が信奉している経営コンサルタントの一倉定さん。彼は「事業経営で最も大切で、最も難しく苦しく、最も根気強く推進しなければならない仕事は販売である」という言葉を残していらっしゃいます。
すごく良い商品を作っても、こういう厳しいプロセスが待っているんだと心構えをしていただくことで、実際に苦しいことに当たった時、そう思ってない時に比べて突破できる可能性が少しでも上がれば良いと思い、言葉を引用させていただきました。
次は、具体的に何を準備してどうすればいいのか? というアクションの話です。
▼続きは下記からご確認ください。

新規事業のBtoB営業戦略 ~市場ニーズを得るための仮説検証方法:新規営業における三種の神器~(3/5)

この記事を書いた人
株式会社unlock 代表取締役社長 津島越朗
得意領域
テクノロジー(AI・ブロックチェーン・IoT等)をベースとした既存産業の革新・効率改善サービス(SaaS等含む)の新規事業
企画・開発・拡大(Growth Hack)、0→1(ゼロイチ)
経歴
2005年 株式会社リクルート入社(人材事業営業部)
2008年 同上(インターネットマーケティング局、マーケティング・新規事業企画)
2011年 株式会社ディー・エヌ・エー入社(サンフランシスコにて現地法人のマーケティング組織の立ち上げ)
2013年 株式会社DeNAライフサイエンス(東京大学医科学研究所と遺伝子検査MYCODEの立ち上げサービス&マーケティング責任者)
2014年 株式会社DeNAロケーションズ 代表取締役社長(海外のテクノロジーベンチャーとの合弁企業)
2016年 株式会社unlock設立
