新規事業テーマ発掘への生成AI活用と、コア技術との組み合わせ方(1/4)

※本コラムは2024年8月13日に開催された技術情報協会主催のウェビナーを書き下ろしたオリジナルコンテンツです。

本日お話するテーマは、「新規事業テーマ発掘への生成AI活用とコア技術との組み合わせ」です。

本日お話する内容はこちらです。

  1. AI技術の基礎知識
  2. 新規事業創出の基本プロセス
  3. AIを活用したコア技術との組み合わせ方
  4. AI応用事例と実践

メインは、3番・4番の内容です。ご参加の方の状況がわからないため、1番と2番では基礎的なお話になります。

ご存知の方はやや退屈されるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。

第1部 AI技術の基礎知識

「AIとは」を解説する場面は意外と少ないので、 あえてそこから始めさせてください。

AIは、アーティフィシャルインテリジェンス、人工知能の略です。人間の知能をコンピューターシステムによって模倣する技術を指します。

AIという言葉は1956年、アメリカの計算機科学者であるジョン・マッカーシーによって、初めて使用されたそうです。

AIというものが目指すのは、元々は人間と同じ認知活動、つまり人間知能を模倣する技術を指していました。

AIの構成要素

こちらの画面が、基本的な概念です。今後も大きくは変わらないと言われる原理原則で、次の3つの要素で構成されています。

データ

AIを構成する要素の1つ目は、データです。

データパターンを発見するために学習し、大量の情報をAIにインプットすることが重要なので、データが不可欠です。

アルゴリズム

これを何にインプットするのかというと、2つ目の要素のアルゴリズムです。

アルゴリズムとは、データから学習するための手順やルールで、プログラミングのようなものです。

モデル

3つ目は、モデルデータを使った学習で得られるプログラムです。

これもプログラムですが、特定の目的に沿ったモデルにアウトプットするという3つの構造が、どんなAIでもほとんど同じ構造であることが、AIの基本的な概念であり、構成要素になります。

AI技術の種類と特徴

これらを抑えた上で、AI技術の種類と特徴に関して、今どのような種類のAIが存在するのでしょうか。

現在のAI技術はビジネス、医療、エンタメ、交通など多岐に渡る分野で発展、応用されており、AIと呼ばれるものは次の画面のように分類できます。

生成AIが出る少し以前は、“機械学習”という言葉で語られていました。

しかし現代では、データからパターンを学習して予測、意思決定するような画像認識や株価予測もAIに当てはまると考えられています。

自然言語処理、NLP言語を理解して生成する翻訳システム、チャットボット、ロボティクス、製造ロボット、自動運転技術、コンピューターシステム。

先ほどの画像認識に被りますが、顔認証等があります。

他にも、音声認識、音声をテキストに変換して理解する音声アシスタント、推薦システム等。

機械学習と被りますが、ユーザーの嗜好や行動を分析してリコメンドするオンラインショッピングやYouTubeのおすすめ等、これらもAI技術が使われています。

生成AIとは

続いて、いわゆる生成AIと呼ばれるものについて。

ChatGPTのようなモデルは、NLP(自然言語処理)のカテゴリに属します。

言語を理解して自然で流暢なテキストを生成する能力・特徴により、ユーザーとの対話、情報提供、コンテンツ生成など、幅広いタスクに対応します。

生成AIの特徴である言語の理解と生成、大量のデータ学習、様々な応用、こういったことの発展は非常に目覚ましいものがあります。

AIという言葉や機械学習、自動運転など広義のAIが多く、今や“なんちゃってAI”も含めて存在する市場において、1カテゴリとして一気にメインストリームになったと言えるのが、いわゆる生成AIです。

ChatGPTは、現在1億人以上のユーザーを抱えています。

たった5日間で ChatGPTのユーザーが100万人を超えたのは、様々なサービスの立ち上げをしている私にとって本当に驚異的な数字です。

普通の会社が新サービスを始めたら何年もかかるのを5日間でクリアする、これはとんでもないサービスが出たと改めて言えるでしょう。

AI活用による業務影響

ある会社の調べでは、日本を含む世界15カ国の地域で、職場でのAI活用に関する意識調査を実施した結果、全体での利用率は去年の2倍になり、働き手も利便性を実感しているとのことです。

一方で、AIが仕事に与える影響を確信している、または不安に感じている、という人も増えています。

これはAIが非常に伸びていることと、日本でAI、生成AI、ChatGPT等を使っている割合も世界的には高いところにあるとわかります。

従業員で生成AIを活用している人の割合では、経営層の方が高いのが特徴です。

ChatGPTやDALL-E3による業務革新

ところで、ChatGPTが出てきた時に私は驚いたものの、自分がやっている業務に影響は少ないと考えていました。

しかし、 2023年の11月7日。私の20年近いビジネスマン人生で一番大きなニュースの1つ、まさに革命だと感じた日のことです。

オープンAIがこの日、ChatGPTを使用して開発するデベロッパー向けに、セミナーで新機能を発表しました。

ChatGPTが、今はさらに「4」になっていますが、 ChatGPT4ターボが出て、GPTS 、GPTビルダー、GPTを使って自分のアプリを作れるようになったのです。

それから、GPT Storeです。自分で ChatGPTを活用したアプリを、App StoreやGoogle Playのように、ユーザー同士でアプリを課金したり、無料で使ってもらったりできるストアができました。

さらに、自然言語による超高性能画像生成AIのDALL-E3が登場し、そういったことが一気に発表されて、いよいよ本格的なAI時代が到来したと思いました。

ソフトバンクの孫正義氏が語るAIの将来性

先ほど「普通のサービスだったら」と言いましたが、大体5年に1度ぐらいの大きなアップデートインパクトが、今は半年単位で起こっていると、それぐらいとんでもないことが起きていると日々感じています。

そこから約1年でどこまで進化するのか。

先月、ソフトバンクの孫さんがあるYouTubeの番組でこんな発言をされていました。

「なぜ急にAIがこれほどまでに、特にこの1年間で進化したのか。」

これで終わらないところがAIのすごいところであり、場合によって恐怖すら感じますが、さらに孫さんはこう仰っていました。

「すごいのは、ここから4年間でもう1回、1000倍になる。

もっとすごいのは、そこから4年間でさらに1000倍になる。

オリンピック3回分は我々のマイルストーンに入っているから見えている。

我々の開発現場では、1000倍×1000倍×1000倍で10億倍だ。」

出典:https://youtu.be/h3052XnZhVI

ソフトバンクはアーム社という半導体会社を買収しており、ここから10億倍の進化をすることが現段階で見えているそうです。オリンピック3回で人が走る速度が10%も上がればすごいですが、AIは10億倍です。

現在、AIはアメリカの医学試験を通過しているようです。さらに10億倍とは、天文学的と言えるような、想像もできないような進化を遂げると言われています。

AIの普及はまさにインターネット黎明期

比べ物になりませんが、このインパクトとしてはインターネット黎明期と近い感覚だと私は感じています。

孫さんもブロードバンドの話をしていましたが、日本でブロードバンドが普及期を迎えた2000年代初頭、「ウェブはバカと暇人のもの」という本がベストセラーになりました。つまり、インターネットは馬鹿にされていた時代でした。

今もAIは「不正確」「情報が古い」「ハルシネーションがある」といった“使わない理由”が多々存在しています。それも理解できる一方で、今後の進化を考えると、これらを踏まえても有り余る価値があると言えるでしょう。

繰り返しですが、最初は警戒され馬鹿にされていたものが、20年経ち、今はもう誰もが普通に使っているわけです。

AIを使う人も急増していますが、そのインパクトについて、将来を含めて理解して正しく捉えられている人は多くないと感じる点で、インターネット黎明期の感覚と近いのではと思います。

積極性こそがAI活用の鍵

私自身のスタンスとしましては、積極的にAIを活用しています。

今日お話しする新規事業においても、AIが全てを完璧にプランニングしてくれる時代が来るかもしれません。 「10億倍」ならきっと来るのでしょうが、やはり意思決定については人間がする必要があると考えています。もしそれができなければ、それこそ恐れる未来になると思うのです。

新規事業を知り、ディレクションや判断をする仕事は、やはり付加価値が高い仕事をして残ると思います。

私の話について何か思うことがありましたら、ChatGPTを使うなどして、ぜひ積極的にAIで考えてみてください。

さて、時の人であるNVIDIA社のファウンダーは、「AIに仕事を奪われると心配する人もいるが、実際はAIに精通した人に仕事を奪われることになる」と言っています。

「機敏な企業はAIを活用して地位を向上させるが、機敏さにかける企業は消滅するだろう」

これはインターネットにおいても全く同じことが言えたでしょう。

つまり、今のうちからAIを使っていくことが非常に重要なのです。

▼続きは下記からご確認ください。

成功する新規事業の秘訣~新規事業アイデアを社内承認に導く方法~(2/4)

▼前回の記事はこちら 第2部 新規事業創出の基本プロセス 様々な言葉や定義がある一方、アイデアを考えて、世に商品やサービスを出して、それを成長させるという意味では、いわゆる普通のビジネスと新規事業は同じです。 最初にアイ […]

この記事を書いた人
株式会社unlock 代表取締役社長 津島越朗

得意領域
テクノロジー(AI・ブロックチェーン・IoT等)をベースとした既存産業の革新・効率改善サービス(SaaS等含む)の新規事業
企画・開発・拡大(Growth Hack)、0→1(ゼロイチ)

経歴
2005年 株式会社リクルート入社(人材事業営業部)
2008年 同上(インターネットマーケティング局、マーケティング・新規事業企画)
2011年 株式会社ディー・エヌ・エー入社(サンフランシスコにて現地法人のマーケティング組織の立ち上げ)
2013年 株式会社DeNAライフサイエンス(東京大学医科学研究所と遺伝子検査MYCODEの立ち上げサービス&マーケティング責任者)
2014年 株式会社DeNAロケーションズ 代表取締役社長(海外のテクノロジーベンチャーとの合弁企業)
2016年 株式会社unlock設立